世界最大級となるリアルタイムアタック(RTA)【※】の祭典「Games Done Quick」(以下、GDQ)。その夏季イベントとなる「Summer Games Done Quick」(以下、SGDQ)が、日本時間6月24日午前1時30分よりスタートする。30日の午後3時過ぎまで1週間、100タイトル以上のゲームのRTAが披露される。
※RTAとはゲームをどれだけ早くクリアするかを競う遊び方。リアルタイムアタックという通り、人間のプレイヤーが実機やエミュレーターなどで実際にゲームをプレイして競う。
GDQは夏の「SGDQ」と冬の「AGDQ」(Awesome Games Done Quick)によって構成されているRTAイベント。ランナーが交代で24時間止まることなくRTAに挑戦し、その様子がライブストリーミングで世界中に配信される。
ゲームのRTAだけではなく、「AGDQ 2019」では目隠しをしたまま『ファイナルファンタジー IX』を攻略する人物が登場したり、「SGDQ 2016」では海外で知名度の低い『ペプシマン』のコスプレをした人物が会場を盛り上げるなど、魅せプレイが披露されることも少なくない。
ゲームのジャンルやプラットフォームはさまざまで、「SGDQ 2019」では古いものでは『Castlevania』(悪魔城ドラキュラ)から『キングダムハーツIII』のような新作まで。また、目標クリアタイムでは、『マーブルマッドネス』のように5分以内で終わるものから『クロノトリガー』のように6時間掛けるゲームまでリストされている。
このほか、ゲームが明かされていない「Bonus Game」、人間の代わりにブログラムがゲームを解く「TASBot plays」といった変わり種も用意されている。
※Twitch Conで行われたGDQxでの「TASBot Plays Super Mario 64」の様子。
現地のイベントに参加できなくても、「GDQ」はTwitchの公式チャンネルでストリーミングされる。また開催団体から公認された「Japanese Restream」によるリストリーミングもあり、日本語での解説も行われる。
競技タイトルとランナーのスケジュールも発表されており、公式サイトで確認可能。時刻はアクセスしている地域のタイムゾーンに合わせて変更されているので、表示される時間は全て日本時間になっている。ゲームのタイトルの下に「Any%」や「All Bosses」といった文字が書かれているが、これはRTAのルールを示している。もっともよく見かけるAny%はどんな手を使っても早く解くルールで、ゲームによって意味合いは少しずつ異なるが、一般的にバグの利用も容認される。
なおリストリーミングを担当する「Japanese Restream」は現在も「SGDQ 2019」に向けたボランティアを募集しているので、イベントを手伝いたいと思う方はぜひ応募を検討してほしい。
6月24日から始まるSGDQ2019のリストリームのボランティアを募集しています
— JapaneseRestream (@JapanRestream) May 12, 2019
日本語スケジュール:https://t.co/993jxh0rgh
解説応募フォーム:https://t.co/bQi4MlKR3g
ボランティア応募フォーム:https://t.co/81SLmg8QHi
「GDQ」は国境なき医師団とがん予防基金(Prevent Cancer Foundation)を支援するチャリティイベントとしての側面もあり、世界中から多額の募金が行われている。「SGDQ」の寄付は国境なき医師団、「AGDQ」の寄付はがん予防基金へと送られる。「SGDQ 2018」では2億3000万円以上の寄付金が集まった。「AGDQ 2018」でも2億円以上の寄付が集まり、年間4億円以上の寄付を集める巨大イベントへと成長。ゲームによっては募金額でゲームのクリア条件が変動するなど、現地にいない視聴者が参加できるイベントと言う意味合いもあり、寄付額は年々増え続けている。
平日かつ深夜のスタートということで、ストリーミングであっても日本からの参加はなかなか難しいかもしれないが、GDQではイベントの様子をYouTubeとTwitchでアーカイブされているので、残念ながら学校や仕事で見られない場合も後から見返すことが出来る。見たい競技があってもスケジュールが合わない場合はそちらで公開されるのを待ってほしい。また当日は、電ファミニコゲーマーのDiscordサーバーにおける「?sgdq-2019-実況」チャンネルで実況チャットを実施予定だ。
ライター/古嶋誉幸