謎だらけの屋敷を探検しよう! Room46までのザックリとした手引き
おい、開かねぇぞ。「Antechamber」の封印の解き方
「Room46」にたどりつくためには、まずはランク9にある「Antechamber」にたどり着く必要がある。一番奥にあるし、リセットで配置も変わらないし、どう考えても怪しい。まあ普通に遊んでいるだけでも、なんとなく一番奥まで行ってみたくなるのではないかと思う。
ということで、部屋を並べまくって「Antechamber」のすぐ隣まで来てみた。
本来は、ここに扉があるはずだが……。
そうなんだよ。がんばって手前まで来たのに、目の前を白い壁に遮られている。向こう側の「Antechamber」に繋がっていてよさそうなものなのに……。
実は、「Antechamber」は4方向の扉が“封印”されてしまっている。

でも“封印”ってことはかなり怪しい。これはもう絶対何かある!
この“封印”は、対応したレバーを引くことで解除することができる。屋敷内の様々な場所にレバーが設置されているので、見かけたら必ず引いておこう。
とはいえ、あてもなく屋敷内のレバーを探し出すのは大変だと思う。探索する楽しみを完全に奪わない程度に、いくつかヒントを載せておこう。


また、探索している途中で折れたレバーを拾うことがあるかもしれない。

この折れたレバーを使える部屋が存在する。所持した状態で近づくと、修復してレバーを引くことができるようになる。


「Antechamber」のその先へ
さて、やっとのことで「Antechamber」に入ると、新しい事実が判明する。



そう。このゲーム、なんと地下室が存在する。
この地下室の鍵を使って開けられる扉は、極めて特徴的なデザインをしている。見かけたらまず間違いなくわかるレベルだが、普通にプレイしているだけではどれだけ部屋のドラフトをしても出会うことはできない。場所がもう決まっているからだ。

この扉に一度鍵を使えば、その後は鍵を持っていなくても扉に入れるようになる。とにかく鍵を入手できたら、さっさと開けてしまうのがいいだろう。
「Room46」にたどり着くためには、地下室の鍵を使って行ける場所を探索しなければならない。実は、地下へのルートは複数ある。今回は筆者が初回クリア時に使ったルートを紹介することにしよう。例によって、探索の楽しみを奪わないよう、ほどほどに。
まずは「The Foundation」を見つけよう。

「The Foundation」は出現率が低いレアな部屋だ。こればかりはドラフト運をひたすら祈るしかない。また、レアな部屋が出やすいように、ある程度のランクまで到達している必要もあるだろう。
上のスクリーンショットだと筆者はランク3で「The Foundation」を引いているが、正直言ってこんな低ランクでFoundationが出現することは、あまりないことだ。こわい。参考にしないで欲しい。

地下へ行けそうなエレベーターがあるので、これを起動させよう。「The Foundation」の1ランク上のマスに南向きの扉がある部屋を隣接すると、本来扉のある位置にこんな機構が現れる。このレバーを引くとムービーが発生し、エレベーターが使用できるようになる。
なお、「The Foundation」は一度設置すると恒久的に位置が変わらない特殊な部屋でもある。引いてさえしまえば翌日からは毎回必ず配置されるようになり、起動のためのチャレンジは何度でもすることができるので、安心して欲しい。エレベーターを起動させたら、地下の扉に鍵を使っておこう。
次は「Tomb」だ。


「Tomb」は「Outer Room」で引くことができる部屋のひとつ。とっても広いし暗いし墓地だし、ちょっと怖いかもしれない。大丈夫だ。このゲームにホラー要素は一切ない。
一切ないが、ディナーを用意してくれる程度にはここで働いている人の気配があるのに、その人たちを全然見かけないので、どこを歩いても真新しい廃墟のような不思議な雰囲気を感じるかもしれない。まあ今更、特にこの墓地で生きている人に出くわしたら怖いけど……そんなことはない。ここにいるのは死者と、それから天使の像だ。

さて、この天使の像には腕が下がるギミックがある。この仕掛けを使った謎解きに成功すると、「Tomb」にある秘密の通路を開けることができる。
どうやって解くのか、もう少しヒントを。この天使たちが一同に集まる場所が、「Tomb」の他にも屋敷内に1部屋だけある。あとは、ギミックを動かす順番が鍵だ。
これらの地下へ通じる場所では、いずれもまだいくつかの謎解きをしなければならないが、そこは割愛させて頂く。いずれも非言語的なパズルなので、翻訳の心配をする必要はない。

パズルを解いてたどり着く一番奥には、「Room46」に繋がる最後の扉の封印を解くことができるレバーがある。あとはステップ数に注意しながら来た道を通り、「Antechamber」から「Room46」へ入ろう!

Room46の、そのあとの楽しみ方
部屋ひとつ見つけるだけのゲームで英語がちっともわからない筆者が100時間も遊べるわけがないだろ
それは本当にそう。
このゲームは「Room46」にたどり着くまでがひとつのゲームの区切りであり、正直チュートリアルと言っていい。
遊んでいれば嫌でも気がつく、未解決の謎、謎、謎。
そう、まだ遊べる! まだ遊べるんだよ!
これとか。
これとか。
これとか。
極めつけはこれ。
信じられるか? この扉、全部開くんだぜ。つまりこの扉の分だけ、鍵が存在する。
とはいえだ。「Room46」に辿り着いたならこのマウント・ホリー邸はもうサイモンのものだし、プレイヤーはここで旅を終えてもいい。ひとときの冒険が楽しめたのなら、それが何よりだ。未解決の謎解きをいつかの日のために取っておいてもいいだろう。
謎は逃げないし、探検はいつ再開したっていい。いずれにせよ、あなたが楽しめるときに楽しむべきだと思う。ぜひ。
音楽やグラフィック、ストーリーの細やかな“気配”
どこかで述べたように、『Blue Prince』にはサイモン以外の登場人物はほとんど出てこない。他の人々はムービー中よりも、手紙や文章の中に多く現れる。それは気配と言ってもいい。そこに息づくような確かでリアルなものよりも、ずっと控えめな存在感だ。

筆者がストーリーを気にしだしたのは、「Room46」にたどり着いた後だった。一応のクリア後もなお、屋敷内を初雪の降る庭を駆け回るイヌのように爆走していた筆者は、「Morning Room」で見つけた新聞を翻訳ツールを通して初めてしっかり読んだときに、違和感を覚えた。

というのも、新聞の一部の記載は「Drawing Room」で見つけた赤い手紙の内容と反していたからだ。核心的なネタバレを避けるためにふわっとした言い方をするが、要するに表向き発表されている情報は事実とは異なり、明確に意図を持って伏せられているようだった。
正直に言えば、筆者は今でもストーリーの全容をしっかり把握しているわけではない。翻訳ツールがあっても英語の壁はそれなりにデカいし、それにゲーム内でストーリーをしっかり解説しているシーンがあるかというと、全然ないのだ。プレイヤーは各所に散りばめられた断片的なテキストを繋いで、ストーリーを想像することしかできない。
でも、それがこのゲームにはちょうどいいのだ。控えめな存在感だからこそ、プレイヤーの謎解きの負担やノイズになることはない。でも、謎解き好きたちはそれらの断片的な手がかりをどこかで疑問に思い、気になり始めるに違いない。気になる人はしっかりストーリーを追いたくなる、いい塩梅なのだ。
音楽に関してもそうだ。プレイ中は常にBGMが鳴っているわけではない。サイモンの足音しか聞こえない場面も多い。

けれど、特定の部屋を開けたときに耳に飛び込んでくる音は、謎と探索続きで緊張したプレイヤーをホッとさせたりすることもあれば、道の通路を進む期待感や巨大な謎に相対した際の緊迫感を演出することもある。脳が意識して音を捉えだすと、これほどピッタリとシーンにハマるものはない、というぐらい効果的なタイミングで使われている。
グラフィック面に関しても、同じことが言えるだろう。特にタイトルロゴを含む素晴らしいデザインの仕事は、『Blue Prince』のゲームとしての質を確実に1段階引き上げているのではないだろうか。
いずれにせよ、目に見えない演出や効果といった細やかなものが積み重なった結果、穏やかで静かな気配とでも呼ぶべきものが『Blue Prince』の中には満ちている。謎だけでなく、そういった点でもこのゲームはより良い体験をプレイヤーに提供してくれていると思う。
ザックリの手加減がわからず、もしかしたらところどころガッツリになった気がしないでもないが、本稿はひとまず序盤の手引きというかガイドになったのではないだろうか。
遊びたいゲームへの“腰の重たさ”というものが、筆者の中にはジャンル問わず常にある。始めたら夢中になって止まらないだろう予感というのもあれば、『Blue Prince』のように言語が壁となって立ちはだかる場合もある。遊びたいのにわからない、という心理的なハードルはかなり大きいと思う。
でもさ……
謎だらけのデカい屋敷の探検、したいよね?
本稿がそのハードルを少しでも下げる一助となれることを願う。
『Blue Prince』は PC(Steam)、PS5、Xbox向けに配信中だ。