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「言葉」を使って世界に干渉しまくる謎解きパズルゲーム『コトバポイポイ』をプレイしたけど……日本語ってオモシロ!!「虹」を拾ってステージに投げ込み、時間を勝手に進めて「2時」にする。同音異義語による無法行為も駆使してクリアを目指す

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「日本語」とかけまして「白猫」と解きます。その心は?

どちらも、面白い(尾も白い)でしょう。

初っ端からベタですみません。

でもこの「なぞかけ」、『コトバポイポイ』を表現するのにピッタリな遊びなんです。同じ読み方の言葉でも意味が変わる、日本語らしい言葉遊びですよね。

『コトバポイポイ』は、ステージの中からお題となる「言葉」を探して集めるパズルゲームです。一見、ステージには関連がなさそうな言葉をなんとかステージの中に具現化させるため、「なぞかけ」のような連想とひらめきが重要です。

『コトバポイポイ』評価・レビュー・感想:「言葉」を使って世界に干渉しまくる謎解きパズルゲーム、日本語って面白い!_001

画像の左側にあるのがお題となるワード。このステージで言えば、この箱状のステージの中から「ろうそく」や「くらっかー」などの言葉を見つけださないといけないわけですが……。

「どこにも無くない?」って思いますよね。

たしかにこの状態だとお題となる言葉はどこにもないんですが、持っている言葉やステージにある言葉を集めたり、ステージの中に放り投げることで状況が変わり、お題の言葉に辿り着くというのが本作の醍醐味。

上の画像のステージも最終的には……

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こうなります。

すべての言葉がステージ内に出現しましたね!

最初に渡された言葉を駆使したり、「同音異義語」や「言葉の分割」、その他にもちょっとした言葉遊びを駆使して、目標の言葉をとにかく探しまくるのが本作の特徴です。それだけに、上手く答えにたどり着けたときの面白さは最高で、思わず「日本語って面白いなぁ」と唸らされました。

今回は体験版として無料でプレイできる第1章について例題も出しつつ紹介をしていくので、ぜひ脳みそをフル回転させつつ、読み進めていただければと思います。普段から自然に日本語を読み、話し、聞いている私たちだからこそ改めて発見があるはず。

体験版のパズルの答えについては画像や文章で触れてしまうので、前情報をこれ以上入れずに遊んでみたい方は、公式サイトから体験版をチェックしてみてください。

文/白熊のヨゥ
編集/anymo

※この記事は『コトバポイポイ』の魅力をもっと知ってもらいたいSCRAPさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


同じ「にじ」でも意味が変われば効果も変わる。柔軟な発想が大事なワードパズル

本作のジャンルは「パズルゲーム」。もう少し詳しく言うなら、「ある言葉」を「別の言葉」に変換するパズルになっています。

クイズ番組などでもお馴染みのワードパズルですが、本作の面白いところは変換元である言葉やターゲットになる言葉を、自分の手でステージの中から抜き取る必要があるということ。

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シチュエーションとしては「開店時間前でお店に入れない男の子」がいて、ターゲットには「しょうねん」、「えがお」とある状況。「男の子」は、つまり「少年(しょうねん)」すから、まずはこの言葉を抜き出してみましょう。

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マウスでクルッと囲んであげると言葉を取り出せる

こんな感じで、ステージ背景から言葉を取り出していくわけです。ただ「しょうねん」はステージにいるからいいとして、他のターゲットは見当たりません

こういうときは後回しにしてオッケーで、まずは今の状況で取り出せる言葉を探すのが大事。上の絵であれば「たいよう」、「とけい」などが取り出せる言葉になっています。

そしてここからが本作ならではのシステムで、取り出した言葉を使ってステージの状況を変化させることができるんです。少年が持っている「アメ」を取り出して、「あめ」としてステージ内に大雨を降らせてから、さきほど取り出した「たいよう」をステージにポイッと!

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雨のち晴れと天気が急に変わったことでが出ました!

ステージの状況が変わり、新しいターゲットの言葉「にじ(虹)」が出現したというわけですね。
このように「ステージからコトバを抜き出す」→「そのコトバでステージ内を変化させる」→「出現したターゲットのコトバを抜き出す」というのが本作の基本的なサイクルになっています。

とはいえまだまだクリアにはほど遠く、ここからさらに「えがお」、「いと」を取り出さないといけないわけです。

「えがお」に関しては、あの少年を笑わせてあげればよさそうですね。彼が泣いているのは「お店が開いていない」ことが原因なようです。お店が開けば笑ってくれそうですが、ヒントによるとお店が開くのは2時のようです。

時計を見る限り午後2時まではあと1時間もあるわけですが……。

ん?午後「2時」……?「にじ」……?

「虹」ィ!?

いやまさか、天候を変えられるのはともかく、時間にまで干渉できるなんて、さすがにそんなこと……。

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「にじ」をポイッと投げ込むと?

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できた!!無事開店!

と、こんな感じで天候はおろか、時間に干渉することも可能なんです。

また、「ターゲットリスト」や「持っているコトバ」の欄を見ていただくとおわかりいただけるかと思いますが、本作は扱う単語ひとつひとつはそこまで難しい言葉ではなく、語彙自体は小学校で習うレベル。

その代わり、上に書いたような日本語ならではの言葉遊びが求められるので、知識よりも発想力が大事になってくる。だからこそ上手く言葉を捻って正解に辿り着いたときには思わず「日本語ってオモシロッ!!」と唸らされます。

ちなみに、残るターゲットの「いと」も、捻った見つけ方が求められる言葉になっています。ここまでの画像に載っている言葉も参考に、どのように変換をすれば辿り着けるか、想像してみてください。答え合わせは、ぜひ体験版で!

「舞踏会」に佇む「武闘家」。言葉を投げまくることで、時折シュールな光景が出来上がる

ステージの中から言葉を集め、それを放り投げてステージ内に変化をもたらす。これが本作のサイクルなんですが、ゲームが進んでくるとそれだけでは攻略できないことも増えていきます。

そこで登場するのが「ヘンカン具」と呼ばれるアイテム。これはそのステージごとに特定のものが用意され、道具に応じて持っている効果もさまざま。このステージの「ハサミ」であれば、「おうじょ」という言葉を「おうじ」という言葉に短く分割し、別の言葉に変換することができるのです。

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ここからは筆者がこのステージをプレイした際に、どんなことを考えていたのかも交えて紹介していきたいと思います。

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じゃあ「おうじ(王子)」ができたから「おう(王)」を作ることもできるよね。
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「じょおう(女王)」って「クイーン」のことだから、「じょおう」をセットして回収すれば「くいーん」になるかな?

……とりあえず他の王様たちも放り投げてみるか。

ポイポイッと!

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なんか踊りだした!?

言葉をステージにポイッとすることで変化するというのはわかってましたけど、こういう予想外の変化もあったりする。だからこそ、いろいろな言葉をつぎつぎ投げ込んでみたくなるんです。

そしてこの貴族が踊っている場面から「ぶとうかい(舞踏会)」を抜き出して、それをハサミを使って短くすることで「ぶとうか(武闘家)」という、これまた予想外の言葉を取得できるのも面白いです。

ちなみに、そのまま「ぶとうか」をステージにポイッとすると……。

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舞踏会のすみっこにひとり佇むボクサーというシュールな絵面が出現。

きっと「ぶとうかい」が開かれると聞いて喜び勇んで来ちゃったんでしょうね、フットワークの軽さはリングの上で見せてくれ……。

このようにこちらのアクションに対して、細かく丁寧にリアクションを返してくれるので、ついいろいろと試してみたくなるわけです。

ちなみに、各ステージはクリアに必須となる言葉のほかにも、任意で挑める難問が設定されている場合もあります。このステージではここから更に「ちゃんぴおん」「つり」という単語を引っ張り出してこなければなりません。

「ちゃんぴおん」はなんとなくあのボクサーと関係していそうと想像ができるところですが、「つり」は本当に難しいというか、かなりの閃きが求められます。その分、解けたときの「そう来たかァ~~~~!!!」感もまた格別でした。

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「くいーん」や「ちゃんぴおん」がアリということは、厳密に日本語にこだわる必要はないわけですが、持っているコトバと画面のヒントを組み合わせると……?

“こけし”は「こ」を消し【こ消し】、“かがみ”は「か」を「み」に置き換えて【か→み】。日本語ならではのトリックを駆使すべし

「虹→にじ→二時」のような読み方を基にした「言葉の変換」、「おうじょ」から「おうじ」という言葉を抜き出す「分割」をここまで紹介してきたわけですが、今回プレイしてもうひとつ印象に残った言葉遊びがありました。

こちらは第一章の「ボスステージ」。すべてのターゲットを集める必要があるステージなんですが、ひとまず目に入った言葉を取り出してみましょう。

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なんだか既にカオスなことになっていますね

ここでポイントになるのが「こけし」「かがみ」「しない」の3つ。一見共通点のない言葉ですが、このステージの「ヘンカン具」と組み合わせがポイント。これはふたつの言葉を入れて、その言葉に応じて変化を与える道具。試しに「こけし」と「しない」を入れてみると……

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「こけ」という言葉に変換されました!

ナンデ!?と思われた方のために説明すると、「こけし」という言葉に「しない」を組み合わせることで【しない→「し」無い】と変換され、一緒にいれた「こけし」から「し」を取り除いて「こけ」という言葉が取り出せたというわけです。

簡単な暗号文として「たぬき」つまり、「た」を「抜く」文章を見たことがある方も多いと思います。それと同じように特定の言葉を鍵にして変換するというのが、このステージのポイントになっているんです。

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ターゲットである「かね」は「かめ」と「めがね」の組み合わせで取り出せる。日本語ならではの仕掛けを駆使して答えを目指そう

“神”がかっているヒント機能も搭載。それはそれとして、難問に頭を捻るあまり「け」の文字がゲシュタルト崩壊した

ボスステージというだけあって、ギミックが分かったとしても最後のステージはかなり難易度が高め。実を言うと、筆者はこのステージのクリアに40分以上かかってしまいました。

それでも最終的にクリアできた理由のひとつは、本作の親切なヒントシステム。ご紹介が遅れましたが、本作のナビゲーターのひとりであるミコトちゃんをクリックするとヒントをくれるようになっています。

このヒントもステージ内のリアクションと同じく、かなり細かく進行状況に合わせた内容を教えてくれるので、パズルゲームが苦手でも程よい難易度に調整してくれるようになっています。

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人間界の「言葉」の秩序を管理する神様にして本作の発端でもある

そんな“神”がかったヒント機能があるにも関わらず筆者が大苦戦を強いられた理由、それも実はヒントシステムが一因。というより筆者が物凄く簡単なことを見落としていて、ヒントの意図を汲み取れなかったのが悪いんですが……。

中でも苦戦したお題が「うら」という単語。

「う、裏?なんの???」と困惑し、鏡に写っている後頭部、つまり頭の「裏」を取り出そうとしたり。「かめ」をひっくり返せないかいろいろ試したり完全に迷走し始めます。

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今思うとかなり無理があるんですが、プレイ時の筆者は真面目にやってます

そこでヒントを頼ってみると「こけし」を上手く使えとのお達しが。ここまでの流れ的には「こけし」は「こ」を「消す」という意味になるわけですが、これがさらに筆者を迷走させることに。

「こけ」と「こけし」を組み合わせて、新しく「け」という言葉を引っ張り出したところまではよかったものの、その「け」をどうすればいいか分からず。科学の先生に被せようとしてみたりと更に奇行に走る始末。

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この先生からは「かがく」や「めがね」を取り出せたので、他にも取り出せないか試している図。一箇所から取り出せる単語はひとつとは限らないのです
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プレイ中は大真面目にやってました

今振り返ると、このステージが難しい理由のひとつは登場する言葉が多いところ。しかも言葉同士を組み合わせて別の言葉にすることが大事なので、候補が多ければ多いほど組み合わせの数も多くなって大変なんですよね。

先の「け」も正解とは関係のない、いわばダミーの言葉。そんなこともつゆ知らず迷走しきった筆者は、「け」の文字を見すぎてゲシュタルト崩壊を起こしていたのでした。

しかし、本作のヒント機能の丁寧さからしてミコトちゃんが「こけし」というなら、「こ」を「けす」何かが答えにつながっているはず、でもほぼ総あたりでもダメということは、まだ集めていない言葉がある……?

そうするうちに、「こけし」で何を消したら「うら」になるか逆算するという最終手段を使うことに。

えーと、「◯うら」か「うら◯」の「◯」を「こ」にすればいいんだから……。

「こうら」……?
「甲羅」ァ!?

カメェェェェェ!?

ひとつのモノも、異なる複数の言葉で出来ている。いやー日本語って本当に面白いですね……!!

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あんなに沢山言葉を取り出したのに、答えは最初から目の前にあったのでした。

紹介するのが最後になってしまいましたが、本作を手掛けるのはなんと「リアル脱出ゲーム」を企画運営している株式会社SCRAP

最初こそ「リアル脱出ゲームの会社がブラウザーゲームを?」と驚いたのですが、実際にプレイしてみると、普段リアルな世界で制約が多い中で幅広い層の人が楽しめる遊びを企画する発想力と、デジタルならではの柔軟な表現力が融合した作品だと感じました。

また、本作はスマホやタブレット、パソコンのブラウザーで遊べたり、今回プレイした限り難しい単語が登場しないなど敷居の低さも特徴のひとつ。ヒント機能も物凄く親切にできているので、パズルが苦手な方でも楽しめそうですし、お子さんと遊びながら学ぶのにもよさそうです。

同音異義語や言葉の分割、「こ」を「けす」、「か」を「み」に置き換えるなど、あらゆる日本語の言葉遊びを駆使する本作『コトバポイポイ』で「日本語の面白さ」を再確認してみるのはいかがでしょうか。

※「リアル脱出ゲーム」は株式会社SCRAPの登録商標です。

ライター
アクションゲームとアメコミ映画を愛する三十路ゲーマーで、前職は某ゲーム機のカスタマーサポートとのウワサ。一人用ゲームを好むが、人が好きなものの話を聞くのはもっと好きなので「誘われればどんなゲームでもやる」がモットー。そんなこんなで始めた「スプラトゥーン3」を気づけば1000時間遊んでいたチョロいやつでもありますが、私が書いた文章をきっかけに誰かが「好きなもの」を見つけてくれたらいいなと思っています。

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