スパイク・チュンソフトは9月6日、サウンドノベル『428 ~封鎖された渋谷で~』(以下、『428』)をPlayStation 4とSteamでリリースした。
価格はPS4向けのダウンロード版が3800円(税抜)、パッケージ版が4104円(税込)、PC版は3960円(税込)。PS4版には製品版にセーブデータを引き継ぐことができる体験版も用意されている。
なお、日本国内に先駆けて9月4日に英語ローカライズ版『428: Shibuya Scramble』もリリースされているが、今回発売された日本語版に英語ローカライズデータは収録されていない。
『428』は2008年12月にWiiでリリースされたスパイク・チュンソフトのサウンドノベルシリーズ7作目だ。ゲームは渋谷を舞台に複数のキャラクターの視点から進み、文章を読み進め要所要所に登場する選択肢やキーワードを選ぶことで物語が進行する。
熱血新米刑事やお人好しの元チームヘッドから、猫のきぐるみを着た謎の人物まで、登場するキャラクターはバラエティ豊か。各人の物語における選択は、その人物のストーリーラインだけでなく、他の人々の物語にも影響を及ぼし合う。
複数の主人公の視点と複雑に絡み合う選択肢がひとつの事件を描くシナリオは、非常に高い評価を得ている。
今回発売が開始された『428』には、本編以外に独立した2本のボーナスシナリオも収録されている。ひとつはゲームファンにも『かまいたちの夜』シリーズのシナリオで有名な、ミステリー作家の我孫子武丸氏が担当。
もうひとつは実写ではなくアニメーション調の絵で描かれており、『Fate』シリーズで有名なTYPE-MOONが制作を担当した。TYPE-MOONはこのほかにも、同ボーナスシナリオを題材としたアニメ『CANAAN』も制作している。
渋谷を舞台にした複数主人公のサウンドノベルということで、同じくスパイク・チュンソフトが1998年にリリースした『街 ~運命の交差点~』との関係もファンサービス的に本編で少し触れられている。『街 ~運命の交差点~』からちょうど10年後にリリースされた『428』から、2018年でさらに10年が経った。実写映像ということもあり、今の渋谷の町並みとゲームの町並みを比べてみるのも面白いかもしれない。
『428 ~封鎖された渋谷で~』はPlayStation 4とSteamで本日からプレイできる。発売から10年経った今なおファンに愛され続ける本作は、初めてプレイする人でも大いに楽しめるだろう。
文/古嶋 誉幸