少しずつ肌寒くなってきたこのごろ、鍋のおいしい季節が近づいてきている。空腹で倒れそうなあなたの眼の前には美味しそうに湯気を立てる鍋。対面にはよく喋るメガネっ子。この街にある最高の鍋食べ放題レストランへと赴いたあなたを待つのは、食欲と人間関係との板挟み。
鍋を囲んで繰り広げられる人間性と食欲の戦いを描いたゲーム『Hot Pot Panic』が公開された。
🍲HOT POT PANIC 🍲: a game about those times when all you want to do is eat, but you still have to keep up a conversation.
— Keane Ng (@keanerie) October 19, 2018
enjoy three levels of cooking and conversating, featuring music and sound by @thesaveroom.
now available for zero dollars! https://t.co/urRtNbC6jw pic.twitter.com/cvUb8GwGNj
このゲームの目的は、対面に座る友人の気分を害さず、しかし速やかに鍋を食べて空腹を満たすことだ。話を聞いていると鍋に集中できない。話を聞かないと彼女は怒って帰ってしまう。たとえ聞いていなくても、会話の終わりには「ちゃんと聞いてた?」という恐怖の質問が待っている。意を決して彼女の話に対する感想を言わなければならない。
プレイヤーに求められるのは、適度に相手の話を聞きつつ、スキを見て鍋に食材を投入、また相手の話に耳を傾け、最高のタイミングで肉を食すスキルだ。WキーとSキーで鍋か彼女の方を向きつつ、マウスクリックで食材を鍋に投入したり食べたりする。会話の選択を2回間違えるとゲームオーバーになる。
短いゲームだが、プレイする間にあなたは音の重要性に気がつくだろう。友人の声は字幕を通じてしか見ることは出来ないが、美味しく煮えた肉の音はしっかりと耳に届くはずだ。この音を利用すれば、会話をしながらしっかりと鍋の具合を把握できる。
慣れない間は何度も失敗するだろうが、他愛のない会話をこなしながら肉に集中できる、そんなちょうどいい距離感を見つけ出すことができるだろう。
このゲームを作ったのはFOXDOG FARMSのKeane Ng氏だ。これまでもベーコンを焼くゲームやチーズの包装を剥がすゲームといった食べ物を主役にした作品や、釣りをするゲームや詩を書くゲームのようなどこか不思議な雰囲気の作品を制作してきた。現在は柴犬と暮らすゲーム『SHIBA INU GAME』を製作している。
the dog acts like he doesn't like getting pets, but those sparkles tell a different story pic.twitter.com/R0UCzeAS1k
— Keane Ng (@keanerie) September 19, 2018
『Hot Pot Panic』はitch.ioにて購入者が値段を決められるName your own priceで販売中。お金を払わずにもプレイできるが、本作が気に入った人や『SHIBA INU GAME』を支援したい人は是非お金を払って支援してほしい。
文/古嶋誉幸