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『恋と深空』の新ストーリーが悲恋すぎて悶絶してる。イケメンに心臓を捧げて自分が死ぬか、イケメンが死ぬかの二者択一を迫られる。嬉しいはずのキスシーンなのに涙が止まらない

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世界滅亡直前の「海神とその花嫁の物語」

これまで語られたエピソードは、「金砂の海」では「海神が主人公に心臓を捧げ、海が枯れ果ててしまった世界での逃避行」が、「忘却の海」では「海神とその生贄となる少女のトゥルーラブストーリー」が綴られてきた。

どちらも、愛しあうふたりがいずれは引き裂かれてしまう宿命にあり、運命に抗う様子が描かれていた、という点では共通している。

そして、6月17日より配信されているのが、「ホムラ・霧海の神臨」または「ホムラ・霧海の離歌」にて解放される伝説ストーリー「羅鏡の儚き声」

ホムラの伝説ストーリーとしては、3番目に実装された物語で、前回、前々回と同じく「海神とその花嫁の物語」が描かれている

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

今回の世界は、天変地異や嵐によって、すでに滅びかけているようだ。

人類最後の箱舟となる街で、主人公は預言書「海神の書」を唯一読むことのできる人間として、檻の中に閉じ込められていた。

そんな主人公のもとに、ある日「海神」を名乗る青年の声が響き、「今夜が(逃げ出す)唯一のチャンスだ」と呼びかけてくる。

その声を信じた主人公は海に身を投げて逃亡をはかる。その後、海底で「海神ホムラ」が鎖に繋がれて囚われている姿を発見。短剣を用いて鎖を砕き、救出に成功する。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

今度の海神ホムラは、長髪で大人っぽい雰囲気。

足は人魚のような形状をしており、より神っぽいビジュアルに。
ところで……どうなってるの? その耳の部分。シュワァァーってなってる……。
マイナスイオンがフルバーストしてるのだろうか。いい匂いがしそうだ。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

主人公が目を覚ますと、目の前には陸用に二本足になっている海神がいた。

そして、この滅びかけの世界を救うためには「荒れ狂う海を鎮める力を持つ海神の協力」が必須であることを告げられる。

しかしながら、長いこと封印されていたホムラが真の力を発揮するためには、「海神が運命の相手の魂を見つけ、愛し合うこと」と、「海神を愛す純真無垢な心を持つ人間の心臓を捧げる」ことが必要だというのだ。

このあたりは過去に実装された伝説ストーリーで描かれてきた物語と近い。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

この絶望的な状況から、ふたりの愛が育まれるストーリーが展開される。

主人公は世界を救うため、海神の花嫁としてホムラを愛そうと努力する。しかし、しょっちゅう姿を消すホムラを「どうやって愛したらいいのかわからない」と嘆く日々をおくることに。

そんな生活のなか、ふたりは、海の底にある歴代の海神を象徴する石像たちの並ぶ墓地へと訪れる。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

そこでふたりは、歴代の海神たちから授かった試練を乗り越えることになるのだが、そこで「若い姿の海神(ホムラ)に対し、心を捧げようとする少女の姿」を目にする。

この若い姿の海神は、伝説ストーリーでいうところの第2章「忘却の海」に登場するホムラと同じ姿。ここで、ホムラの伝説ストーリーはすべて繋がっている可能性が高いことに気づかされる

要約すると、こうだ。

第1章 はるか未来 海神の心臓が花嫁に捧げられ、海が枯れ果てた世界
第2章 はるか昔 若き海神が、生贄として捧げられた花嫁と絆を深める話
第3章 時系列的に第2章の後か、かつて愛し合っていた海神と花嫁の魂が再会する話

時代を越えて、海神と主人公の魂はふたたび出会っているというのだろうか
それこそソウルメイト……まるで魂の伴侶である。

過去の記憶を知ったふたりは、かつてふたりの魂同士が深く愛し合っていたことを思い出す。

おそらく数千年、数万年規模のスパンで生まれ変わりながら、海神ホムラの魂は、主人公の魂と出会っていたのかもしれない。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

激重感情が大爆発。ホムラに心臓を捧げて主人公が死ぬか、ホムラが死ぬかの二者択一

過去の海神の魂の記憶を知ったホムラは、主人公に対し「自由になるべきだ」と伝えてくる。

その言葉は、素直に受け取ると「望むのであれば海神の花嫁にもならなくていい」と言っているように聞こえる。

「もし私が海神の花嫁になりたくないって言ったら?」とホムラに問う主人公。すると……。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

「ならなくていい」と笑顔で断言する漢、ホムラ

ンォォ………愛ィィ…………
こりゃあもう、すでに愛が芽生えておるんじゃ……
あぁあ……すまんが、そのカップルをひっこめてくれんか……わしには強すぎる……

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

その後も、ふたりは祭りに参加したり、街の特産品である“エビせんべい”を食べたりしながら絆を深めていく。

やがてホムラは、義務的な言葉ではなく「僕に言いたいことはないの?本当にかなえてあげるかもしれないよ」と語りかけてくるようになり、笑顔すら見せてくれるようになった。

主人公「もっと早く愛してほしい」
ホムラ「簡単すぎるから却下」

みたいなイチャイチャを見せつけてくれたり、愛の証として主人公からホムラへ指輪をあげたり、キスしたり、朝チュンもしちゃったようだ。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

もう愛じゃん……成立してます! はいハッピーエンド! スタッフロールカモン!

とはいかないのが『恋と深空』というゲーム……。

無情にも世界が滅びる時が訪れる
「海神の書」の預言のとおりに大嵐と黒い海が人類最後の街を飲み込もうとしていた。

そのとき、ホムラが槍を携えて潮を操り、天変地異にも等しい神の力を発動させる。
ホムラは主人公の心臓を捧げられていない、なので真の力を発揮できるはずはない……。おそらく、相当な無理をしているのだろう。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

主人公はすぐにホムラの傍に近づき、支える。
ふたりの活躍のおかげで潮が引き、町からは歓声が上がる。

手を握りしめる主人公に対し、「このままずっと繋いでいよう」という海神ホムラ。
心臓なんかなくても、運命は変えられるのではないか……と希望を見出す。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

しかし、運命は非情である。
心臓なくして海神としての力を使い果たしたせいか、ホムラは著しく弱ってしまう。
毎日、水底で眠る時間が長くなり、蒼く煌めく尻尾は灰色に変色してしまった。まるで死に向かっているようだ。

そんなホムラを救うためには「主人公の心臓をホムラに捧げる」必要があるわで……。心臓を捧げれば、主人公は間違いなく命を落としてしまうだろう。でも心臓を捧げなければホムラは死んでしまう。残酷な選択だ。

ホムラの心には、主人公への愛が芽生えており、「主人公を殺す運命に従いたくない」と拒む。

主人公を犠牲にしたくないためなのか、ある日、ホムラは都を離れて力を取り戻すために旅に出ると主人公に告げる。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

旅立とうとするホムラを見送る主人公。ホムラは「最後の手ほどき」として笛を奏でてみせる。ここは、絶対音声アリで聴いたほうがいい。

もはや冒頭の塩対応はいずこやら。情熱的なキスシーンを見せつけてくれる。

海神ホムラの力を取り戻すためには、世界を救うためには主人公が心臓を捧げるしか方法はないのか……。

このふたりは、それをわかっていて最後の時間を過ごしており、選択を迫られている。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

主人公はホムラと愛しあった後、「心を取り戻して、永遠の契約を終わらせて」と告げ、自らの心臓を短剣で貫く。

ホムラは「海神にこの心臓は必要ない君との契約をここで終わらせはしない!」と嘆き、力尽き、光となって消えかける主人公を抱きとめる。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

やっとふたりの間に、本当の愛が芽生えたのに……ふたりっきりになれたのに……。
縋るような最後のキスが哀しいし、悲しすぎる。この姿を見てるだけで、胸がズキズキする

主人公は弱りはてたホムラの命を救うため、人類を災厄から守るためにその身を犠牲にしたのだ。筆者は『FFX』のエンディングを見たときくらい泣いて、黙とうしてる。

……というのが、今回実装されたホムラの伝説ストーリーである。辛い。胸が痛い。ボイスや音楽つきで見ると破壊力が跳ね上がるので、ぜひ自身の環境でプレイしてほしい物語だ。

伝説ストーリーでも、本編でも、ホムラとのディープな時間を楽しんでほしい

さて、ここまで伝説ストーリーのホムラとの関わりを紹介してきたわけだが、あくまでこれは特別な「伝説ストーリー」で描かれている物語。

本編では、ホムラも主人公も健在なので安心してほしい。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

あらためての紹介になるが、『恋と深空』は、自身の選んだパートナーとデートしたり、SNSで交流するといった実在性抜群の恋愛シミュレーションゲーム。そこにスタイリッシュアクションバトルが加わっている豪華な内容だ。

本編の内容としては、町の住民を怪物や脅威から守る「深空ハンター」である主人公が、実家を爆破してきた犯人を追うメインストーリーが展開される。本作の登場人物たちはときに主人公によりそい、ときに並びたち敵と戦うパートナーとなってくれる。

ホムラもその頼れるパートナーのひとりとして登場。主人公に甘えながらも、頼りになる相棒として一緒にいてくれる

ちなみに、これ以外の登場人物にもしっかり伝説ストーリーがあるので、推しキャラごとにディープなストーリーが体験できることは、まず間違いない。

しかし、伝説ストーリーで登場した海神ホムラのお話は、本編にどのように影響を及ぼすのだろうか?

じつは、本編で登場するホムラが、現代版の海神と花嫁のお話なのではないか……と考えてしまうときがある。

そう……伝説ストーリーを読むと、本編でいきなり道ばたで出会った女の子に甘えてくる芸術家という見えかたから、「何度も時空を越えて出会うふたりが再会した」というシチュエーションに見えなくもない。(本編にもそれっぽい描写、あるし……)

つまり、「いきなりパーフェクトな芸術家が一般ピーポーに惚れる展開」ではなく、数千年前から仕組まれた運命のパートナーである可能性も、あるのではないか……と。

その答えは、メインストーリーや伝説ストーリーを読み進めると、わかるかもしれない。


幾星霜の年月を重ね、時代を越えて同じ魂が再び出会う運命の相手(ソウルメイト)……。
本当にそんな関係があったら「素敵だね」と思います。

ところで、じつは筆者が『恋と深空』について書くのは、これでざっくり言うと6回目になります。

もともとは主人公の父親目線でプレイを始めた『恋と深空』ですが、振り返ればもうリリースから1年以上が経っているんですね。

『恋と深空』レビュー・感想・評価:ホムラの新ストーリーが

一見、甘えんぼに見えて頼りになるホムラ
天然だけど無敵のパートナーな王子系男子、セイヤ
幼馴染で心臓外科医、おばあちゃんの心配もしてくれるレイ先生
裏世界のドンで、意外にもかわいらしいギャップが光るシンのアニキ
そして、激重感情と禁断の愛情を抱えたマヒル兄さん

みんなそれぞれのキャラクターにしっかりと魅力があり、ストーリーが用意されています。
彼らと交流し、連絡を取り合い、時に一緒に写真を撮ったりして物語を体験できちゃう。
そんなたっぷりな愛につつまれた『恋と深空』だからこそ、多くのファンに親しまれているのかもしれません。

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ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。 Divinity: Original Sin 2の有志翻訳に参加。 ゴーストオブツシマの舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23
編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
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