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原作ディレクターのプラチナ神谷氏も参加、『バイオ RE:2』座談会の貴重映像が公開。オリジナル版の開発秘話やリメイク版の裏話が多数

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 『バイオハザード RE:2』(以下、RE:2)の開発者・座談会ムービーのPart3が公開された。映像ではエグゼクティブ・プロデューサーの竹内潤氏、ディレクターの門井一憲氏安保康弘氏に加えて、スペシャルゲストとしてプラチナゲームズ所属、オリジナル版の『バイオハザード2』(以下、バイオ2)でディレクターを務めた神谷英樹氏がスペシャルゲストとして登場。思い出話に花を咲かせている。

https://twitter.com/PG_kamiya/status/1105681432339341312

 実はこの座談会に参加した4人は、原点である第一作『バイオハザード』(以下、バイオ1)にもスタッフとして携わっている共通のメンバー。竹内氏は『バイオ1』でキャラクターモデルとモーションデザイン、『バイオ2』でモーションデザインを担当。安保氏は『バイオ1』と『バイオ2』でプログラムに参加。門井氏は『バイオ1』で企画。神谷氏が『バイオ1』で企画、『バイオ2』でディレクションを務めている。このようなことから当時の事情に誰よりも詳しいメンバーが集まっており、初めて明かされた制作秘話や、オリジナルと『RE:2』の違いなどにも触れられている。

 たとえば、原作と『RE:2』で違う植物クリーチャーのイビー。原作ではゲーム終盤のアンブレラの研究施設に登場し、通常の弾丸では耐久力が高く、火炎放射器を使わないとなかなか倒せない強敵だ。しかし今回、植物がそのまま歩行して歩くとコメディっぽくなってしまうので採用に到らず。『RE:2』では人間が種子を受け付けられた新生イビーとして登場している。

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(画像はYouTube | 『バイオハザード RE:2』座談会 Part3より)

 また原作の公式ガイドブックには、神谷氏が『バイオ2』の裏設定を明かすコーナーがあった。そこでレオンがゲーム当初に制服を着ていたのは、恋人と別れたショックで酒を飲んで遅刻しており、その途中のモーテルで着替えたとあったが、実はこれは当時の神谷氏の境遇がシンクロしていたのではないかとイジられている。なお、『RE:2』のレオンは、制服ではなく私服から始まり、原作を知っているプレイヤーからすると意表をつく展開となっている。

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(画像はYouTube | 『バイオハザード RE:2』座談会 Part3より)

 ほかにも安保氏が『バイオ1』でナイフのタメ攻撃を提案していたことや、ナイフクリアを目指してプレイしたエピソードが明かされている。『バイオハザード』シリーズでナイフクリアというのは一種のプレイヤー側から生まれたチャレンジだと思われていたが、開発者側ですでに想定していたが伺える貴重な証言だろう。

 また『バイオ2』の前身にあたる『バイオハザード1.5』(以下、バイオ1.5)でゾンビの死体を残るアイディアがあったが、ゾンビの表示処理によって断念。ゾンビを倒したとしても、部屋を移動するとゾンビの死体は消えるようになった。しかし今回の『RE:2』では、その死体がしっかりと残る構想が実現。死体が残ることによってゾンビなのか死体なのか一見して判断できず、恐怖感が倍増しており、神谷氏はこのゲームデザインを賞賛している。

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(画像はYouTube | 『バイオハザード RE:2』座談会 Part3より)

 また神谷氏はシナリオライターである故・杉村升氏についても言及。杉村氏は『バイオ2』、『バイオハザード CODE:Veronica』などカプコンの多くの作品に携わっている。杉村氏は、テレビドラマ・特撮をメインに活躍していた人物だ。『バイオ2』が『バイオ1.5』として頓挫したときに、外部ライターとして岡本吉起氏からの繋がりで招聘された。『バイオ2』のシナリオにテコ入れをし、『バイオ1』で門井氏が発案していたエイダを『バイオ2』で復活させるなど、シナリオのプロ目線からさまざまな変革を行った。

 神谷氏は歳の離れた杉村氏の人望と熱意に心を打たれたようで、しばしばTwitterでも感謝の気持ちをツイートしている。しかし杉村氏は2005年に、56歳で急性心不全により急逝。今回の座談会でも神谷氏は、「同じ目線で話してくれる人、僕ら以上に『バイオ』シリーズに愛が深い」と杉村氏についての想いを口にしている。

 『バイオ1』では一人のユーザーとしてプレイし、熱心に『バイオ2』に携わることになった杉村氏のように、当時『バイオ2』をプレイした人が、現在の『バイオRE:2』のスタッフとして支えていると門井氏。開発者からユーザーへ、ユーザーから開発者へと想いは受け継がれていくことがわかる、感動的な座談会になっている。

ライター/福山幸司

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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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