ポップでスタイリッシュなデザインを起用することで、FPS初心者が触れやすくしたい
──グラフィティっぽいデザインやステッカーの要素など、全体的にストリートカルチャーがベースにあるのかなと感じました。その一方で、先行のバンドルだとスチームパンク風のデザインや、かわいい猫ちゃんのモチーフなどが起用されていました。いろんな美学を取り入れる上で、どうやって『FragPunk』ナイズドしていますか?
アートチーム:
いろんな美学を取り入れているのは、『FragPunk』のオリジナリティの豊富さを表現するためです。いろんな方に楽しんでいただけるようなイメージで、これに注力しています。
いろいろな要素を頻繁に使うのではなく要所要所で使うことによって、そのインパクトを活かすようにしています。敵を倒した際の「DEATH」の文字や、ゲーム内のUIなど、随所で皆さんを刺激することを目標としています。
──スタイリッシュでパンクなデザインがすごく魅力的ですが、具体的にどこかターゲットを狙っているのでしょうか?
アートチーム:
厳密に「こういう人向けです」というものではないですが、アバウトに「若い層にウケてほしいな」という思いがあります。
現存している同じジャンルの作品はどちらかというとシリアス寄りのデザインですよね。FPS初心者が参入しにくい環境になりつつあるのを、制作チームも感じています。こういった、ポップでおしゃれなデザインを使うことでFPSを触ったことがない方も楽しんでいただけるように、このようなデザインにしました。
──なにか影響を受けた作品はありますか?
アートチーム:
デザインの要素として、取り入れている作品はありません。
ですが、作品の方向性としては『スパイダーマン』には色々なパラレルワールドがあって、アートスタイルも違いますよね。そういった発想の部分は取り入れています。
現在実装しているランサーの物語は、なんと全員分完成済み。親友や敵対など、ランサー同士の関係性もゲーム内で明らかに
──ヒーローシューターにおいて、「キャラクターが人気になるか」というのは大事な要素のひとつだと思います。チームの中で、このキャラクターは人気が出るのではないかという予想はありますか?
アートチーム:
全てのキャラクターが愛されるように作っていますが、例を挙げるとしたら『FRAGPUNK』のテーマに合ったキャラクターデザインの「アクソン」というキャラクターと、非人類的な存在の「ソナー」です。このゲームを代表するような存在になってほしいと考えています。
──ランサーたちのストーリーは明らかになりますか?また、どのくらいの頻度でストーリーコンテンツは発表されますか?
アートチーム:
基本的に、今実装しているランサーの物語は全員分完成しています。
表現の仕方としては、まずゲーム内のいろんなところで露出させるのがメインになるかなと思います。シーズン更新のトレーラーや、新マップの説明文など、色々なところで垣間見える感じになっているのかなと思います。
──モチーフからランサーを作っているんでしょうか?それとも、武器・スキルからでしょうか?その上で、どのキャラクターがいちばん最初にできたかを教えていただきたいです。
アートチーム:
実は、両方です。先にあったランサーのイメージに沿って作ることも、遊び方のモデルに沿って作ることもありました。
いちばん最初に作ったのは「ブローカー」というランサーです。『FRAGPUNK』は短時間でスリルあふれる刺激的な戦闘を目指していますので、ザ・破壊力のようなイメージでまずブローカーを作りました。
美術デザインをする際にも、ランサーのストーリーや生活を踏まえて、取り入れる要素や使う色、髪型などを議論しながら進めています。「このキャラはこういうスキルを使う」というのが、見たらわかるように注力しています。
──スキンの制作についてはどうですか?
アートチーム:
スキンの実装についてですが、各キャラクターのスキンの制作をしています。武器のスキンと同じ方向性で、「このキャラはこのスタイルだから、同じスタイルで作ろう」というのではなく、ユーザーの方が新鮮味を感じられるスキンを今後提供していきたいと思っています。
過去のとある事件のビジュアルを反映したスキンなども実装予定です。そういったところで、ランサーの物語を完成させることも想定しています。
そもそも「シャードカード」ってなんでルール変えられるの?
──そもそも「シャードカード」とは、「グルナイト」とは何ですか?
アートチーム:
グルナイトは「さまざまな物理的な法則を変える存在」です。シャードカードはそれを包装・封印するようなイメージの、(ゲーム内に)実在するツールもしくは道具です。カードを破ることで、グルナイトが出てくるので、この力でルールを変える……といった感じです。
「シャードクラッシュ」のモードで登場する、爆弾のようなものを本作では「コンバーター」と呼んでいます。コンバーターはグルナイトを継続的に吸収し、シャードカードを作り出しています。なので、カード選択画面ではコンバーターが表示されているんです。
もともと、ランサーはグルナイトに影響されている存在です。周囲の環境のグルナイトと、ランサーのグルナイトを同時に吸収してしまうことで、コンバーターは爆発に似た反応を起こします。
──「グルナイト」は新しいエネルギー物質のようなものではないということでしょうか?また、ランサーたちが戦う理由はそれぞれあるということですが、この世界では戦いに勝つことで何がもたらされるのでしょうか?
アートチーム:
エネルギー源ではなく「物理的なルールを捻じ曲げることができる、新たに出現した物質」というイメージです。
「シャードカード」はグルナイトのひとつの表現で、みなさんが戦うのはグルナイトを収集する過程になります。グルナイトを集めることで、新たにシャードカードを作り出すこともできます。
シャードカードを選択するサイトのコストはゲーム内の通貨にあたるものですが、その通貨もまた、グルナイトでできています。
──グルナイトがランサーに新たな力を与えているということですが、機械などには影響を及ぼしますか?
アートチーム:
コンセプトとしては、そういった考えもあります。グルナイトに影響された建物や、エネルギー源として生きる機械は作品世界の中に存在していますが、それらをいつ物語に投入するかは未定です。
グルナイト自体は、いろんなところに影響を与えています。マップの中にもグルナイトに影響されて物理的なルールに反している場所があったりもします。今後のストーリーの中でグルナイトとは何か、何に影響するのかなどという謎も明かされていきます。
──ランサーたちは「パラレルワールドから来た」という設定のようですが、このパラレルワールドはいくつあるのでしょうか?どんなユニークなパラレルワールドがありますか?
アートチーム:
現時点では4〜6のパラレルワールドがほぼ完成しています。今後シーズンの更新につれて、拡張していくことも想定しています。先ほど試遊していただいた中で、ランサーとマップの親和性が高い組み合わせがあったかと思います。それが、同じパラレルワールドから出てきたマップとランサーになります。
また、現在実装しているランサーの中でも、敵対関係にある者もいます。それぞれの間にある感情やリレーションシップも大事にしています。例えば、フェイトとニトロは親友で、共闘することもあります。このほかにも所属している組織が同じであったり、とあるカンパニーのアサシンだったり……。ゲームの中に関係性のヒントが隠されています。
──シーズンごとに少しずつストーリーが進行するのでしょうか?
アートチーム:
はい、その認識で相違ありません。
──よりファンタジーなデザインにすることもできたかと思いますが、本作ではなぜ実銃を元にしたデザインを取り入れているのでしょうか?
アートチーム:
今あるデフォルトの武器は、ユーザーの方がパッと見でわかるような設計をしています。
実は、もっとブッ飛んだ武器も用意しています。これらはスキンもそうですが、武器の種類として導入する予定です。例えば同じ世界観のスキンと合わせてであったり、パラレルワールドで発生した事件を基にした何かが実装したときに導入するなど、いろんなタイミングにあわせて、みなさんにお見せすることになると思います。
──最後に、日本のプレイヤーにコメントをいただけますか?
Chang Xin氏:
日本のプレイヤーの皆さんのことを、かわいい人たちだと思っています。いろんな意味で!私たちは、日本で成功したしたい気持ちが本当に強いです。
少数精鋭のチームで作ってるゲームだからこそ、ローカライズやバランスの足りないところなど、いいところも悪いところもぜんぶ耳を傾けるつもりです。たくさんフィードバックいただけると嬉しいです。
日本で長く運営できるように頑張りたいと思ってますので、よろしくお願いします!