いわゆるクソゲーをコメディタッチにレビューする動画シリーズ「Angry Video Game Nerd」(以下、AVGN)のクリスマス特別回が公開された。今回取り上げられたゲームは映画『ホームアローン』と『ホームアローン2』のゲーム化作品だ。
そして特別ゲストとして、映画で主役のケビンを演じたマコーレー・カルキン氏本人が登場した。
クリスマスの定番映画と言える『ホームアローン』。興行収入は1990年上映の『1』と1992年の『2』を合わせて9億ドルを超えているメガヒット作品だ。25年以上前に上映された映画だが、日本国内ではいまだに地上波でたびたび放送されており、知っている読者も多いだろう。2018年は「金曜ロードショウ!」にて12月14日に初代が放送され、12月21日には『2』が放送予定となっている。
大人気映画の例に漏れず、当時は『ホームアローン』シリーズを題材にしたゲームがさまざまなハードで発売された。
「AVGN」シリーズでは、ジェームズ・ロルフ氏が演じるキャラクター「怒れるゲームオタク(AVGN)」が、酷評を受けたビデオゲームに怒りの鉄槌を下していく。これまでホリデーシーズンにはクリスマスをテーマにしたゲームを題材にするのが定番となっていたが、今回のエピソードではいい加減ネタも尽きているだろうと、クソゲーをプレイしないことを宣言するAVGN。しかし、突然のチャイムから彼の平穏なクリスマスホリデーは終わりを告げる。
ピザの配達員としてやって来たカルキン氏は、ピザボックスいっぱいの『ホームアローン』ゲームを持ち込んできた。AVGNはすでにNES版『ホームアローン2』をレビューしており当然のように拒否するが、「たくさんのゲームがリリースされているんだから、この中には面白いゲームがきっとあるはず」と押し切られる寸劇から始まる。
今回紹介されている『ホームアローン』のゲームは主に北米版スーパーファミコンのSNESと北米版メガドライブであるGenesisで発売された作品となる。それぞれのゲームで内容に違いはあるが、基本的に家に押し入ってきた強盗と戦い追い払うという映画の内容を踏襲している。
SNES版はトラップで相手を倒すというよりは、家の中に隠された貴重品を集めて地下のシェルターに集めるという映画とは違う目的が主となっている。また、なぜか大量のネズミやコウモリが襲いかかるなどツッコミどころも満載。そもそも面白くないゲームプレイがゲームオタクとカルキン氏の怒りや悲しみを買う。
一方、Genesis版は映画と同じようにさまざまなトラップで強盗を痛めつけたり、武器のクラフト要素などよく出来たシステムで映画の雰囲気をよく再現している。Genesis版『ホームアローン』で再び希望を持ち、Genesis版『ホームアローン2』はさらに良くなっているはずだとテンションが上がるふたりだった。
しかし、Genesis版『ホームアローン2』はひどい出来で、ふたりはふたたび怒りに燃えることとなり、お決まりのゲームへの罵詈雑言をカルキン氏も披露。最後はこれらのゲームをもっとも楽しむ方法を紹介して終了する。
カルキン氏は『ホームアローン』や『マイ・ガール』のヒットで一躍有名となり、子役としてのスターダムにのし上がったが94年に引退。子役として活動した7年間で15本の映画に出演した。その後はハイスクールに通い、結婚歴もある。
2003年からは俳優活動を再開。2004年にマリファナなどの薬物所持で逮捕されたが、そのあと本格的に俳優業に復帰。2012年にはアメリカのロックバンドthe Velvet UndergroundのパロディバンドThe Pizza Undergroundを結成。2019年に公開予定の監督兼俳優のセス・グリーン氏のコメディ映画『Changeland』にも出演している。
俳優だけでなく、カルキン氏は執筆や音楽活動も積極的に行っている。2018年にはコメディウェブサイト「BunnyEars.com」を立ち上げた。Bunnyears.comでは、現在カルキン氏のミドルネームであるCarsonを別のものへと変更する投票を行っている。12月18日時点でもっとも多いのは「マコーレー・カルキン」。これが採用された場合、彼の本名はマコーレー・マコーレー・カルキン・カルキンとなる。
We did the thing! (Played Home Alone video games, you weirdos!)
— Macaulay Culkin (@IncredibleCulk) December 16, 2018
Thanks for a great time @cinemassacre#AVGNvBE https://t.co/aBElhkpmBl pic.twitter.com/q0F1oBlI7R
なお今回カルキン氏は「AVGN」の他にも、ゲームオタク役のジェームズロルフ氏らがもっと自然にゲームをプレイする姿を収録した「James & Mike Mondays」シリーズにも出演している。
日本では死亡説まで出たマコーレカルキン氏だが、現在はさまざまな活動を通して元気な姿を見せている。2019年には映画の出演も決定しており、今後もさまざまな形でカルキン氏を見ることになるだろう。
文/古嶋誉幸