ValveはAndroid向けにベータ版を提供しているアプリ「Steam Link」にて、新サービス「Steam Link Anywere」のテストを開始した。ベータビルド688にて実装されており、利用方法は公式フォーラムのトピックにて確認できる。
本来のSteam Linkでは、PC上のSteamで動作しているゲームを家庭内などのローカルネットワークを通じてスマートフォンやタブレットでプレイできる。これに対し新サービスでは、条件さえ満たせば、ローカルネットワーク外にあるどこのPCからでもゲームをストリーミングプレイすることが可能とされている。
つまりプレイヤーは、家にあるPC上で動作しているゲームを、外出先のスマートフォンでストリーミングプレイできるということだ。
ただし「Steam Link Anywhere」はコンピューター側の上り回線速度とスマホなどのデバイス側のネットワーク回線が適切なコンディションである必要がある。また早期ベータ版でのテスト中となっており、今後さらなるサービス改善に務めることが明らかにされている。現時点では推奨の回線速度も示されていないことから、どのような帯域や環境下であれば適切に動作するか、どうすればプレイ体験が改善されるのかを模索しているような段階だと考えられる。
2015年に発表された「Staem Link」は、もとはValveによるストリーミングプレイ用のデバイスで、テレビ画面などに接続することによって親機のPCからゲームの映像を中継しプレイすることができる代物として販売されてきた。しかし2018年にValveはSteam Linkの販売を取りやめ、代わりにアプリ版となる「Steam Link」を無償で提供している。現在はAndorid版でベータテストが実施されており、iOSでの配信は未定となっている。
近年はMicrosoftの「Project xCloud」や、あるいはGoogleの「Project Stream」など、デバイスを問わずにゲームをプレイするゲームストリーミング技術を各社が公表している状況となっている。家の外でスマホからトリプルA級ゲームをといった遊び方が、将来的に定着する可能性がある。
文/ishigenn