スペインに拠点を置くゲーム開発社Endflameは、日本をテーマにしたホラーゲーム『Ikai』の体験版をItch.ioにて配布中だ。Steamストアページもオープンし、発売は2021年とされている。体験版、本編とも日本語にも対応。ただし、体験版の日本語字幕は機械翻訳のようだ。
『Ikai』の舞台は神が去り、もはや聖なる場所ではなくなったある神社だ。悪鬼妖怪からそこを守る巫女は、本来の役目を果たせなかった。プレイヤーはそんな巫女となり、生き残るために妖怪たちから逃れて役目を果たさなければならない。
ゲームの暗く写実的なグラフィックも恐ろしいが、それ以上に恐怖をあおるのが良質なサウンドエフェクトだ。歩くだけで響くギシギシという足音だけでも恐ろしく、霊障なのか家鳴りなのか分からない音におびえながら進むことになる。マップ内には茶器、絵馬などさまざまな物品が配置されており、これらの和風のアイテムは手に取ってさまざまな角度で見回すことができる。時にはそれが重要な発見に繫がるだろう。
ふすまや蓋はマウスジェスチャで開けるが、お札をマウスジェスチャで書くことがゲームの最も特徴的な部分だ。お札を書いている間もプレイヤーを脅かす存在は移動を続けており、できるだけ安全な場所を見つけることも重要。お札を書く方法は下書きに沿ってマウスを動かすだけなのだが、焦りもあってなかなかうまくいかない。
しゃがむことで足音を立てずに歩けるので、徘徊する人ならざるものに見つからないように移動し、安全な場所を見つけ呪いを解くためのお札を書く。彼らは人間に仇なし調伏すべき相手だが、どうやら好きでこの世に残り続けているわけではないようだ。異形が神社という神聖な場所にやってきたのは、彼らもまた救いを求めているからなのかもしれない。
ゲームのプレイ時間は15分ほど。純和風で写実的なグラフィックと歩くだけで怖くなるサウンドエフェクト、そして巫女ならではのお札という要素がおもしろい『Ikai』。そろそろ夏にさしかかり、ジャパニーズホラーが恋しくなる方も多いだろう。本作はそんな欲求に答えてくれるホラーゲームだ。ゲームに興味がある方は、まずは体験版をプレイしてみて欲しい。
ライター/古嶋誉幸