スクウェア・エニックスは、「スマートフォン向け『ドラゴンクエスト』新作発表会」にて、シリーズ最新作『ドラゴンクエスト ウォーク』(以下、『ドラクエ ウォーク』)を正式発表した。
同作はiPhoneとAndroid端末向けに2019年配信予定。基本プレイ無料のアイテム課金型だ。プレイヤーが町に繰り出しモンスターたちが各地に出現、クエストの目的地を自分で設定してクリアしていく内容となり、堀井雄二氏やプロデューサーの柴貴正氏は『Pokémon GO』のゲームデザインに『ドラゴンクエスト』を落とし込んだような情報位置ゲームになると伝えた。
公開された映像では日本各地の実際の風景を背景に、スライムやゴーレム、トロルや大王イカなどのモンスターにくわえて、ロトの剣や、魔法のじゅうたんなどゲームに登場するアイテムが、現実の風景に溶け込むのように登場。「さあ、ぼうけんにでかけよう」、「キミが歩けば世界が変わる」、「日本中がドラクエになる」という謳い文句が並んだ。
『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親・堀井雄二氏と、『ドラゴンクエストウォーク』のプロデューサー・柴貴正氏が登壇し、開発は『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』や『白猫プロジェクト』のコロプラが制作していることを明かした。マスコットキャラクターはコンパスを持ったスライムで、名前は「スラミチ」。どうやら主人公の相棒的存在のようだ。
また堀井氏は『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』のときに携帯機にすれちがい通信で外に出かけていたが、それと同じように町にスマートフォンを持って町で冒険して欲しいとコメント。三年前に『ポケモンGO』が流行っているときに企画に着手したという。『ドラクエ』の位置情報ゲームが合わされば、『Pokémon GO』とは違ったゲームができると思ったという。
実際のゲームでは、従来の位置情報ゲームのように現実の地図がゲームに落とし込まれている。しかし都市の風景ではなく、森や芝生がある『ドラゴンクエスト』のファンタジー世界のようなフィールド画面で構築されている。
フィールドではシンボルエンカウントのようにモンスターをタップすることで戦闘に入ることができ、戦闘に勝つと経験値とゴールドが手に入り、キャラクターがレベルアップする。フィールドや戦闘では『ドラゴンクエストIII』の楽曲「戦闘のテーマ」や「冒険の旅」が使われ、位置情報ゲームながら、確かに『ドラゴンクエスト』をプレイしている気分を盛り上げてくれる。モンスターを倒すと図鑑があり、コレクションできる要素もあるようだ。
さらにフィールド画面から「クエスト」を選択でき、ストーリーモードのようなものがあるようだ。クエストごとに「第1章 新たな世界への旅立ち」などの名前がついており、「導きのかけら」と呼ばれる石を使って、物語を開放していく必要があるようだ。クエストが始まると、スラミチと町のおばあさんの会話がはじまり、「コンパスが指し示した方向へ向かおう」といった目的を達成していく。位置情報ゲームとはいえ、『ドラゴンクエスト』らしいストーリーも重視した方針が垣間見える。
位置情報ゲームとして特徴的なのが、「目的地システム」というものがあり、プレイヤー自身で目的を設定できる。目的地では様々なイベントが発生。普段の日常のペースでプレイしつつ、日常の風景がドラゴンクエストの世界に変わるのが体感できるのが、この目的地システムの肝だという。
また他にも東京タワーや金閣寺など、各地の名所がランドーマークとして登場し、その場所限定のクエストが解放されるという。ご当地クエストのようなもので、そのランドマークにゆかりのあるクエストがあるとのこと。また「自宅システム」では、地図上から自由に自宅を設定。家具でカスタムしつつ、他の人の家を訪れることもできる。家にはアイテムが落ちていたり、「おでかけボーナス」として歩いた距離や戦闘などでポイントが手に入り、家のランクアップができるようになる。
6月11日からは『ドラゴンクエストウォーク』ベータ版の体験会が開催予定。関東地方の18歳以上限定で、応募制となる。iOS、Android、各1万名を限定とのこと。詳しくは公式サイトを確認して欲しい。
またエグゼクティブ・プロデューサーである三宅有氏は、ここ1年のシリーズの展開を振り返り、既存のスマートフォン向け『ドラクエ』タイトルの運営を今後も続けていくことを約束。さらに堀井雄二氏とともに『ドラゴンクエスト XII』の準備に現在着手しているという発言も飛び出した。三宅氏は『ドラゴンクエスト XII』の情報に関して、今しばらく待ってほしいと説明しており、こちらの続報も今後期待したい。
ライター/福山幸司