『No Man’s Sky』のHello Gamesは、「『No Man’s Sky』のような巨大で野心的なゲーム」を含む、シリーズ物ではない新しいプロジェクトを作り続けたいと、現地時間9月2日に掲載された海外メディアPolygonのインタビューにて語った。
1800京を越える星々が存在する広大な宇宙を旅する『No Man’s Sky』を製作したデベロッパーHello Gamesは、8月27日にアドベンチャーゲーム『The Last Campfire』をリリースした。
『No Man’s Sky』はファンの期待を煽りすぎた近年で誇大広告のもっとも有名な例として挙げられ、マーケティングの参考にもなった。しかし、4年の開発期間を経てマルチプレイやVRサポートなどを追加し続け、発売当初は批判だらけだったゲームの評価をひっくり返した。その功績はファンにも認められ、同社社屋の近くに「ありがとう、Hello Games」という看板が設置されるほどだ。
そんな巨大プロジェクトの次は、比較的小粒な『The Last Campfire』というのは驚いた方もいるかもしれない。しかし、前述の通りHello Gamesは巨大なプロジェクトも変わらず追い続けるようだ。
our community has bought the billboard outside our office to say Thank You
— Sean Murray (@NoMansSky) June 13, 2019
Oh. My. God.https://t.co/oGTjFI4WWG
Polygonのインタビューによると、スタジオの創設者であるショーン・マーレイ氏は独立前、いつも何かの続編ばかり作っていることに嫌気が差したという。それがHello Gamesを設立する理由となった。しかし、独立後に最初に取り組んだのは皮肉にも続編である「ジョー・デンジャー2」。氏はミドルエイジクライシスに陥りそうになりながら、最終的に『No Man’s Sky』に着手した。
スタジオ設立時はスタッフが6人。『No Man’s Sky』出荷時に15人。そして現在は26人が所属している。『The Last Campfire』に取り組んでいるのはその中のわずか3名だという。
マーレイ氏は『No Man’s Sky』リリース後にスタジオでメンタルに強いダメージを受けたスタッフがいたこと、そして自身も同じことは二度とやりたくないことを認めている。しかし、曲がりくねった道が最終的に何億時間もプレイされ、幸せなコミュニティに恵まれるゲームにたどり着いたことも認めている。
誰にも知られずにリリースするか、批判を受けても多くの人に知ってもらうか。氏はソニーと契約を結び、通常のインディゲームとは全く異なる規模で露出したことも、正しかったのか否か分からないと答えている。
現在Hello Gamesは『No Man’s Sky』や『The Last Campfire』のアップデートとともに、前述の巨大で野心的なプロジェクトに取り組んでいる。それがどんな作品になるかはまだ明かされていないが、『No Man’s Sky 2』でないことは間違いない。
マーケティングの失敗の有名な例となったHello Gamesだが、マーケティングが失敗しても少しずつファンに受け入れられるゲームを作ることができるという例としても有名だ。はたして、彼らが作り新たなゲームはどのようなものになるだろうか。