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PS5『ウルヴァリン』がワイルドすぎた。期待通りのゴリゴリ近接戦闘アクションでスーパーヒーローになりきれる。無敵の爪で敵をザクザク斬り刻むのが気持ちいい。このヒーロー、強すぎでは?

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手触りや体毛にもこだわり“究極のウルヴァリン体験”を目指す。開発者インタビュー①

ここからは、デモの試遊に合わせて実施された開発者へのインタビューをお届けしていく。まずお話を伺ったのは、テクノロジー責任者のMike Fitzgerald氏とシニア・プロジェクトディレクターのJess Reiner-Reed氏。本プロジェクトの立ち上がりや「ウルヴァリンらしさ」へのこだわり、そして「毛深さ」の表現などについて語っていただいた。

○インタビュイープロフィール
Mike Fitzgerald氏:
Insomniac Gamesのテクノロジー責任者を務めており、『Marvel’s Wolverine』やその他のタイトルにおけるゲームエンジンやツールの開発をけん引。

Jess Reiner-Reed氏:
『Marvel’s Wolverine』のシニア・プロジェクトディレクター。15年以上PlayStation Studiosにて『Marvel’s Spider-Man』や『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズに携わる。

──まず、『ウルヴァリン』のプロジェクトがどのように立ち上がったのかをお聞きしたいです。数多くいるヒーローのなかから、なぜ彼を題材にしたゲームを作ろうと決めたのでしょうか?

Jess Reiner-Reed氏(以下、Jess氏):
Insomniac GamesとMarvel Gamesは、長いあいだ一緒に仕事をしてきました。とても良い協力関係を築いています。

前作で題材にしたスパイダーマンは非常に象徴的で人気のあるキャラクターです。そして私たちはMarvelが持っている素晴らしいキャラクターたちの幅広さを見渡していました。

ウルヴァリンは、本当に多くの人々に認知されているキャラクターです。世代を超えて多くの人が彼にまつわる思い出を持っていて、さまざまなメディアを通じて彼のことを知っています。私たちがゲームを作る対象として、彼はふさわしいキャラクターだと感じました。

またローガン(ウルヴァリン)には、キャラクターとして私たちが本当に良いと思う部分がたくさんあります。Insomniac Gamesでは常に、人々が共感し、良いと感じてくれるストーリーを語ろうとしています。そしてローガンは、弱い立場の人、自分では身を守れない人のために戦う人物です。ですから彼は、私たちのポートフォリオに非常によく合っていました。

PS5『Marvel’s Wolverine(マーベル ウルヴァリン)』先行プレイレビュー。期待通りの近接戦闘アクション_029

──ウルヴァリンのファンはたくさんいるとのことですが、ゲームを発表したとき、ファンからの反響はいかがでしたか?

Mike Fitzgerald氏(以下、Mike氏):
そうですね。前作の『Marvel’s Spider-Man』に対していただいた反響には、本当に感謝しています。Marvelと一緒にあの作品を作ることができて、とても幸運だと感じています。プレイヤーの皆さんからいただいた反応は素晴らしいものでした。ですから幸いにも、新しいヒーローに取り組んでいると発表したときにも、非常に好意的な反応をいただけました。

Jess氏:
Insomniac Gamesの開発者たちは、新しいトレーラーを公開するたびに、リアクション動画を見ています。私たちが世に送り出したものを皆さんがどう楽しんでくれているかを見るのが大好きなんです。

──ストーリーを語りたいとおっしゃいましたが、このゲームは非常にストーリー重視の作品だと感じます。この方向性は開発の初期段階から決まっていたのでしょうか?

Mike氏:
私たちは、この作品を『Marvel’s Spider-Man』とは異なるものとして扱い、明確に異なる手触りを与えたいと考えていました。まったく異なるキャラクターですからね。

そして、プレイヤーに「ウルヴァリンになった」と感じてほしい、ウルヴァリンというキャラクターの魅力を味わってほしいと考えました。彼は前へ前へと突き進む攻撃的な存在です。それはストーリーにも、ゲームを通じた語り口にも表れています。

彼には常にどこか行くべき場所があり、急いでやらなければならないことがあるのです。私たちの方法でストーリーを語れることを、とても楽しみにしています。

Jess氏:
ローガン中心のストーリーを語るということは、最初から本当に重要なポイントでしたね。

──このゲームは、彼の怒りの表現を戦闘に落とし込んでいると強く感じました。戦闘体験を設計する際には、どのようなことを考えたのでしょうか?

Jess氏:
本作の戦闘体験については、速く流れるような戦闘と、ローガンの攻撃性を表現しなければならないと考えていました。彼はバーサーカー・レイジ(狂戦士の怒り)と呼ばれるものを持つ人物であり、内側に動物的なものを抱えています。ですから、それらを戦闘を通じて表現する必要がありました。

そしてもちろん、「爪」があります。爪は、その感触を正しく作り込まなければならない要素でした。それによって、ウルヴァリンとしてプレイするというファンタジーが成立するからです。

Mike氏:
『Marvel’s Spider-Man』と比べると、はるかに暴力的で血なまぐさい体験になっていますね。ただし、暴力を美化するような形ではありません。

暴力はむしろ、このキャラクターがこの世界で生き、進んでいくうえでのシリアスな帰結のようなものです。ですから、その意味ではずっと地に足のついたものになっています。

Jess氏:
私たちが語ろうとしたのは、成熟した、残酷なストーリーでした。

PS5『Marvel’s Wolverine(マーベル ウルヴァリン)』先行プレイレビュー。期待通りの近接戦闘アクション_030

──血なまぐささという話が出ましたが、血の描写はとても強く印象に残りました。単なるエフェクトではなく、飛び散り方に動的な感触があり、敵の傷が自分の攻撃を反映しているように感じました。こうした要素はどのように設計されたのでしょうか?

Mike氏:
気づいていただいてありがとうございます。血しぶきのシステムがどう動くかについては、非常に多くの労力をかけました。

キャラクターから飛び散る血の多くは、物理ベースで表現されています。流体的な瞬間をシミュレーションし、それをキャラクター上に非常に丁寧に配置します。そして少し時間が経つと、すべての血の粒子が物理シミュレーションにより、環境と正しく相互作用し始めます。

ですから、しずくが地面に落ちれば、まさにその位置に血の跡が残ります。あまり技術的な話に寄りたくはないのですが、それによりある効果が生まれます。ウルヴァリンが大きな戦闘を経験し、それが終わったときに振り返ると、自分が引き起こした被害や残骸、そしてキャラクターの周囲に広がる血が見えて、自分が今何をしたのかがわかるのです。

Jess氏:
戦闘の後に残る痕跡ですね。Mikeの言ったことに加えて、斬り裂いていくときの血の方向性なども作り込みました。

結局のところ、すべてはプレイヤーに「ウルヴァリンになりきってほしい」という点に立ち返るのです。究極のウルヴァリン体験を味わってほしいと考えています。

──この血なまぐささは、ウルヴァリン体験にとって不可欠だと感じていたのでしょうか?

Mike氏:
そう思います。彼が引き起こす暴力について手加減はできない、と理解していました。それはコミックにおけるウルヴァリンというキャラクターの非常に重要な部分だからです。最も象徴的なコミックのいくつかは、まさにその部分を強く押し出しています。

『ブラック、ホワイト&ブラッド』という作品があります。これは黒・白・赤で描かれたシリーズで、その効果を際立たせているんです。ですから私たちは、そのような感覚をゲームとして伝える方法を見つけたいと考えました。

PS5『Marvel’s Wolverine(マーベル ウルヴァリン)』先行プレイレビュー。期待通りの近接戦闘アクション_031
(画像は『ウルヴァリン:ブラック、ホワイト&ブラッド』Amazon商品ページより)

Jess氏:
でも、先ほどMikeが言った「暴力を美化していない」という点は、とても良いと思います。私たちは暴力のために暴力を描いているわけではありません。キャラクターの一部として暴力性が出てくるのです。

また、アクセシビリティ機能も用意しています。血を非表示にしたい人のためのオプションや、切断表現に関するさまざまなオプションなどがあり、そうした表現が苦手な方でもプレイできるようになっています。

Mike氏:
良い区別だと思います。そういう意味では、彼は血に飢えたキャラクターではありません。暴力に興奮しているわけではないのです。ただ、怒りや、憤りを抱えていて、多くの場合、正しいことをしなければならないとわかっている。私たちは彼を「気乗りしないヒーロー(reluctant hero)」と呼んでいます。

彼は必ずしも正しいことを成すべき人物になりたいわけではない。けれど実際にはそうなってしまうし、それが彼の最も得意とすることなのです。

──このゲームは、ウルヴァリンのそうした複雑な側面をよく描いていると思います。開発中、原作の資料についてはかなりリサーチをされたのでしょうか?

Jess氏:
ウルヴァリンについては、徹底的な量のリサーチを行いました。

Insomniac Gamesにはウルヴァリンのファンがたくさんいますし、もちろん協力しているMarvel Gamesはウルヴァリンについて百科事典のようにすべてを知っています。

とはいえ結局のところ、あらゆる形態のメディアにわたって、ウルヴァリンの素材は膨大に存在します。そこで私たちは、「自分たちが語りたいローガンの物語とは何か」を絞り込む必要がありました。

Insomniac Gamesが最もうまく語れる物語は何か。そして、独自の切り口を持ち、50年間ウルヴァリンを愛してきた人にとっても新鮮なものにしたいと考えました。そういう人たちが、このキャラクターの新しい解釈をプレイしたとき、どんなところに興奮できるのか、ということです。

──だからこそ、コミックの翻案ではなくオリジナルストーリーを選んだ、ということなのですね。

Mike氏:
はい。『Marvel’s Spider-Man』シリーズのタイトルで行ったのと同じように、まずはキャラクターのDNAと、人々が見たいと思っている核となるテーマ的な要素を理解します。そのうえで、それを表現するための新しい物語と体験をゲームに合った形で作り上げるということですね。

PS5『Marvel’s Wolverine(マーベル ウルヴァリン)』先行プレイレビュー。期待通りの近接戦闘アクション_032

──既存のキャラクターからオリジナルストーリーを作るうえで、最も難しいのはどこだと思われますか?

Mike氏:
ウルヴァリンのようなキャラクターの強みのひとつは、非常に長い年月のあいだ、非常に多くの形態で存在してきたということです。

アニメシリーズのウルヴァリンがあり、さまざまな映画版のウルヴァリンがあり、コミック版がある。ですから多くのファンが、それぞれの視点を持ってキャラクターに接します。

彼らはこう言うわけです。「ウルヴァリンがウルヴァリンであるためには、この5つの要素が入っていなければならない」と。そして次の人には別の5つがあり、その次の人にはまた別の5つがある。

だから、それらすべての行間を読み取って、そのキャラクターにとって本当に核となるいくつかの要素を見つけ出さなければなりません。そして、ストーリーに取り組み、反復し、さまざまな段階を通していくなかで、あらゆる形態のこのキャラクターを愛している人たちに響くものを目指してきました。

──では、ウルヴァリンの本質的な核とは何だと思われますか?

Jess氏:
絶対に外せないと考えたのは、あの獰猛な爪の戦闘です。ウルヴァリンを思い浮かべたとき、爪で戦うのがどんな感覚なのかを味わいたいとまず思うはずです。

それから、彼の周囲のキャストをきちんと揃えること、ウルヴァリンの歴史のなかで認知度の高いミュータントを登場させることも重視しました。レディ・デスストライク、オメガ・レッドといった面々やリーヴァーズ、ザ・ハンドも登場します。まだお話しできないキャラクターもいますよ。

Mike氏:
私が挙げるとすれば、あの「気乗りしないヒーロー」という点です。彼は「俺が危機を救うスーパーヒーローだ!」というタイプではありません。正しいことをしなければならないとわかっている、という感じです。

そして、自分がそれをやるべき立場でなければよかったのに、とどこかで思っている。それがこの物語の核です。

Jess氏:
作品のトーンと成熟度を正しく捉えることも必要ですね。先ほどの暴力の質問に戻る話でもありますが、ウルヴァリンは残酷な世界に生きているので、私たちはそれを正確に反映しなければなりませんでした。

もうひとつ思いついた点として、彼のミュータント能力を正しく描くことも重要です。ヒーリングファクター(治癒能力)や、強化された感覚などですね。彼はミュータント能力によって天性の追跡者でもあります。そうしたものは、絶対に外せない要素ですね。

Mike氏:
付け加えるなら、謎と歴史に満ちた、苦悩を抱えた過去を持っているということも、このキャラクターの大きな一部です。

──ウルヴァリンの動物的な部分という話に関連して、今回のウルヴァリンは体毛が濃いことに多くのファンが注目しています。これはこだわった点だったのでしょうか?

Mike氏:
そうですね。私たちのプロセスとしては、まずキャラクターのコンセプトワークから始めて、それをどれだけ忠実に再現できるかを見ていきます。体毛の濃さは彼というキャラクターの大きな一部ですし、これまでのタイトルで毛髪関連のシステムを開発してきたので、今回はそこに本腰を入れました。

肩や腕の毛は1本1本モデリングされていますし、あご髭も、首まわりも、マスクを外したときの頭髪も、膨大なディテールが入っています。そこに注力するのはとても楽しい作業でした。ちなみに、セイバートゥースも彼に負けず劣らず毛深いですね。

Jess氏:
気づいてもらえて嬉しいです。ここは絶対に正しく作らなければならないと思っていました。ファンは間違いなくそこを見るはずですから。

PS5『Marvel’s Wolverine(マーベル ウルヴァリン)』先行プレイレビュー。期待通りの近接戦闘アクション_033
(画像はYouTube「『Marvel’s Wolverine』最新ゲームプレイ映像」より)

──腕の毛が、1本ずつモデリングされているというのは驚きです。

Mike氏:
毛髪のためのシステムがあって、メッシュという意味で1本ずつモデリングする必要はありません。毛がどこにあるべきかというカーブを描いていく感じで、ガイドカーブがあり、そこから展開していきます。ただ、肩のあたりをどれだけでも近づいて見ることができて、肩のモデルから飛び出している細かなものが見えるようになっています。

Jess氏:
フォトモードもありますので、ズームインしてみることもできると思います。

──ファンの皆さんにはフォトモードを駆使することをおすすめしますか?

Mike氏:
もちろんです(笑)。

Jess氏:
ファンの皆さんがどんなことを思いつくのか、楽しみにしています(笑)。

──表情のアニメーションが非常に細かいことにも気づきました。この分野では、キャプチャ技術が大きく貢献しているのでしょうか?

Mike氏:
まさにその通りです。私たちは、ウルヴァリンというキャラクターは非常に内向的だと考えてきました。感情面で内側に多くを抱えている人物です。

彼は、自分が感じているすべての感情を必ずしも言葉にしません。そして、ウルヴァリン役のリアム【※】は本当に素晴らしい演技をしてくれています。私たちは、その演技をゲーム内のキャラクターに反映させたいと考えました。

そこで、目の技術や、顔の仕組み、しわや緊張、表情の線の見せ方に取り組み、これまでにない形であの演技を伝えられるようになったと感じています。

※リアム…俳優のリアム・マッキンタイア氏。本作のウルヴァリンを演じる。その他の代表作はドラマ『スパルタカスII』スパルタカス役や『Gears of War 4』『Gears 5』でのJD・フェニックス役など。

Jess氏:
リアムの演技には細かいニュアンスがあります。Mikeが言っているように、収録の際はリアムの顔全体をスキャンしています。ですから、彼が叫んだり唸ったりするときに顔でやっていることが、すべて取り込まれています。それが伝わったようで嬉しいです。絶対に正しく作りたかった部分ですから。

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──ウルヴァリン以外のキャラクターについても、キャプチャを行っているのでしょうか?

Mike氏:
メインキャスト全員の顔がスキャンされています。彼らは顔にカメラを装着した状態でシーンを演じ、パフォーマンスキャプチャを行います。ですから、ジーン・グレイ、セイバートゥース、トラスクなど、メインキャラクターは全員です。

Jess氏:
もちろん、ミスティークも。

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編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。最も脳を焼かれたゲームキャラは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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