年明けの福引でやっとの思いで運を掴み、愛バと3年間苦楽を共にし、そこでようやく行くことのできる「至福の時間」……。それが『ウマ娘 プリティーダービー』(『ウマ娘』)における「温泉イベント」でした。
だったはず……なのですが……。その常識が、新育成シナリオ「ごくらく♪ゆこま温泉郷」(温泉郷編)で完全に破壊されました。
なんと……育成開始(お任せ育成)から1分で愛バの温泉シーンが拝めちゃう!!
しかも、この温泉、ターン消費なしで体力を回復できるだけでなく、バフ効果までつく破格っぷり。レース直前に入浴することもでき、レースボーナスアップにも貢献してくれます。
なお、「温泉郷編」での温泉シーンは、福引きから行ける「温泉旅行」の演出とは異なる新規カット! サービス旺盛すぎるだろ……!
コマンドを選択するためには「入浴券」が必要となりますが、入浴させないという選択肢はないでしょう。
ええ、新育成シナリオの舞台が「温泉」と聞いて以来、「どこかで入浴シーンはあるだろう」と期待はしていました。でも、まさか育成開始1分で拝めるなんて思っていませんでしたよ!
あまりにも早い温泉シーンに、初見プレイ時には「こ……こんなことが許されるんか!? ええんか!?」という驚きと、「あ、ありがとうございます……!」という感謝が脳内で殴り合いを始めていました。なお、5秒経たないうちに「ありがとう」サイドがKO勝ちしました。サンキュー温泉。
ただ、実際にシナリオを始めていくと、ストーリーはしっかり真面目テイスト。「保養」というテーマ性が描かれており、よい意味で裏切られました。
今回のシナリオリンクキャラは、トウカイテイオー、ミホノブルボン、トランセンド、ホッコータルマエ、ワンダーアキュートの5名。リンクキャラのメンツから「ダート向けでは?」という前評判もありましたが、全距離向けのシナリオとなっています。
シナリオ固有のパラメータ上限はスピード1900、スタミナ1800、パワー1700、根性1700、賢さ1400。1周あたりのプレイ時間はおまかせ育成で25分ほどでした。
と、基本的な情報はこのあたりにして、メディア向け先行体験会にて確認できた、新育成シナリオ「温泉郷編」の情報をお届けしていきたいと思います。
育成開始1分で訪れる温泉。レース直前にも温泉。好きなときに温泉。ご褒美のインフレ。最高か?
本育成シナリオでは温泉シーンを拝める状況が爆速でやってきます。どれくらい早いかというと、ジュニア級デビュー前、残り9ターン時点です。最序盤すぎる。
この時点で「温泉」コマンドが解放され、ポチっとすると……。
広々とした温泉で愛バがじつに気持ちよさそうに入浴!
ええええ……いいの? 温泉シーンって最後の最後だったじゃん!
そ、それがこんな早々に、しかも手軽に拝めてしまっていいのか……! 責任者はどこだ!? ありがとうございます!!!!
あまりに目に嬉しすぎる温泉シーンですが、「入浴券」さえあれば好きなタイミングで入浴可能です。さらに節目イベントとなる「湯浴み会」でも入浴演出があります。
「入浴券」を使っての入浴は、体力回復とバフまでもらえるのですが、頻度としては「メカウマ娘」シナリオでのオーバードライブ発動と同じかそれ以上ですね。とにかくことあるごとに入浴します。
さらに、育成が進むと演出が変わり、一緒に入浴するウマ娘も増えて賑やかに。なんだこのご褒美のインフレ。最高か?
開幕いきなり温泉に入れるし、その後も好きなタイミングで温泉に入れる。温泉尽くしの本育成シナリオですが、なんとレース直前の控え室からでも入浴できちゃいます。
もっとも、温泉にはレースボーナスを増す効果もあるので、恩恵しかありません。「レース前にひとっ風呂浴びてくるわ」とかいう、江戸っ子みたいなムーブをする愛バ、最高に粋です。
しかも、最後のシナリオライブは、なんと温泉カラオケ。「ライブとは一体……?」というシュールさはありつつも、昭和歌謡のようなレトロと現代的なテイストが融合した楽曲は非常によかったです。衣装もかわいいのでぜひチェックしてみてください。
温泉はターン消費なし。トレーニングで疲れたら入浴して回復する育成サイクル
「温泉郷編」の育成のカギは、そのままズバリ「温泉」です。温泉コマンドはターンを消費せずに体力回復やバフ効果を得られます。
しかも、温泉では、稀に「超回復」が発生することも。とくに体力が一時的に最大値の150までアップするなど、その恩恵も莫大。トレーニングをガンガン行って体力を消費して、温泉で超回復を狙う。これが「温泉郷編」の基本サイクルになるでしょう。

温泉に入るためには「入浴券」が必要ですが、これは節目で補充される他、友人サポートカード「保科健子」を編成していると入手機会が増えます。
また、シナリオ固有コマンドの「PR活動」でも「入浴券」は獲得可能です。「PR活動」自体のステータス上昇量は正直なところ低いので、あくまで保険的な使いかたになるでしょうが……。演出が激カワなので、ぜひ一度は見てほしいです。
そして、本育成シナリオにおける育成の大きな目標は、年末に開催されるイベント「湯浴み会」で高評価を得ることです。
「湯浴み会」で「いい湯♪」という最高評価を得ると、大量のステータスやスキルポイントを獲得できるので、積極的に狙っていきましょう。
これまでの育成シナリオでは、同様の節目となるイベントが半年に1回ありましたが、今回は年1回になったことで、育成のテンポがよくなった印象を受けました。
この「湯浴み会」の評価に加え、温泉の効果を得るために必須となるのが、「掘削」システムです。
具体的には新たな源泉を掘っていくのですが、これはウマ娘自らが装備を使って掘ります。ガテン系とかそういうレベルを超えてる……!
掘削の進捗状況は、左上のゲージから確認可能。トレーニングなどの行動を取ることで、ゲージがグングン掘り進んでいきます。なお、本育成シナリオでは性質上あまり出番がなさそうですが、「お休み」でも進められます。
源泉を掘り当てると、温泉が一気に「ドッバー!」っと噴出。これまでなかったタイプの演出ということもあり、かなり新鮮&爽快でした。
源泉のある場所には「地層」が存在。「砂・土・岩」の3種類があり、それぞれの地層に対応した装備を強化しながら掘削を進めていくことになります。
「どの装備を優先的に強化し、どの源泉から掘り進めるか?」がステータス上げに直結するため、組み立てがおもしろいポイントですね。
ストーリーは廃れた温泉郷を立て直す真面目テイスト。「保養の重要性」を考えさせられる
本育成シナリオの舞台は、URAの保養施設「ゆこま温泉郷」。
その女将である「保科健子(ほしなきよこ)」と、後継として修業中の「ユノハナブルーム」と共に、廃れてしまった温泉郷を再興するために、ウマ娘たちが奮闘していきます。
- 保科健子(CV.高垣彩陽)。
- ユノハナブルーム(CV.豊崎愛生)。
保科健子はユノハナブルームの元トレーナーで、現役時代から「ゆこま温泉郷」の女将を兼任していたという超人。「保養」の知識は温泉だけに留まらず、スポーツ科学への造詣も深い、とにかく頼れる存在です。
そう。本育成シナリオのテーマは一貫して「保養の重要性」です。
「温泉が舞台だし、ライトなノリでみんなでワイワイ系なんだろうなあ」と思いきや、じつはまったく逆。もちろんそういった微笑ましいシーンもありはしますが、ストーリーのテーマはかなり真面目です。
とくに印象的だったのが、ロコドルとしても活躍するホッコータルマエのエピソード。
彼女は温泉郷のPR活動のなかで、保養の魅力をアピールする動画を作るのですが、ここでSNS映えを狙ったバズ狙いの自撮りは封印。「温泉郷での保養ルーティンを、彼女自身の目線で映していくだけ」という一見すると地味な形式で動画を投稿しました。
そしてこれが想定外に大バズり。過剰に刺激的ではない動画だったからこそ、疲れた人に需要があったんだな……と考えさせられました。まるで“焚き火動画”みたいだなと。
そして、トレーナーサイドのウマ娘たちは、「温泉郷に来ると元気になるよ!」といった旨のPR活動を他のウマ娘に対して行っていくことに。
しかしここで返ってきた答えは、「体にいいのはわかる。行ったほうがいいこともわかる。ただ、休日でも精神的に余裕がないし、面倒だから行かない」というものでした。
わかるわー……。この意見にはすごく共感してしまいました。
本来、温泉は疲れを癒やしにいくものですが、実際に足を運ぶとなると億劫だったりします。こういう人、いません? 実際に行けば確実に体がラクになって「来てよかったあああ!」となるのですが、そこに至るまでの腰が重いという……。
こうした意見に対してウマ娘たちがどう対処し、温泉郷を盛り上げていくか? は本育成シナリオの大きな見どころのひとつです。
結果として読後には、「面倒ではあるけど、意識して全力で休むことってやっぱり大事だよな……」と、じんわり沁み入るものがありました。
SSR保科健子は本育成シナリオの適性◎ 無凸でも「入浴券」の獲得枚数は変わらない良心設計
最後に、実際にプレイしてみた感想を少々。まず、おまかせ育成でもスキルポイントが溢れがちでした。
対人コンテンツ向けの育成だと、そのレースに適したサポカをしっかり用意できない場合、不発スキルを取らざるを得ない状況が発生するかもしれません。ただ最近は、継承ウマ娘のスキル数が膨大であることもめずらしくないので、ここでフォローしていくことも有効でしょう。
また、温泉で回復しまくることが前提だからなのか、「掘削」で体力を消費するため、賢さ練習による回復が少なくなる。本番環境でどの程度に調整されるかは不明ですが、ここもシナリオ独自の立ち回りのポイントとなりそうです。
また、シニア級から登場する「秘湯ゆこま」という源泉には、「編成しているサポートカードが5種類以上なら、追加で3人トレーニングに現れる」という強力な効果があります。
さらに「秘湯ゆこま」は既存の源泉よりバフ量が圧倒的に多いため、登場したらすぐ「掘削」を選ぶことになりそうです。
ただ、「無人島編」では「スピード5枚編成」が流行したこともありました。「秘湯ゆこま」を念頭に置くとカード種をバラけさせた編成が有利に見えますが、意外性のあるサポカ編成がまた誕生するかもしれませんね。
そして、このシナリオをプレイするうえで、ほぼ必須級と感じたのが友人サポートカードの「SSR[ゆるり、ゆこま旅館]保科健子」です。
温泉に入りまくることが前提のシナリオにおいて、「入浴券の獲得枚数が増える」「超回復しやすくなる」という効果はあまりにも強力。とくにSSRの場合、特定のタイミングで発生するイベントでもらえる入浴券の数が増えます。
ただ、ありがたいことに、この入浴券の獲得枚数はSSRサポカを凸しなくても変わらない良心設計となっています。無凸でも十分に活躍できると思われるため、新シナリオへの参入ハードルは従来よりも低いかもしれません。
そして、シナリオ体験会恒例のメディア対抗ルームマッチにも参加してきました。筆者は育成していたナイスネイチャで挑んだものの、惜しくも入着できず……。
敗因は明確で、阪神ジュベナイルフィリーズ条件(マイル1600m)と適性が合っていなかったこと、サポカ選択をミスしてステータスが凹んでしまったこと、そして何より獲得スキルの半分以上が発動できなかったことですね。
ま、まあ……今回はナイスネイチャの入浴シーンを見るという至上命題は達成できたので、実質的には勝ちです。
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