爆弾AI教育アドベンチャーゲーム『リトルボムガール』がiOSとAndroidで配信開始。少女型の爆弾を育成せよ

 未来人に仕送りするゲーム『TimeMachine』や、地球最後のパン屋を描いた『ポストアポカリプスベーカリー』など、SFを題材としながらユニークな作風で知られる「合同会社ズィーマ」こと、ゲームクリエイターのじぃーま氏の新作『リトルボムガール』の配信がiOSとAndroidで開始された。

 本作は少女を模した爆弾のAIを教育する「爆弾教育アドベンチャー」だ。主人公はある政府から「爆弾の教育係」という不可思議な仕事を任された主人公。どうやらこの爆弾――「イオンビーム加速式プラズマ核融合爆弾」は、不安定な存在で、さらにAIによる制御がないと十分な威力を発揮できない存在らしい。そこで主人公は爆弾の少女に、人間社会の成り立ち、爆弾の仕組みや雑学を通じて教育を施していく。

 政府から定期的に実施されるテストを合格しなければ、少女はすぐに敵地に投下されてしまう。教育を通じて、スケジュール期間内に爆弾の威力をあげて、テストを乗り越え、より強力な爆弾にアップグレードしていくのが目的だ。

 彼女は人間味溢れるキャラクターだが、いずれは爆弾としての本来の役割を果たすために、敵地に投下される悲しい運命にある。ここは心を鬼にしてプロの爆弾であることを自覚させるのか、それとも残された時間だけでも人間として扱って愛情を注いでやるのか。本作は破壊力を表す「爆弾力」以外にも、「ラブ度」「人間性」というステータスも存在しており、どういった項目を重視するかはプレイヤー次第だ。

 また彼女の教育を通じて、説明されていない世界観が明らかになってくる。この世界の情勢はどうなっているのか、主人公や少女は何者なのか、爆弾は何のために作られたのか、この場所は何なのか、そのような謎めいた物語の背景が徐々に明らかになってくるのが本作の醍醐味のひとつ。そもそも爆弾は人類にとって必要な存在なのだろうか。本作は自爆テロや、核抑止力といったテーマすら内包しているといえるだろう。

 愛着が沸けば沸くほど、爆弾の威力を高めようとするプレイヤーの行為は罪悪感で苦しくなってくるかもしれない。とはいえ本作は重苦しいゲームでは決してない。少し天然な爆弾少女のAIや、主人公のアドバイザーである「AIハイパバイザ」とのユーモラスは掛け合いは絶妙で、基本的には明るく楽しい作風のゲームである。

 本作は基本無料で、定期テストを終了後に広告の動画が流れる形をとっている。また広告を見るのが嫌だという人にも、課金で広告がオフにできる機能や、ゲームが有利になる課金がある。とはいえ、課金しないとエンディングに到達できないというわけではなく、無課金でも、しっかりプレイすれば十分にエンディングに到達できるバランスになっている。

 ただし、本作はマルチエンディングであり、自分が望んでいるエンディングやコンプリートを目指そうとするなら、課金したほうが時間の節約になりそうだ。じぃーま氏の過去作品同様にこの『リトルボムガール』もクオリティの高いゲームに仕上がっているので、一風変わったゲームを探しているなら、プレイしてみてはいかがだろうか。

ライター/福山幸司

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ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
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