『PAYDAY』シリーズの開発者が中心となって結成された10 Chambers Collectiveが、協力型の新作FPS『GTFO』のgamescome 2018ゲームプレイ映像を公開した。
『GTFO』は協力プレイに主眼をおいたアクションホラーFPSだ。『PAYDAY』フランチャイズの開発者が中心となって作ったゲームらしく、4人のプレイヤーの協力が鍵となるゲームとなっている。
プレイヤーは「捕獲者」(Captor)によって捕らえられたスカベンジャーの一員で、モンスターが徘徊する廃墟と化した地下施設「The Complex」へと送り込まれる。地下施設の構造や目標はセッションごとに変化し、リプレイ性の高いものになるという。
今回公開されたゲームプレイ映像は、マップ構成は異なるがE3 2018の映像と同じく、指定された場所に向かい汚染除去ユニットをハッキングすることが目標となっている。
地下施設内で見つけた捕獲者には不要なアイテムはプレイヤーの戦利品となり、それを使ってギアをアップグレードできる。
ゲーム内で操作するキャラクターにクラスのようなものはなく、装備するギアによってできることが変わってくる。特定のギアによってメディックやマッパーのような行動ができるという。
チームメンバーは『PAYDAY 2』や『Left 4 Dead』のように、お互いの位置は遠く離れていても、また壁越しでも分かるようになっている。
周囲にさまざまな恩恵を与えるエリアバフが存在しており、逆に離れすぎたプレイヤーには懲罰用の特別なモンスターが送り込まれることもある。他にも特定のドアを通るには全員が揃う必要があるなど、可能な限り行動をともにすることが求められる。
ゲーム自体は挑戦しがいのあるハードコアな内容だが、フラストレーションを貯めることのないゲームプレイが開発の目標となっている。
登場するモンスターはただプレイヤーに向かってくるものだけでなく、体から伸びる触手で攻撃したり、遠距離攻撃を得意とするものもいる。
トレイラーでは休眠状態でプレイヤーに気がついていないモンスターがいるが、プレイヤーを発見すると彼らを目覚めさせるスカウトも登場している。モンスターは弾薬を落とさず数は限られているので、避けられる戦闘はできるだけ避けるステルスプレイも重要だ。
最初にゲームプレイ動画がThe Game Award 2017で公開されて以降、いくつかのゲームプレイ動画が公開されているが、『GTFO』にはまだ謎が多い。
ゲームの舞台となる地下施設は建設の目的も、廃墟になった理由も、モンスターの出自や正体も明かされていない。主人公を捕らえた捕獲者の正体も、主人公の正体すら秘密になっている。
これらの謎は地下を探索する間に少しずつ明らかになっていくが、本作にはいわゆるシングルプレイキャンペーンは用意されていない。このゲームはただプレイヤーを蘇生してモンスターを撃つだけのゲームではなく、技術的に可能とはいえAI操作のBotは用意しない方針だという。
『GTFO』に用意されたキャラクターやダイアログは、『DOOM(2016)』や『Call of Duty: Black Ops』のライターであり、また『The Last of Us』にはゲームデザイナーとして参加したAdam Gascoine氏が担当している。
開発を担当する10 Chambers Collectiveは、Overkill Softwareの設立者のひとりであるUlf Andersson氏が2015年に設立したスウェーデンのストックホルムのゲームデベロッパーだ。同じくOverkill Softwareの設立者のSimon Viklund氏をはじめ9名のメンバーが所属している。
完全な自己資本によって運営されており、ゲーム制作に関して取締役会のような部外者が口を挟むようなことなく、ニッチなファン層に訴えるハードコアな内容のゲームであっても制作できる体制が整っているという。
今なお多くの謎が残る『GTFO』は2018年内の正式公開に向けて開発が進んでいる。今のところPCのみで発売が予定されているが、PS4やXbox One、Nintendo Switchなどのコンソールでのリリースの可能性も除外していないという。
製品版発売の前にはベータテストも予定されている。また、『PAYDAY 2』のように長期のサポートをすることも明言されている。
実力派の開発者達による、ストーリーも重視した4人CoopのFPSということで期待がかかる『GTFO』の今後の続報に期待したい。
文/古嶋 誉幸