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「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」に行ったら、“わかってる”セトリと完璧な演奏で見事に心を盗まれてしまった。「1more!」でアンコールするの、最高すぎないか?

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最初にこれだけは伝えておきたい。最高だ……!

筆者が今回見に行った「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」では終演後、筆者を含む多くの『ペルソナ』ファンの心が盗まれた。

Lynさんの生歌唱、世界的なアーティストによる楽曲のビッグバンドアレンジ、ステージ上の演出、どれを取っても、最高すぎる……。演奏を聞いた筆者はしばらくの間、その余韻から抜け出すことができなかった。

「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」レポート:“わかってる”セトリと完璧な演奏で見事に心を盗まれた_001

『ペルソナ5』といえば、そのストーリーや世界観に肩を並べるくらい「音楽」も有名だ。なかでも、作中の戦闘曲「Last Surprise」は特に人気を博しており、2024年には本公演の編曲を務めるチャーリー・ローゼン氏によるカバーがグラミー賞にノミネートされたことでも知られている。

今回のビッグバンドコンサートではチャーリー・ローゼン氏が指揮を務め、『ペルソナ5』の楽曲をジャズ風にアレンジ。
当日は事前にセットリストが公開されていなかったため、わくわくした気持ちで座席で待っていたのだが、その期待を裏切らない「怪盗心をくすぐられる」ような選曲に、筆者も思わず涙を流した。圧巻だった……。

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本稿ではそんな『ペルソナ5』のスピンオフ作品に至るまでほとんどの作品を遊んでいるシリーズファンの筆者が、12月2日から新宿文化センターで開催されていた「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」をレポートする。

ちなみに、筆者は以前、東京ゲームショウで開催された『ペルソナ』ライブのレポート記事も書いているので、興味があればあわせて読んでほしい。

取材・文/cookieP
編集/うきゅう


冒頭から筆者の心に総攻撃。心盗まれる演奏体験

奥村春(ノワール)のアナウンスが入り、会場が静まり返ったかと思うと、オンタイムで突然演奏がスタート。ついに、はじまる……!!!

1曲目は『ペルソナ5』のオープニング曲として知られる「Wake Up, Get Up, Get Out There」。会場は一気にムードが切り替わり、想像以上の音圧とアレンジに筆者は全身が震え上がった。前奏が終わるとステージ横からLynさんが登場。会場内では大きな拍手があがり、「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」が正式に開幕した。

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本公演では、戦闘BGMから日常BGMまで『ペルソナ5』のさまざまな楽曲がセットリストとして組み込まれており、ゲームをしっかり遊んでないと知らないようなちょっぴりニッチな曲も多めな印象。ここでひとまず前半のセトリを皆にも見てもらおう。

00. Overture
01.Wake Up, Get Up, Get Out There
02.Life Will Change
03.Butterfly Kiss
04.Tokyo Daylight
05.全ての人の魂の詩(Aria of the Soul)
06.Beneath the Mask
07.Have a Short Rest
08.Will Power
09.Rivers In the Desert

ん~~~~~っ!!! わかってる~~~~~~~っ!!!

最高ーー!!!!!!!

正直筆者は『ペルソナ5』の楽曲は全部好き。「どれかひとつ」と言われても、絶対に絞れない自信がある。筆者はゲームを遊んでいた当時、四軒茶屋では「Tokyo Daylight」をずっと鼻歌で歌ってたし、「Beneath the Mask」は曲に合わせてメニューを開いたり閉じたりして遊んでた。

なんなら、『ペルソナ4』では「エブリデイ♪ ヤングライフ♪ ジュネス♪」と息をするように歌いまくったし、『ペルソナ3』では「べいべべいべべいべ~」と何回口ずさんだかもうわからない。このようなBGMに関する思い出は、本作シリーズを遊んでいる者であれば、誰しもひとつやふたつ、持っているであろう。

このような当時の記憶がジャズの音色に乗って、ノスタルジックに蘇る。いずれの楽曲も、生演奏でしか味わえない没入感があり、走馬灯のような非日常な体験であった。

このファンの心をドストライクに打ち抜いていくアレンジと歌唱に、終始筆者の目と耳は釘付け。あっという間に、筆者の心は怪盗団に盗まれていた。

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「ベルベットルーム」って実在したんだ。“扉”が見えた

前述で好きな曲は絞れないという話をしたが、『ペルソナ』シリーズを全部遊んでいる筆者にとって、「全ての人の魂の詩」は特に思い出深い曲である。実際、本公演の前半で一番テンションが上がった楽曲は間違いなくこれだ。本レポートを書いている今でも、その情景を思い出してゾワゾワしている。

本楽曲が始まった瞬間、青色の照明によってステージがライトアップされ、つややかなバイオリンの音色と重厚なチェロの低音がホール全体に響き渡った。それはまるで本当にベルベットルームに迷い込んだかのような、異質な雰囲気があり……正直に告白しよう。筆者はその時、“扉”を見た。

ベルベットルームって存在したんだ……。

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演奏の後半では世界的トランぺッターであるエリック・ミヤシロ氏によるソロパートがあり、本楽曲から感じられる「孤独感」とでも言うべきものが、より一層惹きたてられていた。

この光景を見せてくれて、ありがとう。
そんな筆者の心内の感謝とともに、前半戦は幕を閉じた。

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エリック・ミヤシロ氏によるソロパート。

「1more」させてくれないか? いや、させてください!

コンサートは休憩をはさみ後半戦へ。

後半1曲目は『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』のオープニング曲として知られる「Colors Flying High」。筆者は『ペルソナ5』は「ロイヤル」から遊んだので、イントロが流れた瞬間テンションが上がった。やっぱり、何十回、何百回と聞いてる曲を生演奏で聞けると嬉しい……。

そして、ここまでくると会場も大盛り上がり。曲によっては手拍子やスタンディングオベーションも巻き起こり、会場は熱気に満ち溢れ、熱狂の渦に包まれた。

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こうして、さまざまな楽曲を楽しみ15曲目「Life Goes On」が終わると、チャーリー・ローゼン氏によるメンバー紹介が行われ、残りの演奏数が残り2曲であることが伝えられた。

これを聞いた筆者は正直、悲しかった。聞き足りていないのだ。まだまだ聞きたい……!

そういった思いを噛みしめながら、16曲目「The Whims of Fate」を聞き、早くも最後の楽曲「Take Over」になってしまった。「Take Over」といえば、作中の戦闘で流れるお馴染みの戦闘曲であろう。

ジャズアレンジの加わった「Take Over」はお洒落な雰囲気と、カッコよさが入り混じった曲調となっており、筆者のテンションは最高潮。Lynさんの力強い歌声が心に染み、『ペルソナ5』のコンサートを締めくくるのにはピッタリの楽曲であった。

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こうして、コンサートは幕を閉じた……かと思われた、その時。

「1more!」

どこからかその言葉が響いた。すぐに、意を察した観客から手拍子が始まる。やがて手拍子は加速し、ステージ裏へ帰った奏者たちが戻ってきた。なんてオシャレなアンコールだろうか。

しかも、披露された楽曲はまさかの「星と僕らと」。本楽曲は『ペルソナ5』のエンディングとして使われている楽曲であり、正直筆者はこの楽曲がセットリストに入っているとは思っていなかった。そして、泣かされた。

本楽曲は好きなのだが、筆者は普段Spotifyなどのサブスクで聞くことは少ない。なんせ、本楽曲を聞くと自然と涙がこぼれてくるから。『ペルソナ』ファンはそう教育されているのだ。この最高の楽曲を最高の空間でほかの人と共有できたことが本当にうれしい……。ありがとう……。

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そして、楽曲が終わり、感傷に浸っていると、モニター上にとある曲名が表示された。

「 Last Surprise 」

!?!?!?!??!?!

本楽曲は『ペルソナ5』で最も有名な楽曲であり、タイトルにふさわしいサプライズ的な演出に度肝を抜かれた。うわ~~~っ! 最高だ~~~~っ!!!!

モニター上には、今回のコンサートのために書き下ろされた、怪盗団の姿を紹介する新規映像が映し出され、大きな盛り上がりを見せた。こうして、あっという間に2時間が経過し、コンサートは終演を迎えた。

最高だった……。もう一回、「1more」したいです……。

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今回のコンサートは「最高」ではじまり、「最高」で終わりを迎えた。終演後、外には長蛇のグッズ購入待機列ができており、思わず筆者もパンフレットを買ってしまった。

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購入したパンフレット。

なお、今回のコンサートが好評だったことをうけ、本コンサートの再演が決定した。公演時期は2026年夏を予定している。詳細に関しては、今後随時更新していくとのことなので、興味があれば公式X公式サイトを要チェックだ。

筆者もまた、心を盗まれに行きたいです。

▼セットリスト
Overture
Wake Up, Get Up, Get Out There
Life Will Change
Butterfly Kiss
Tokyo Daylight
全ての人の魂の詩(Aria of the Soul)
Beneath the Mask
Have a Short Rest
Will Power
Rivers In the Desert
Colors Flying High
Tokyo Emergency
Break it Down
Layer Cake
No More What Ifs
Life Goes On
The Whims of Fate
Take Over
星と僕らと
Last Surprise

ライター
マヌルネコを愛してやまない雑多ゲーマー。好きなゲームは『A Hat in Time』『Red Dead Redemption 2』『Sky 星を紡ぐ子どもたち』『オクトパストラベラー II』『theHunter』
Twitter:@cookieP_Sub
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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