ゲーム早解きイベント「AGDQ 2020」にて、ニンテンドーゲームキューブ用ソフト『スーパーモンキーボール』のスピードランが披露された。ルールは「全ての難易度・エクストラ無し・ワープ無し」でクリア。ランナーはこのルールで現在世界2位のHelix氏。
日本語リストリーミングでの解説は、昨年年末に行われた「RTA in Japan 2019」でXbox版ソフト『スーパーモンキーボールデラックス』(2005)のスピードランに挑戦し、数々の名プレイを見せてくれたゆとりん氏が担当した。
『スーパーモンキーボール』は2001年にニンテンドーゲームキューブでリリースされたアクションゲームだ。サルが入ったボールを転がしてステージを走り、ゴールテープを目指す。キャラクターではなくステージを転がし、ボールが転がるだけあって慣性が働くため、通常の移動も難しい。
高低差や可動ギミックも多く、特にゲーム後半は難所の連続だ。スピードランどころかただクリアするだけでも熟練したテクニックを必要とする。アーケードゲーム『モンキーボール』の移植作だけあってゲームの難易度は高い。
操作できるサルは全部で4匹。キャラクターごとに性能差は無いが、体の大きさが違うため、視認性が異なる。Helix氏はキャラクターが最も小さいベイビーを使っている。
ステージをスタートする前からスピードランは始まっている。スティックを斜め上に入れたままステージを始めるとただ上に入れたまま始めるより早くスタートできるという。また、一度ステージに入った後ロードし直すと、ロード時間が0.5秒ほど短縮になるという。
ゲームで最も重要なテクニックのひとつは、ポーズバッファと呼ばれるテクニックだ。特定のフレームでポーズし、ニンテンドーゲームキューブのコントローラーのスティックに刻まれた溝を利用して、特定の操作をすることでTAS【※】のルートを再現することができる。
※TAS(ツールアシステッドスピードラン)。エミュレータを利用してそのゲームの理論上の最速、最高効率のクリアを目指す試み。
ポーズを使ったテクニックは「タイミングさえ覚えれば誰でもできる」というが、一朝一夕には難しいことは想像に難くない。例え覚えたとしても次に待ち受けるのはプレイヤーの能力を存分に試すステージだ。裏技は使えない。純粋な『スーパーモンキーボール』人間力が試される。
もしどうしてもゲームがクリアできない、という場合はグリッチを利用して全てのステージをクリアした扱いにすることもできる。ある操作を使ってステージ1をタイムアウト後にクリアーすることで利用できる。詳しくは下記の動画を参照して欲しい。
短いステージに区切られ、ダイナミックな動作と挑戦が次々現れる『スーパーモンキーボール』スピードランは、「AGDQ 2020」でも誰もが楽しめ見応えのあるスピードランだと言えるだろう。
ライター/古嶋誉幸