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『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』に仕込まれたネタの数々……オレでなきゃ見逃しちゃうね。団長の小パンは「おそろしく速い手刀」だし、会長の「百式観音・壱乃掌」はまさに不可避の速攻

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格ゲーマーの間で古くから伝わる諺に、こういうものがあります。

「『HUNTER×HUNTER』が嫌いな格ゲーマーはいない」……。

「もし『HUNTER×HUNTER』の格ゲーが出たらさあ……」というのは、格ゲーマーにとって日常の挨拶であると同時に、見果てぬ夢のひとつでもありました(※筆者の主観です)。そんな夢がいよいよ今夏、現実のものとなります。

大人気TVアニメ『HUNTER×HUNTER』を元とした初の格闘ゲーム『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』(以降『NEN×IMPACT』)が、2025年7月17日(木)にいよいよリリースされます。

手掛けるのは、2023年にゲーム業界へと電撃参入を果たした「ブシロードゲームズ」。

今回、多くの期待を背負っているであろう本作を、一足先にプレイする機会を頂きました。ゲームシステムやキャラの性能はもちろんのこと、私が本作で最も気になったのは「ファンがどれくらい喜べるものになっているのか」というところ。

結論から述べると、本作は非常に優れたキャラゲーになっていると感じました。ゴンやキルアが放つ必殺技、アニメでも見せた「あのポーズ」の再現、そして対戦以外にも見られる数々の名言……。どれをとっても、ファンが思わずニヤリとできる高いクオリティに仕上がっています。

そんな本作の魅力を、この記事では一部紹介しましょう。なお、今回は先行プレイということもあり、対人プレイは体験できませんでした。あらかじめご了承ください。

また、弊誌では『NEN×IMPACT』の格闘ゲームとしての要素に着目した記事も公開していますので、ぜひ合わせてお読みください。

文/植田亮平
編集/うきゅう

※この記事は『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』をもっと知ってもらいたいブシロードさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


俺には理解(わかる)!!技構成からモーションに至るまで、『HUNTER×HUNTER』愛に溢れたキャラクターたち

まずは多くの方がもっとも気になっているであろう対戦部分から紹介します。

と言っても、システムやキャラクターの性能などはいったん置いて、ここでは「キャラゲー」の部分、どれくらい元ネタが再現されているのかの部分に注目していきます。

本作には発売時点で16体のキャラクターが用意されており、そのどれもが念能力さながらのユニークさと個性を持っています。

アニメで使っていた必殺技は言わずもがな、モーションや性能、そしてキャラ自体のコンセプトまでしっかりと再現されており、ファンから見ても納得できる仕上がりになっているので、いくつかピックアップして紹介しましょう。

各キャラクターの使う念を用いた必殺技は、どれもアニメの要素をしっかりと拾い上げています。たとえば、ゴンの「ジャジャン拳」は溜めモーションから「グー(近距離)」「チョキ(中距離)」「パー(遠距離)」へと派生するほか、溜めている途中でキャンセルが可能。

「最初はグー」のモーションで相手を揺さぶりにかけるという、アニメでもおなじみの使い方を楽しめます。

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他に、ネテロの「感謝の祈り」は祈りから様々な派生技に繋げる必殺技となっていますが、この祈りの予備動作が「マジで速い」ものとなっており、見てからの攻撃はほとんど不可能なレベルとなっています。これも会長の祈りの速さを再現したものです。

また、祈るためのボタンを一定時間押し続けてから離すことで放たれる「百式観音・壱乃掌(ひゃくしきかんのん・いちのて)」は発生が異常なほど早く、ほとんど予備動作もなし。まさに「不可避の速攻」で、観音様の手が相手に振り下ろされます。

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ちなみに、「音を置き去る拳」もあります。こちらも当然ながら発生が早いです。

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観音様が……!!!(涙を流しながら)

ゲンスルーが使用する超必殺技「命の音(カウントダウン)」は、一回目に使用した際はゲンスルーが爆弾を取付(アタッチ)、二回当てることでサブとバラの力を合わせた解放(リリース)が発動します。

ゲーム的に考えれば取り付けてからそのまま爆発させるというものでも良いはずですが、ゲンスルーの能力を最大限再現するためにこの仕様になっているのであれば、ファンから見ればかなり嬉しいものです。

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サブとバラだけはちゃんと“仲間”なのいいよね……。

いわゆる変身系の必殺技もしっかりとアニメを踏襲しており、キルアの「神速(カンムル)」は超スピードで画面を駆け回る機動力が、ビスケの「ゴツイったらありゃしない」は空中ダッシュが出来なくなる代わりに相手を殺しちゃうほどの攻撃力と防御力が手に入ります。

各種モーションへのこだわりも緻密です。たとえばクロロの立ち小パンチ。これは……

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おそろしく速い手刀…オレでなきゃ見逃しちゃうね(スクショがうまく撮れないぐらい速い)。

という具合に、通常技のモーションもアニメのワンシーンから拾ってくるというこだわりよう。

上記の内容以外にも、ゲンスルーの立ちモーション、ヒソカの前+強攻撃など、必殺技以外も必見。ファンにとっても「オレでなきゃ見逃しちゃうね」と言える小ネタが数々仕込まれています。

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これは心を抓む戦い!!
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いきり立つ情熱と共に膝蹴り。

レオリオもまたモーションが特徴的なキャラクターのひとりです。

レオリオの念を使った戦闘要素と言えば「選挙編」で見せたジンへのマジギレ(「いっぺん死ね!」)、およびそれに伴う壇上の台破壊がパッと浮かびますが、これは本作においても同じ。

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レオリオは基本的にこのパンチ一本のみで参戦しているというかなり元ネタに忠実(?)なキャラクターです。

一見ネタキャラっぽく見えますが、侮るなかれ。実はこの「拳を地面に叩きつける→地面からオーラが出てくる」という技はかなり強く、敵をサーチするため特にアシストで非常に強力な性能となっています。

つまり、レオリオはアシストに入れておくとかなり強いキャラクターとなっており、ある意味これもレオリオの立ち位置を忠実に再現したと言えなくもありません。

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ウボォーさんは強化系なので遠距離に弱いのだ……。

最後に、クラピカの仕様についても紹介しましょう。

クラピカは必殺技「絶対時間(エンペラータイム)」を使って自身を強化することで非常に高い攻撃力を得ることが可能なキャラクターとなっています。当然この絶対時間も制約と誓約の影響により、「発動中は自身の体力ゲージが白ゲージ(回復可能な減少体力)に変換されていく」というデメリットを持っています。

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残念ながら、相手を絶状態にすることはできません。流石にね…。

これだけでもかなり再現度の高い仕様ですが、特徴的なのは「相手に旅団メンバーがいると絶対時間が強制的に発動状態となる」という仕様になっていることです。

これにより旅団メンバーが相手にいるときのクラピカの扱い方が非常に難しくなっており、ファンとしてもとても楽しめるものになっています。ちなみに、絶対時間中はちゃんとクラピカが緋の目になっています。

今回紹介したものはこのゲームのほんの一部であり、他にも多くのキャラがアニメの技、モーション、コンセプトをそれぞれしっかりと受け継いだ状態で参戦しています。ファン垂涎の内容となっているのは確実でしょう。

対戦以外のカスタマイズ要素も表彰モンのこだわり

もちろん、対戦要素以外にもファンが喜ぶ要素が盛りだくさんとなっております。それを象徴するのが「プレイヤープロ―フィル」のカスタマイズと「G.I.カードを賭けて行う対戦」の2つです。

まず「プレイヤープロフィール」のカスタマイズですが、カスタマイズでは称号とアイコンの2つを自由に選ぶことが可能です。ここで選ぶ称号とアイコンの数がすごい。

コアなファンしか知らないものや、今やネットミームと化しているものなど、とてつもない種類が用意されています。

アイコンの方も、眺めながら「誰だっけ…」となってしまうようなモブに至るまで取り揃えられており、これらを集めながらもう一度アニメを見返すのも悪くありません。

今回のプレイでは残念ながらオンライン対戦はできませんでしたが、実際に発売された暁には、相手のプロフィールに書かれた称号を見て「こいつ、理解ってんじゃん」とささやかな仲間意識が生まれることは間違いないでしょう。ファンにとっては非常に楽しい要素です。

そんなオンライン対戦をさらに彩るのが、グリードアイランド編で登場する「G.I.カード」の要素です。

本作には各種ミッションの達成や対戦モードのプレイで獲得することができるG.Iカードが用意されており、アニメの「指定ポケットカード」に入るNo.000からNo.099までのカードが用意されています。どのカードが手に入るかは選べず、ランダム入手となっている為、プレイを重ねてコンプリートを目指す仕様のようです。

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また、G.I.カードはただ集めるだけでなく、他のプレイヤーと奪い合うこともできます。

本作のオンライン対戦に用意されている「プレイヤーマッチ(いわゆる部屋マッチ)」では、各プレイヤーが対戦前にG.I.カードを賭けることが可能となっており、勝利すれば相手プレイヤーからカードを奪い取ることが可能となっています(奪われた方はちゃんと手持ちから無くなります)。

カードを賭けてマジバトル、『ハンターハンター』ファンの格ゲーマーなら燃えないはずがありません。カード自体には収集以外の要素は含まれていませんが、ポイント以外で勝利へのモチベーションを高めてくれるでしょう。

「喧嘩にはならないように注意しながら遊んでください」とゲームのチュートリアルにも書かれている通り、もしかすればランクマよりもずっと心を抓む闘いになるかもしれません。

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待機ステータスが「昼下がりのコーヒーブレイク中」なのも何気にいい。

以上、いち『HUNTER×HUNTER』ファンとして本作をプレイし、グッときた部分をざっと紹介させていただきました。

本作を遊んでいて最も心に浮かんだのは「このゲーム、作っている側もめちゃくちゃ楽しいだろうな~」という想いでした。

冒頭に「格ゲーマーで『HUNTER×HUNTER』が嫌いな奴はいない」と冗談半分に言いましたが、あながちそれは間違っていないのかもしれません。

アニメの要素をしっかりと吸い上げたキャラクターや技たち、数々の小ネタ、そして対戦とは直接関係のない各種コレクション要素まで、『HUNTER×HUNTER』ファンではないと作れないこだわりで埋め尽くされています。

開発陣が『HUNTER×HUNTER』好きであることがしっかりと伝わってくる出来栄えですし、優れた格ゲー、そしてファンも喜べるキャラゲー、ふたつの性質を併せ持つ本作はファンにとって非常に親しみの湧くゲームに仕上がっています。

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これからの展開やゲームのバランスなど他にも色々と語りたいことはありますが、まずは『HUNTER×HUNTER』初の格ゲーとなる本作が生まれたことへの感謝。そして自分を形作ってくれた『HUNTER×HUNTER』への感謝と共に、この記事を終わりたいと思います。

『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』は2025年7月17日(木)より、PC(Steam)、Nintendo Switch、PS5へ向けて発売予定です。

ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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