【更新 2020/02/25 18:30】 記事初版にて記事タイトルを「『Cyberpunk 2077』、『The Witcher 3』のCD PROJEKTの時価総額が8866億ドルを超える」としていましたが、正しくは8866億円でした。訂正しお詫び申し上げます。
『Cyberpunk 2077』、『The Witcher』シリーズを手掛けたポーランドのデベロッパーとして知られるCD PROJEKT。同社グループ全体の時価総額が80億ドル(約8866億円)を超えたことが、海外フォーラムRedditのユーザーにより報告された。ヨーロッパのゲーム関連企業としてはUbisoftの時価総額【※】の95億ドルに次ぐ2番目の規模だという。
※企業の時価総額とは企業の市場価値を示したもの。一般に企業の株価と発行済株式数を掛けたものを指す。利益を生む力や将来の成長性、あるいは企業買収における買収総額の目安ともなる。ただし株価と連動するため変動が大きいことに注意が必要。
ブルームバーグによれば、記事執筆時点でのCD PROJEKTの時価総額は72億6500万ユーロ(約8662億)、Ubisoftの時価総額は89億7300万ユーロ(約1兆790億円)となっている。
CD PROJEKTはゲームの開発だけでなく、ゲームダウンロード販売サイトGOG.comを運営するGOG sp. z o.o.を傘下に置いている。時価総額は自社ゲームの販売だけで無くほかのビジネスを含めたものだ。
2019年末、CD PROJEKTの株価が2009年の210倍に急成長を遂げたことが報じられたが、当時の時価総額は68億ドル(約7536億円)。わずか2ヶ月ほどでさらに1000億円以上の成長を遂げた事がわかる。
この急成長の大きな要因として、Netflixで公開されたドラマ版『ウィッチャー』の存在は無視できないだろう。ドラマ版の成功により『The Witcher』シリーズのSteamでの同時接続数が2015年の発売当時の人数を超えた。調査会社によると、ドラマ効果によって物理版のみの集計で『The Witcher 3: Wild Hunt』の売り上げは前年の同月比で5倍になったという。
CD PROJEKTのIR情報を発信するTwitterアカウントでは、2018年10月1日から2月20日までの集計で、『The Witcher 3: Wild Hunt』のSteamでの売り上げが5000万ドルを超えたことが発表された。これにより、Steamでの利益配分率は30:70から20:80に変更されることが明らかになっている。
The accumulated revenue from sales of The Witcher 3 on @Steam platform for the period of time between October 1st 2018 and today has exceeded 50M USD. As a result, we are now getting 80% on any subsequent sales of TW3 on Steam.
— CD PROJEKT IR (@CDPROJEKTRED_IR) February 20, 2020
Thank you all for your support! pic.twitter.com/JgNgrrI5h0
一方、延期が発表された『Cyberpunk 2077』はNVIDIAとの協力を発表し、世界に200台しかない「GeForce RTX 2080 Ti Cyberpunk 2077 Edition」を製作。キャンペーンの応募者の中から幸運な人々にプレゼントされる予定だ。
Introducing the GeForce RTX 2080 Ti Cyberpunk 2077 Edition.
— NVIDIA GeForce (@NVIDIAGeForce) February 17, 2020
We made 77 for our community.
Want one? Here's how:
1. RT this video.
2. Tag a gamer who is as excited as you about Cyberpunk 2077 in the replies with #RTXOn
3. If selected, you BOTH win these limited edition GPUs! pic.twitter.com/IG2BZZCZ6H
NVIDIAが運営するクラウドゲーミングサービスGeForce NOWでは、発売初日から『Cyberpunk 2077』にアクセスできることを発表。Steam版『Cyberpunk 2077』を購入したGeForce NOWメンバーは、RTXを適用した最高の状態のゲームをクラウドゲーミングで楽しむことができる。
通常ゲームの延期発表は株価にもマイナスで反映されがちだが、前述の『The Witcher』シリーズの成功や『Cyberpunk 2077』のコラボレーションによってマイナスイメージが払拭されているようだ。急成長を続けポーランドを代表する企業にまで成長したCD PROJEKTは、ついにヨーロッパを代表する企業に成長を遂げた。
ライター/古嶋誉幸