謎だらけのデカい屋敷が好きだ。
『バイオハザード』シリーズがきっかけだったと思う。
まだ初代プレイステーションが現役で動いていた頃、夜な夜な父親がゾンビと格闘しているのを横で熱心に眺めていた。怖いものが苦手だったのに、もう寝ろと言われても画面にかじりついていたのは、洋館で起きる不穏な事件よりも謎解きの方に心を惹かれたからだ。
鍵、宝石、メダル。アイテム自体を調べることで得られるヒント。足場を押して動かしたり、水位を上げたり下げたり。ひとつ謎を解くと新しい場所への道が開けて、また新しい謎が立ち上がる。謎を解き明かした興奮と、謎がさっぱり解決しない苦悩。
(画像は『BIOHAZARD Director’s Cut』『BIOHAZARD 2』公式紹介ページより)
そういう、謎めいた洋館を謎解きしながらさまよう喜びみたいなものを刷り込まれたおかげで、大人になった今もあらゆるゲームのシーンにおける屋敷系ダンジョンが大好きだ。ゲーム進行は置いといて、ずっとさまよっていたいぐらい。
みんなも謎だらけのデカい屋敷の探検、したいよね?
そんな「謎まみれで広くてデカい屋敷を謎解きしながら探検したい」欲求を存分に満たしてくれるゲームこそ『Blue Prince』だ。
『Blue Prince』は、2025年4月10日にリリースされた「ストラテジーパズルアドベンチャー」なるジャンルのゲームだ。ザックリ説明すると、毎日入るたびに部屋の配置がリセットされる屋敷でランダムに提示される部屋を選択して進むローグライク風パズルゲーム、といったところだろうか。
このゲーム、サポート言語は英語のみであり、それ以外はどんな言語にも対応していない。もちろん日本語にも。
だが、安心して欲しい。
英語はまっっっったくできないけど、筆者は100時間以上遊んでいる!
※記事執筆時点

ぶっちゃけ本稿で触れる範囲でいえば、正確な翻訳が必要になる場面はない。ストーリーが全く読めなくても、ルールさえ分かれば問題なく遊べる。
とはいえ、その肝心のルールすら分からないとスタートラインに立つことは難しい。できれば日本語で、せめてザックリしたガイドがあったらいいよね。
そういうわけで、本稿では『Blue Prince』がうっすら気になっている人や、遊び方がわからなくてこのゲームを積んでいる人などに向けて、『Blue Prince』の序盤のザックリとした歩き方をお伝えしようと思う。これを読んで、あなたもクソデカ屋敷の探検に備えよう!
↓ 特定のガイドを見たい方はこちらから ↓
- ◆システムとツール周りの話
・まずはさらっとストーリーをおさらい
・使用した翻訳ツール
・『Blue Prince』の基本の仕組み
・探索に有効なアイテムたち- ◆毎日を探検しやすくするために何が必要か?
・部屋のアップグレードをしよう
・屋敷の外を歩こう
・アイテムを組み合わせて新しいアイテムを作ろう- ◆クソデカ屋敷のトラブルシューティング
・何この扉!どうやって開けるの!
・行き止まりって選んじゃダメなの?
・前進めないんだけど
・ステップ数足りなくね?
・詰んだ……!- ◆Room46までのザックリとした手引き
・「Antechamber」の封印の解き方
・「Antechamber」のその先へ- ◆Room46の、そのあとの楽しみ方
・部屋ひとつ見つけるだけのゲームで100時間も遊べる?
・音楽やグラフィック、ストーリーの細やかな“気配”
※この記事には序盤~中盤のパズルやギミックに関するネタバレが含まれますが、ストーリーの核心的なネタバレには触れないよう配慮して作成されています。
※この記事ではPC版を基準にキーボード操作を記載しています。
『Blue Prince』のザックリしたシステムとツール周りの話
まずはさらっとストーリーをおさらい
主人公はサイモンという名前の少年だ。大おじさんであるハーバート・S・シンクレア氏が亡くなり、サイモンはその遺産相続人に選ばれた。遺言に従い、サイモン、つまりプレイヤーはマウント・ホリー邸を訪れることになる。
それにしても、大おじさんってことはシンクレア氏はサイモンのおじいさんの兄弟だ。血縁だとしても遠いし、直接的な孫でもないサイモンは、普通は相続人にならなさそうなものだが……それはひとまず置いておこう。

さて、この謎だらけの素敵なデカい屋敷を相続するためには条件がある。それは、誰にも見つけられなかった幻の部屋、「Room46」にサイモンがたどり着くこと。
さぁ、机の上にある「Blueprint」を取って、探検を始めよう!

使用したツール
先に説明しておくと、筆者がプレイ中にもっとも使用したのは「Googleレンズ」を使用した翻訳だ。スクリーンショットを読み込ませるのではなく、スマートフォンのカメラで画面を映しながら使っていた。
PCモニタにスマホを向ける姿は何ともヘンな感じがするが、スクショするよりもずっと早く、そのまま翻訳された文章を撮影して保存できる点で面倒がなくてよかった。

『ミミックロジック』みたいな論理パズルが待ち受ける部屋「Parlor」では本当によくお世話になった。このパズルではプレートの文章から、箱が嘘をついているのか、真実を話しているのかを判断しなければならない。

なお、文章によっては翻訳の精度がイマイチな場合もある。細かいニュアンスを拾いたいのであれば他ツールの併用も考えていいだろう。今は「PCOT」や「MeoW OCR」など、ゲーム画面を認識して翻訳してくれるものもあるので、調べてみて欲しい。
探検に行こう! ……の前に、そもそもの基本の仕組み

プレイヤーは毎日「Entrance Hall」から屋敷の探索を始めることになる。スタート地点である「Entrance Hall」には、三方向に扉がある。
各部屋に存在する扉を選択すると、部屋のドラフト画面が出てくる。候補に並ぶ部屋は毎回ランダム。部屋にはレアリティの概念があって、ここで珍しい部屋が引けるとなんかちょっと嬉しい。まずは好きな部屋を選んでみよう。
今回は「Den」を選択した。扉が開くと……
移動できるようになった。ここからまた扉を選んで部屋をドラフトし、別の部屋に移動して、を繰り返していくゲームだ。
小学生男子のようなテンションで奇声を発しつつ何も考えずにパカパカ扉を開けまくりながら屋敷の中を爆走しても楽しいけれど、ここでもう少し基本的なルールを確認しておこう!

左上に注目して欲しい。数字が1減少したのが分かるだろうか。この表示されている数字はステップ数だ。部屋から部屋へ移動すると、基本的に1ずつ減少していく。これはサイモンの体力だと思って欲しい。
プレイヤーは通常、50ステップを持った状態から探検を始める。0になるとサイモンが疲れて、その日の探検は終わりになってしまう。
ステップ数が減少するタイミングは主に「部屋を移動した時」であり、2つの部屋の間を反復横跳びするだけでも減っていってしまうので、広い屋敷を歩き回っているといつの間にか減っていることも。残りの歩数には常に気を配っておこう。

なお、その日のステップ数が残っていても、Blueprint画面右下の「Call it a day」を選ぶと任意で探索を終わらせることもできる。「詰んだ!」と思ったら押して、その日は潔く寝てもいい。
Tabキー(コントローラー操作では右トリガー)を押して「Blueprint」を開くと、こんな画面が出てくる。

左側はマップ。初期状態では「Antechamber」と「Entrance Hall」以外は埋まっていないが、プレイヤーが部屋を進むほどマップは書き込まれていく。

部屋の接続が複雑になればなるほど「この部屋へ行きたいんだけど、どうやって行くんだっけ……?」が頻繁に発生する。Blueprintは移動中の他、ドラフト中でも開けるので、道を確認したくなったら遠慮なく開いて確認しよう。
マップにはランクの概念があって、下から順に横列1段目をランク1、2段目をランク2と数える。「Antechamber」のある一番上はランク9だ。ランクが高くなると、レアな部屋が出やすくなる。
マップは「Antechamber」や「Entrance Hall」などの位置が固定されている部屋を除いて、翌日に全てリセットされる。まさに部屋ローグライクゲー。
そして、リセットされるのは部屋だけではない。持ち物もだ。このゲームでは、基本的に屋敷内で見つけたアイテムを翌日に持ち越すことはできない。
アイテムの中には「ショベル」や「金属探知機」といった探索に役立つサポートアイテムのほか、屋敷の中で特定のアクションを起こすために消費される通貨系のアイテムがある。それが、鍵とジェム、ゴールドだ。これらの通貨系のアイテムの所持数は、「Blueprint」でも確認できる他、探索中の画面右上にも表示されている。

当然ながら、鍵があるということは鍵がかかったものがあるということだ。扉に鍵がかかっている場合は、鍵を1本消費して、扉を開けることができる。鍵のかかる扉の出現は完全にランダム。
扉の他には、屋敷内でたまに見かけるトランクも開けることもできる。

ジェムはドラフト画面で特定の部屋を選択する際にコストとして支払う。出現率の低いレアな部屋ほどコストはお高めで、必要なジェムを所持していなければその部屋は選ぶことができない。

ゴールドは屋敷内に出現するショップ系の部屋で使用できる。買い物の効果は様々だが、例えば「Kitchen」では食べ物を買って、ステップ数を回復させることができる。

これらの消費アイテムは屋敷内の至るところで見つかる。が、このゲームのアイテムは画面に溶け込むのがうまいので、探索の楽しさに夢中で駆け巡っていると見落としやすい。よく探してみよう!
探索に有効なアイテムたち
屋敷内では他にも色々なアイテムが見つかる。その中でも、その日の探索で特に有効となるアイテムを紹介していきたい。それはシャベルと金属探知機だ。

ショベルの用途は見ての通り、地面を掘ること。屋敷内の特定の部屋には「Dig Spot」があって、そこで使用することができる。掘り出せるアイテムはランダムだが、鍵やジェムなどを入手できる可能性もあるので、見かけたら持っておきたいアイテムのひとつだ。



金属探知機もその名前通りの働きをするアイテムだ。取得すると、近くに鍵やゴールドなどの金属製のアイテムがある時にピコピコ音で教えてくれる。「金属」探知機なので、当然ながらジェムには反応してくれない。


ここで取り上げたアイテムは、屋敷内に落ちていることもあれば、ショップ系の部屋で購入することもできる。手持ちに余裕があれば優先して取得するのがおすすめだ。
これで基本はバッチリ。あとはどんどん探検して、屋敷の中を歩き回ってみよう。どこへ行くのも自由だけれど、当面の目的が欲しい人は一番奥の「Antechamber」を目指してみるといいだろう。