現地時間2月27日より開催中のイベント「PAX East」にて、Larian Studiosが開発する『Baldur’s Gate 3』の初となるゲームプレイ映像が公開された。壮大な物語の始まりを告げるオープニングシネマや、ハプニング満載の実ゲームプレイが披露されている。
海外メディアPC Gamerによれば、本作はまずアーリーアクセス版が配信されるという。Larian Studiosはリリース日を発表していないが、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のWizards of the Coast社を傘下に持つハスブロは、本作が2020年中にはリリースされるとしている。
ナンバリングタイトルとしては『Baldur’s Gate II: Throne of Bhaal』から約20年ぶりの新作となる『Baldur’s Gate 3』。その見た目はLarian Studiosがこれまで開発してきた『Divinity: Original Sin』シリーズとよく似ている印象だ。
これまでの『Baldur’s Gate』シリーズは半リアルタイムの戦闘で、プレイヤーは任意のタイミングでゲームの時間を止めることができ、時間停止中に作戦を立てたり、キャラクタの使用する魔法やその投射方向を選び、移動する場所を指示するシステムだった。
一方の最新作『Baldur’s Gate 3』は、『Divinity: Original Sin』と同様に純粋なターンベースの戦闘に変更されている。海外メディアUSGamerがデザインプロデューサーのデビッド・ウォルグレイブに行ったインタビューでは、ターンベース戦闘であるTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をベースにした作品で、これまでターンベース戦闘を洗練させてきたLarianの手法を使うことは理にかなっていると語られている。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のルールセットを導入するため、戦闘設計はこれまでの作品とは大きく異なるという。
そして『Baldur’s Gate 3』と『Divinity: Original Sin』シリーズの戦闘の大きな違いは、行動の成否をダイスで決める部分だ。公開されたゲームプレイ映像では、勝利まであと一歩というところでクリティカルミスを引き当てパーティが全滅し、最初からやり直すというハプニングも起きた。
ダイスの出目によってどんなに練り上げた作戦でも台無しになるのは、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のルールを利用する『Baldur’s Gate 3』の特徴といえるだろう。
なお、戦闘の場面以外でもターンベース状態にすることが可能で、これを利用してうまくステルスしたり、ものを盗んだり、戦闘が始まる前にキャラクターを所定の位置まで移動させることもできるという。
キャラクターの外見はプレイヤーが自由に作ることができるほか、あらかじめ用意されたオリジンキャラクターを選ぶこともできる。これは『Divinity: Original Sin 2』のオリジンシステムと同様のもので、オリジンキャラクターは固有のバックグラウンドやダイアログを持っている。
映像内で登場したのは、「吸血鬼のアスタリオン」と呼ばれるオリジンキャラクターで、彼はオープニングで植え付けられた「tadpole」(オタマジャクシ)と呼ばれている寄生虫の力で、流れる川を渡り太陽の下を歩く能力を身につけている。
また今作には『Dragon Age: Origins』のようなパーティキャンプシステムが採用されている。キャンプではパーティメンバーと交流ができるようで、行動の成否をダイスを振って判定する場面も見られた。
このほか、大胆な高低差を持ったマップはただ美しいだけでなく、ゲームプレイにも影響する。アスタリオンはフェザーフォールというスキルで通常なら落下死するような高さを飛び降りることができる。
ついにゲームプレイがお披露目となった『Baldur’s Gate 3』。前作から100年後の未来ということで前作までを知らない方も楽しめるだろう。文章量が膨大な事でも知られるシリーズのため、ぜひとも日本語版もリリースしてほしいところだ。
ライター/古嶋誉幸