Studio MDHRは、同社の2Dアクションゲーム『Cuphead』のアニメ化を発表した。タイトルは『The Cuphead Show!』。Netflixオリジナル作品として、Netflixと『ポパイ』や『フラッシュ・ゴードン』の権利を持つKing Features Syndicateの3社が共同で開発する。アニメーション制作はNetflix Animationが担当する。公開時期は未定。
Coming to you in full color and cine-sound, it's…The Cuphead Show! Witness the wondrous Inkwell Isles as you've never seen them before in an original series inspired by classic animation styles of the 1930s. Now in production by the talented team at @Netflix Animation! pic.twitter.com/4xA59eVLra
— Studio MDHR (@StudioMDHR) July 9, 2019
『Cuphead』は2017年に発売された2Dアクションゲーム。1930年代のカートゥーンから影響を受けた手書きのアニメ調グラフィックやジャズ・ブルースのサウンド、見た目だけではない手強い難易度で多くのファンを生んだ。
主人公はインクウェル島に住むカップヘッドとマグマン兄弟。ある日ふたりはケトル爺さんの言いつけを破り、デビルが経営するカジノへと足を踏み入れてしまう。デビルとの魂を賭けたギャンブルで負けてしまい、自分たちの魂を取られる代わりに別の債務者の魂を集めることになる。ゲームのキャッチコピーは「Don’t Deal with the Devil」(悪魔と取引するな)。見た目はコミカルだが、賭け事や悪魔との取引、債務者同士が殺し合うといったテーマはなかなか重い。
海外メディアIGNが行ったMDHRへのインタビューによれば、アニメ版『Cuphead』はカップヘッドとマグマンの物語を描くが、ゲームのストーリーを再演することは無いという。アニメは「Don’t Deal with the Devil」とは異なるものを追求し、ゲームとアニメが直接的に交わることはない。大人も子供も楽しめる懐の深さがあるコメディ・アドベンチャーを目指す。
アニメの製作にはMDHRのチャド・モルデンハウアー氏とジャレッド・モルデンハウアー氏がエグゼクティブプロデューサーを務め、2013年から6年間放送され続けている短編アニメ『ミッキーマウス!』の監督と脚本を務めるデイブ・ワッソン氏、90年代に放送された『ロッコーのモダンライフ』を現代に復活させた『Rocko’s Modern Life: Static Cling』の脚本を担当したコスモ・シガーソン氏もアニメ製作に参加する。
『The Cuphead Show!』がどのようなアニメになるかは、製作が始まったばかりなのでまだ見えてこない。参考になるのは『ミッキーマウス!』だろう。こちらは『Cuphead』が目指す1930年代のアニメーションとはアートスタイルが大きく異なるが、ミッキーと仲間たちが繰り広げるスラップスティック・コメディは『Cuphead』の雰囲気に通ずるものがある。
発売から2年で『Cuphead』は400万本を販売した。Funkoからはフィギュアがリリースされるなど、グッズの展開も行われている。そして、アニメに影響を受けたゲームが『The Cuphead Show!』としてアニメになる。2020年にはDLC『The Delicious Last Course』のリリースも控えている。成長を続ける作品だが、アニメ化はひとつのマイルストーンと言えるだろう。
ライター/古嶋誉幸