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死を偽装した伝説のヤクザ(CV:黒田崇矢)が九州の田舎でマスコットの派遣事務所を経営!?『プロミス・マスコットエージェンシー』の世界観がぶっとびすぎて理解が追い付かない

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皆さん、マスコットはお好きですか?

愛くるしい見た目とずんぐりむっくりな体、愛嬌たっぷりにこちらの心を癒してくれる所作、古くから私たち日本人の心を捉えて離さないマスコットたちは、今では梅干しからまりもまで、様々なモチーフとなって私たちの身近に存在しています。

そんなマスコットたちが所属する事務所を経営するゲーム、『プロミス・マスコットエージェンシー』が、なんとこの春リリースされるのです。なんと素敵な!

なんか思ってたのと違うな?

「可愛らしいマスコットとワイワイ会社経営☆」、そんなゲーム内容を想像して本作を起動した私ですが、そこで待っていたのは、某ヤクザゲームもビックリの任侠ドラマでした。というか、主人公の声優が黒田崇矢さんなのはもう、狙ってますよね!?

文/植田亮平
編集/うきゅう

※この記事は『プロミス・マスコットエージェンシー』をもっと知ってもらいたいKaizen Game Worksさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


マスコットのゲームと聞いてたのにいきなり『○○が如く』が始まったんですけど……。

『プロミス・マスコットエージェンシー』レビュー・評価・感想:伝説のヤクザ(CV:黒田崇矢)がマスコットの派遣事務所を経営_001

本作の開発を務めるのは、前作『Paradise Killer』においてその独特すぎるセンスで多くのファンを生み出し、一部ゲーマーからいま最も注目を集めているイギリスのゲーム会社Kaizen Game Worksです。

そんな話題のゲームスタジオの最新作『プロミス・マスコットエージェンシー』は、日本を舞台に「マスコット事務所を経営する」という斬新な設定のアドベンチャーゲーム。

本作の主人公は、ヤクザであり「伝説の掃除屋」として知られる「ミチ(CV:黒田 崇矢)」
九州は福岡に拠点を置くヤクザ組織の若頭を務めるミチは、組織の未来を決める重大な取引に失敗したことにより、組を追放され自身の死を偽装することとなります。

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東京のヤクザと手を結ぶことで、広島のヤクザからの影響を抑えようとしている、九州のヤクザの図。

組を、そして今まで住んでいた町を離れ“一度死んだ男”となったミチは、「町に入ったヤクザを殺す祟り」のウワサが残る過疎村へと向かい、マスコット事務所の経営者として新たな人生を歩み始めることになるのですが……。

というのが本作のあらすじです。

「マスコット事務所の経営」という響きだけみると非常にファンシーですが、本作のストーリーはかなりシリアスなヤクザモノ。なんか主人公の声の風格凄いし、死を偽装したヤクザ者って設定まで含めて、某『如く』が思い起こされます。

「なるほど、これからヤクザを追放されて、マスコット事業へと進むんだな。もしかして、このミチさんが着ぐるみを着て中の人とかやったりするのかな?」なんて思っていたら……。

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!?

画面右側、ゴリゴリの言葉遣いでミチをたしなめるこの「ドン★キイ」なる存在はマスコットの一人であり、ミチの所属するヤクザ事務所の大御所、いわゆる会長的存在です。文字通りの意味で、中の人なんていません。この姿のまま生きています。

「なんで?」というツッコミが飛んでくる前に、本作の肝となる世界観についてお話しましょう。

世界観がぶっとびすぎて理解が追い付かない? 考えるな、感じろ。

そう、『プロミス・マスコットエージェンシー』の世界観は、とんでもなくぶっ飛んでいるのです。

本作には数多くの可愛らしいマスコットが登場するのですが、なんとこれらマスコットにはいわゆる「中の人」がおらず、マスコットのまま生まれ育ち、この姿のままで人格を持って普通に暮らしています。

この時点でも既にぶっ飛んでいるのですが、さらにすごいのが、本作はそんなマスコットの暮らしや設定について、プレイヤーに一切の説明をしてくれないという点です。
なんならさっき説明したマスコットの在り方についても、あくまで筆者の考察であって「本当にそうなっているのか」という裏付けがゲーム内で取れるわけではありません。

とにかく、本作はマスコットがメインのゲームであるにも関わらず、当のマスコットに関する説明を放棄しているというとんでもない物語になっています。

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そんなプレイヤーの困惑を無視し、マスコットたちはまるで「そこにいて当然」みたいな顔をして平然と会話を進めていきます。もちろん人間のキャラクターからのツッコミもなし。

この「考えるな、感じろ」というシュールさこそが本作の最大の魅力と言えるかもしれません。ユーモアあふれるマスコットたちやウィットに富んだセリフ回しのセンスは、さすがKaizen Game Worksといったものに仕上がっています。

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一方で、捉えどころのないマスコットたちとは裏腹に、ストーリー全体のシナリオは非常にリアルでシリアスな犯罪ドラマとなっています。

主人公「ミチ」がマスコット事務所を経営するために訪れる「過疎町」(固有名詞)は、九州のド田舎に存在するどうしようもない過疎の田舎町。町の産業や観光業はトップに立つ町長の腐敗によって完全に破壊され、見るも無残な状態です。

国から自治体へ分配される地方助成金は町長の懐に入り、活気を失った街からは若者や有望なマスコットたちがどんどん外へ流出。

気力を削がれ、うだつが上がらない住人たちには町長選挙の対立候補を立てることもできない……という妙に生々しい設定のもとで、主人公「ミチ」はマスコットによる町おこしと町長の失脚という二つの目的のため奮闘することとなります。もちろん、謎に包まれたマスコットたちと共に。

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物語の途中で登場するのはマスコットだけではありません。廃れた町を再びよきものにせんと陰で町長失脚を狙う町役場の職員、ミチと同じようにヤクザの世界から離れ過疎町でカフェを営む女性、町から出られず鬱屈した毎日を送り、町長の手先へと堕してしまった若者たち……。

一癖も二癖もある登場人物たちが、マスコットとの奇妙なコントラストを演出してくれます。

シナリオや設定の妙なリアルさと、そこから異常なほどはみ出た存在であるマスコットたち。そんな絶妙なギャップで成り立っている本作ですが、遠く離れたイギリスのスタジオがこれを作っているというのが驚きです。

ローカライズも完璧ですし、声優として黒田崇矢さん、渋谷彩乃さん檜山修之さんなど豪華すぎる顔ぶれが起用されており、国内タイトルと比べても遜色のないほど日本のユーザーに(というか日本に)理解のある作品となっています。

オープンワールド×会社経営!!やることは多いが導線は丁寧

それではいよいよ、本作の具体的なゲームプレイを紹介しましょう。

本作のゲームプレイは大まかに分けて「探索」と「経営」の二つで成り立っています。
探索では、オープンワールドとなっている過疎町のマップを軽トラで自由に動き回ることが可能。新しいマスコットを探すもよし、マスコットの派遣先となる新たなビジネスを探しに行くもよし。

あるいは街中にある小さなアクティビティを埋めながら、自由気ままにぶらつくもよし、プレイヤーは思いのままに過疎町で過ごすことができます(残念なことに軽トラから降りることはできませんが)。

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一方、ゲームの目的となるマスコット事務所の経営はかなりガチな作りとなっています。マスコットをお仕事に派遣する基本のゲームプレイの他、マスコットの特性やスタミナ、ギャラの配分査定や休暇の取得など、プレイヤーはマスコットの契約条件を細かく管理していくことを求められます。

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マスコット事務所経営は所属するマスコットの管理だけにとどまりません。ゲームが進行するにつれ、プレイヤーは事務所の設備投資や施設の維持費を含めた財政管理や、過疎町の土地開発費用などの投資もおこなっていく必要があります。

それ以外にも、下請け事業への進出や、組存続のためヤクザ組連合への負債返済も欠かすことはできません。

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当然、先ほど紹介した探索と事務所経営は完全に独立しているわけではなく、それぞれのゲームプレイが相互に影響を与え合うものとなっています。その最たる例が、マスコットの仕事を“お助け”するゲームプレイです。

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マスコットが仕事中ピンチに陥った際、プレイヤーはマスコットの仕事を助ける「マスコットヒーロー」たちの支援を借りて、マスコットをお助けすることが可能となっています。

ここで使われるヒーローカードは過疎町を探索するなかで出会う様々な登場人物を直接スカウトすることによって手に入るほか、各地に点在するショップや、隠れた場所にアイテムとして置かれていることもあり、探索を進めれば進めるほどヒーローカードが充実し、マスコットたちのお仕事をガッチリサポートしてくれます。

マスコットたちが見舞われるアクシデントも色とりどり。ステージが急に崩落する、アンチが会場に乱入してくる、蜂の群れに襲われるなどさまざまなピンチを、それぞれ得意分野を持ったヒーローたちで切り抜けていきます。

多くの探索、多様な経営システム、そしてカードバトルと、ここまで聞くと「なんだか難しそうだな……」と思われるかもしれません。実際、本作のゲームシステム、特にお金というリソースの分配や維持はかなりコアな仕様になっており、ゲーム初心者にとってはなかなかハードな側面もあります。

しかし、実際のゲームプレイではこれらのシミュレーション的な部分はそれほどゲーム進行の邪魔になりません。というのも、本作にはゲームプレイを進めるにあたって非常に頼りになる相棒、「ピンキー☆」ちゃんがいるからです。

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ピンキー☆ちゃんは非常に頼れる存在で、ゲームプレイ中にワンボタンで開ける「ピンキー☆に相談」メニューを見れば、ピンキー☆ちゃんがプレイヤーに今行える様々な行動を教えてくれます。

メインストーリーの進行場所はもちろん、新しいマスコットがスカウトできる場所や新規ビジネスが開拓できそうなエリア、過疎町の施設開発まで、クエスト形式でマッピングを行ってくれます。

ただでさえ広い過疎町。なにをすればいいのか分からなくなった時は、ピンキー☆ちゃんに救いを求めましょう。

本作のゲームプレイを総括すると、「やることは多いが実際のプレイは意外にもシンプル」といったところでしょうか。とりあえず画面右側に表示されているクエストをこなしていれば物語は進んでいくので、物語を純粋に楽しみたいプレイヤーも満足できる仕様となっています。

一方、お金の使い道がけっこう多く、純粋にシミュレーション感覚で遊びたいプレイヤーも面白さを見出せるでしょう。いかに効率的にお金を稼ぎ収入を安定させるか」は本作のゲームプレイにおいて重要な部分となっているので、そういった管理が好きなゲーマーを受け入れる間口の広さも持ち合わせていると感じました。

さて、長々とゲームプレイについて解説しましたが、筆者が本作で最も推したいのはキャラクター達の織りなす物語です。

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(画像は『プロミス・マスコットエージェンシー』Steamストアページより)

腐敗した町長の妨害や、ヤクザを殺す祟りのウワサ、そして主人公「ミチ」を取り巻く極道界の陰謀……様々な困難が待ち受けるこの町で、果たして「ミチ」はマスコットたちと活気ある町を作っていくことができるのか……。ぜひご自身の手でプレイして、物語の結末を見届けてください。

道中で流れる個性豊かな楽曲の数々や豪華声優陣を起用し想像以上に喋りまくるキャラクターなど、大ボリュームの一作となっている『プロミス・マスコットエージェンシー』は4月10日(木)よりNintendo Switchにて、4月11日(金)よりPC(Steam、Epic Games Store)、PS5、Xbox Series X│Sにて発売中です。

シュールさ全開のマスコットたち愛でながら、過疎村でいっしょに夢を叶えてみてはいかがでしょうか。

ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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