Morphcat Gamesは新作アクションゲーム『Micro Mages』のKickstarterキャンペーンを開始した。
対応プラットフォームは海外版ファミリーコンピューターであるNESで、NTSC NESとPAL NESのどちらにも対応している。なお、変換アダプターを使えば日本のファミリーコンピューターでも動作するようだ。
プレイヤーは魔法使いとなり、魔法や壁ジャンプを駆使して、モンスターやトラップがひしめく塔の最上階にいるボスを目指す。8つのワールドに全部で26のステージが用意されており、難易度はノーマルとハードが用意されている。また、パスワードによるセーブ機能も搭載されている。
最大4人のローカルマルチプレイにも対応しており、NES実機でもマルチタップを利用して遊ぶことができる。さまざまなスキルのプレイヤーが一緒に楽しめるよう、協力プレイでは死んだプレイヤーは幽霊となって敵を凍らせることが可能になる機能が搭載されているという。生きているプレイヤーはアイテムを使用して幽霊となったプレイヤーを助けられるが、全員が幽霊になってしまうとゲームオーバーとなる。
もちろん協力するだけでなく、より高いスコアを目指すために、友人を溶岩に突き落とす対戦プレイのような楽しみ方もできる。
NESゲームの容量は『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』で512キロバイトまで拡張されているが、『Micro Mages』は『スーパーマリオブラザーズ』のような初期のソフトと同じく40キロバイトまでという厳しい制限を設けて制作されている。ゲームの容量は下記のスクリーンショット1枚より小さく、Youtubeに投稿された映像では本作の技術的な解説も行われている。
ゲーム自体やパッケージのためのデータ制作はすでに完成しており、Kickstarterで集めた資金はすべて物理的なカートリッジやパッケージ、説明書の製作に充てられる。9月7日の時点で、すでに目標の1万5千ユーロの3倍近い4万2千ユーロの支援を集めている。
支援者向けに用意されている報酬(リワード)だが、8ユーロ以上支援することでゲームのROMイメージが配布される。『Micro Mages』はデジタルデータでもROMイメージの配布のみなので、エミュレータを使用しなければならないが、動作が確認されているエミュレーターの情報はKickstarterのFAQページに掲載されているので確認してほしい。
また、デジタルデータのROMでも、EverdriveやPowerpakにデータを書き込むことで実機で動作させることもできる。このような配布方法であることから、現状Steamでのリリースは考えていないという。
カートリッジや説明書といった物理パッケージは40ユーロ以上の支援者に配布される。9月7日の時点で初回生産分はほぼ受付けの上限に達しており、現在は二次生産分(2nd Batch)のものもあるので注意が必要だ。二次生産分は初回生産分よりも発送が遅れる可能性があると説明されている。
『Micro Mages』を開発するMorphcat Gamesはドイツのベルリンに拠点を置くデベロッパーだ。メンバーはJulius Riecke氏とNicolas Betoux氏の2名。
ゲームは2015年に制作が始まり、当初は1ヵ月で終わらせる予定のプロジェクトだが、それからNESに相応しいゲームへと磨き上げるのに2年半を費やすことになる。
同スタジオはこれが初のNESゲームプロジェクトではなく、最大2名までプレイできる2Dアクションゲーム『Super Bat Puncher』のデモをリリースしている。
製品はドイツ国内だけでなく世界中へ発送できるので、2019年にリリースされるNESの新作ゲームに興味があれば支援してみるのはいかがだろうか。
文/古嶋 誉幸