三重県伊賀市の山道には、なぜか「ソニック」のオブジェが置かれている。この謎が海外で反響を呼び、海の向こうから観光に来るといった事態も起きている。
ソニックのオブジェが置かれているのは、県道39号線沿いにある「小寺山道」と書かれた看板の近く。木に大きなソニックがくくりつけられており、周囲にはほとんど木々などしかないこともあって異様に目立つのが特徴だ。
ことの発端は、2015年にとあるバイカーがTwitterでこの像の画像を投稿したことにさかのぼる。海外のソニック愛好家たちがその画像を発見し、「いったいどこにあるオブジェなのか?」と場所を調べようと結託。2009年に投稿された日本のブログ記事と、バイカーの当時のツイートからツーリングルートを模索したものの、網目のような山道からGoogleマップを使ってもなかなか発見できなかったという。しかし2018年3月、ついにその場所がひとりのファンによって発見された。
この顛末をYouTubeチャンネル「Badnik Mechanic」が2019年2月に投稿した「山のなかにソニックのオブジェがある謎が解き明かされた!」(The Mystery of The Sonic Statue in The Mountains Revealed!)という動画で解説。10年以上前から存在しているこの像が、大阪門真にある「SEGA World」にて飾られていたものの、リニューアルによって撤去されたのではないかという推理も紹介した。この投稿から「三重にあるソニックの謎」の注目度が海外で急激に高まったわけである。
※3月に投稿された「三重県のソニック」に関するさらなる続報。
現在はGoogleMapに「ソニックのオブジェ」という名前で像の位置が登録されており、ここ1ヶ月ほどで英語圏のユーザーからたくさんのクチコミが寄せられている。ソニックのオブジェの存在を確認しに行ったファンも登場し、三重県のソニックの謎を追求するコミュニティの熱は冷めそうにない。
また、ファンたちは歴史的な観点と窃盗される可能性を考慮して保全を進めることができないかとも模索している。2019年3月28日にソニック・ザ・ヘッジホッグ公式YouTubeアカウントで実施された生放送では、「Save the Sonic statue」という書き込みがたくさん寄せられることになり、結果、Sega of Americaから日本のセガゲームスにこの件を問い合わせることになった。
三重県の山中になぜかソニックがいること自体にも驚くが、それを海外のソニックファンが知り公式をも動かす事態になっていくのもまた興味深い話である。はたして山の中のソニックはどのような結末を迎えるのだろうか。
ライター/渡邉卓也