国内最大のインディーゲームイベント、BitSummitが7月18日から7月20日にかけて京都市勧業館みやこめっせにて開催される。
メジャーレベルの大作からクスっと笑えるアイデア作品まで、さまざまなゲームが展示されている本イベントだが、今回はそんな展示作品のなかでも「最も癒しを提供するゲーム」のひとつを紹介しよう。
中国に拠点を置くSeed Labの手がけるライフシム、『Starsand Island』だ。
大きな入道雲に白い砂浜、そしてそこに暮らす人々との恋愛模様まで、すべてがプレイヤーの心を癒してくれる。“夏”という概念が実体化したような島を舞台とした王道の牧場系ライフシムに、可愛く魅力的なキャラがてんこ盛り、そんな豪華な一作となっている。
可愛い・カッコいいキャラクターたちとの熱いコミュニケーション……!
本作は星形のリゾート島「星砂島」で夏を過ごすライフシミュレーターゲームだ。島に帰省してきた設定の主人公(プレイヤー)は、かつての親友たちや優しい島民たちの助けを借りながら、この楽園でスローライフを満喫することとなる。
そんな本作において最も特徴的な要素の一つは、何と言っても可愛らしい/カッコいいキャラクターたちとの濃密なコミュニケーションである。
本作のキャラクターデザインのクオリティーは非常に高い。全体的なビジュアルの質感こそ全年齢向けゲームっぽい安心感のあるものだが、それでいてキャラクターデザインの方はどこか「萌え」の文脈を感じる(個人的にだが)。
そんなキャラクターデザインに呼応するかのように、キャラクターたちの性格付けもかなり特徴的だ。
メガネで少し根暗な天才エンジニア少女や、しばらく見ない間にかなり男前になった漁師の幼馴染、爽やかなイケメンアパレル店員や謎めいたインテリアショップのお姉さんなど、誰もが親友として、そして恋愛の相手として非常に魅力的なキャラクターたちばかり。
そう、恋愛だ。
この手のゲームには恋愛が付き物だが、もちろん本作でも島に住むキャラクター達との恋愛も楽しむことができる。登場人物たちの好感度を確認するページのトップには各キャラクターが「独身」であるという生々しい情報がかなり強調されて書かれている(これ自体はかなりシュールで面白い)。
攻略したいキャラクターにはプレゼントを送る、マメに話しかける、スマホで頻繁にやりとりするなど、それなりの恋愛テクを要する。特にプレゼントに関しては各キャラクターに好みのプレゼントが設定されており、何をプレゼントするかによって主人公に抱く好意が大きく上昇する。
さらに、公式情報ではこれらキャラクターは主人公の好意にただ受け身なだけではなく、仲が深まればむしろ「積極的にキャラクターが主人公にアプローチを仕掛けてくる」とのこと。
「攻略していたと思ったらむしろこちらが攻略されていた……何を言ってるか分からねえと思うが……」というポルナレフもびっくりな状況になる可能性だってあるわけだ。
『Starsand Island』は海外デベロッパーのタイトルなため、デモ版の段階では未だ完璧なローカライズは完了していなかったものの、本作のクラウドファンディングでは日本ユーザーからの支援も大きかったということなので、リリース時のローカライズに期待せずにはいられない。
王道ライフシムとしての遊びは概ね完備、自由なバカンスを楽しもう
本作のゲームシステムは『牧場物語』や『Stardew Valley』といった作品によって築かれたライフシムジャンルのゲーム要素を下敷きにしている。
ゲーム内では主に木材や鉱物の収集とクラフト、作物の栽培や牧畜、魚釣りや虫取り、狩猟や冒険、そしてインテリアや自宅の拡張まで、この手のシミュレーションゲームで出来るようなことは大抵できるようになっている。
これらの要素は島民の「先輩」たちから体系的に学ぶことが可能となっており、クラフト、農耕、釣り、牧畜、狩猟の5つのスキルツリーから自由にスキルポイント(星貝ポイント)を割り振ることもできる。
スキルポイントはそれぞれ共通となっているため、プレイヤーがより深く遊びたいポイントを自由に選択することもできる。
デモ版をプレイした限りでは、ゲームの全体的な流れはストーリー主体で進んでいくというよりも、かなりプレイヤーの自由な選択に委ねられた気ままなものとなっている。
デイリータスクやゲームの主目的をスマホで一元管理できることを考えれば、『どうぶつの森』シリーズからの影響も受けていそうではある。
スマホでの細かなメッセージやデートイベントなど、さまざまなキャラクターとの”親密な”やり取り(いちゃつき)には特に注目したい本作。
もちろん、そういった恋愛要素は無視して、ひたすら自由にこの島での”夏”を満喫してもいい。いずれにせよ、本作ではプレイヤーの望む「極上の癒し」が提供されるであろうことは間違いない。
癒しを欲している全ての方におススメしたい一本である。