じつはものすごい数があるソニックのレースゲーム。
今回は『ソニックレーシング クロスワールド』(以下、ソニックレーシング)を先んじて遊ばせてもらう機会をいただいたのですが、記事を書くにあたって改めて調べてみたところ、ソニックのレースゲームって本当に多いんですよ。ビビりました。
2010年に発売された『ソニック&セガ オールスターズ レーシング』の時点でセガのクロスオーバーレースゲームとなっておりバラエティ豊かなメンツが揃っていたのだが、最新作の『ソニックレーシング クロスワールド』もまたすごい。
まずいきなり「初音ミク」さんが参戦している。おもわず「さん」を付けてしまった。
ほかにも『龍が如く』から春日一番、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』からジョーカーが参戦。まあそれはわかる。しかし、有料DLC・シーズンパスとして『マインクラフト』『スポンジ・ボブ』『パックマン』も参戦予定とのこと。なんで!?!??!
このニュースを見たとき、なんでもアリすぎてビビる顔ぶれに正直ヤられた。思っていたよりも素直にビビった。

折しもこの話を聞いたのはNintendo Switch 2で『マリオカート ワールド』の発表があったタイミング。「さすがにカブりまくっているが、じゅうぶん “うおっ” となるメンツを揃えてきたのは巧いな……!」と思わされた。
反面、そうした「外面」しか見えていなかったのも事実だ。
自分はあまり『ソニック』シリーズ自体に明るくないし、こうした「キャラもののレースゲーム」はカジュアル寄りになっている印象が強く、ゲーム的にあまり深みがないんじゃないかという無意識下での勝手なレッテル貼りがあったことは認めざるを得ない。
容赦なく言語化するならこんな感じではないだろうか。
詳しくないキャラクターの、『マリオカート』っぽい印象のゲームを、『マリオカート』の新作が出たタイミングにわざわざ遊ぶ理由はなんだろう?
本稿ではその問いについて答えを探っていきたいと思う。結論を先に言っておくと、ちゃんと頭のいい人が考えて作っているゲームでした。
※この記事は『ソニックレーシング クロスワールド』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
いま、あえて『ソニックレーシング』を遊ぶ意味とは?
コラボキャラのニュースを見た人の大半は正直こう思ったはずだ「こりゃあマリオカートでよいですね」と。
PR記事で書くことではないかもしれないが、自分のなかにある嘘偽らざる気持ちはこれだった。
だが当然のことながら、自分のような素人がふわふわ思っているようなことは開発陣も考えていたはず。そして『マリオカート』という強力なレースゲームがある以上、私がさっき言ったような思考は本作にとっても大きなテーマのひとつとして間違いなくあったであろう。
果たしてその答えはなんなのか……遊んでいるうちにわかってくるはずだろ! 見せてもらおうか!
とゲームを起動する。その解答は見事なものでした。
スゲーッ! ちゃんと頭のいい人が考えて作ってる!(バカの感想)
思っていたよりずっと夢中になってしまったので、ここからは「本作のどこがゲームとして優れているのか」「どう頭がいいのか」を書いて、みなさんに伝えられたらなと思います。
本作を遊び始めてまずはじめに受けた印象は「景気がいい!」ということ。

グラフィックは文句なくリッチで派手、ステージの雰囲気もゴージャスで、マシンのデザインはカッコよく、そしてその光沢は美しく、BGMは鼓膜とともに心を震わせてくれる良曲ばかりで、アクセルキーを押す指先に過剰な力を込めさせてくれる。



日本公式YouTubeアカウントがアップしているBGMの一例。く、coolすぎる…! そのほか海外公式アカウントではDJmixなどもアップしているので作業用BGMにでも聞いてみてほしい。良曲ばかりです。
レース進行も興味深い。すべてのマシンは(エクストリームギア(ホバーボード)でさえも!)地上を走行するほか、空中と水上へのフォームチェンジが用意されており、コース中に設置されているゲートをくぐることで変化する。



もちろんこれは単なる演出ではなく、それぞれ操作方法がまったく異なるものに変わる。
空中モードは車モードと異なり上下方向への旋回と移動が加わりより複雑な機動を要求され、水上モードでは任意のタイミングでのジャンプが可能になる。
また、後述するがこれらの独自操作が加速へつながる要素にもなっていて、レース中の的確な味変として機能している。

そしてタイトルにもある「クロスワールド」のギミックがこれまた派手でおもしろい。本作のレースは1レース3LAP走る。LAP1はふつうに指定されたコースを走るのだが、

LAP2突入とともに巨大な「トラベルリング」が出現。ランダムな「クロスワールド」へ突入し、まったく別のコースへと導かれてしまうのだ。



クロスワールドを乗り越えてLAP3に突入すると元のコースに戻るのだが、これまたLAP1とはギミックが変化しており、さらなる対応を求められる。

つまり、派手な演出とともに適切な対応を求められるシステムになっているのだ。
また、LAP3ではLAP1から曲調がさらにエモーショナルなアレンジになってこれがまたたまんねえ。プレイしててめちゃめちゃアガります。いやステージ演出がとってもいいんですよね……。
とくにお気に入りのステージは空母を舞台とした「メタルハーバー」。
空母らしくステージ開始時とかに戦闘機が空を飛ぶんですが、レース序盤の分岐で空中ルートを通ると、
背景だと思ってた戦闘機と “いっしょに飛べる” んスよ!!
これ最初にぶち当たったとき予想外すぎて声が出てしまった。うれしすぎる。
ほかにも全グランプリをクリアしたあとに登場するシークレットグランプリの1ステージ目とかも、LAP3のBGMがあまりにもカッコよすぎて聴きながらドリフトしてるうちに半泣きになってしまったんですが、一応シークレットステージなのでスクショは出さないでおきます(海外公式見たらもう紹介されてたけど)。
シリーズファンにとってはすごいネタバレかもしれない可能性もあるので。いやでもマジでいいんですよ。サントラほしいわ。
エグい組み合わせの掛け合いで『ソニック』キャラへの入り口としても凶悪な最適さ

キャラクターも初期実装・非コラボのソニックキャラのみで23人と、ものすごく多い。

グランプリモードでは、彼らのなかからランダムで「ライバルキャラ」がチョイスされ、討伐目標となる。そしてそのライバルキャラとプレイヤーキャラとの掛け合いがあるのだ。しかもフルボイスで!

私は『ソニック』シリーズには詳しくないのだがこれも巧いね!
やり取りはほんとに数秒のものなのだが、キャラ性や人間関係がわかっておもしろい。そして組み合わせがやたらあるのでリプレイ性に富んでいる。同じキャラで繰り返し遊んでもライバルが異なれば23回は違うストーリーが楽しめるのはうれしい(それが軽いフレーバー程度のものだとしても)。

そうこうしているうちに、知らなかったキャラに対して興味が出てくる。
正直なところ、私はこのゲームを遊ぶ前はソニックとエッグマン、テイルスとナックルズ、エミーとシャドウとメタルソニックくらいしか『ソニック』シリーズのキャラを知らなかったんだけど、いまではすっかりブレイズがお気に入りになった。
