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サッカーパンチは他国の歴史を描く『ゴースト・オブ・ツシマ』のアイデアに自信が無かった。「西洋人が作ったことを偽らず最高のものを」というSIE吉田修平氏の激励が背中を押す

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 9月12日から開催されているゲームイベント「PAX Online」にて、サッカーパンチ・プロダクションズ共同創設者兼プロデューサーのブライアン・フレミング氏が『ゴースト・オブ・ツシマ』の開発について語るパネルが配信された。

 そのなかでサッカーパンチは、もともと他国の文化と歴史をテーマにしたゲームをほかの国の人間が描くことに自信がなかったと語った。そんな開発チームの背中を押したのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ(SIEワールドワイド・スタジオ) プレジデントを務める吉田修平氏だったという。

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(画像はPlayStation.com 『ゴースト・オブ・ツシマ』公式ページより)

 特にサッカーパンチのある米国など欧米圏では、異なる文化の引用が非常にナーバスな問題であることを知っている方も多いかもしれない。一歩でも間違えると「文化の盗用」だとバッシングを受けることになる。

 そのため、最初はサッカーパンチの中でも『ゴースト・オブ・ツシマ』のプロジェクトを知るスタッフは6、7名だけだったという。そんな不安の中で、吉田氏とゲームについて話し合うことになった。

 フレミング氏は、そのときの話し合いの中での吉田氏の発言を紹介している。「このゲームが西洋のチームによって開発されたことを騙すことはできないでしょう。しかし、あなたの周りにあるリソース、ソニー内外のリソースを利用して成功させることはできます」。また、「あなたの目標は自分自身を偽ることではなく、最高の自分自身になることです。この旅に出れば、きっと上手くやれます」とも語ってくれたという。

 この言葉を受け、サッカーパンチは異なる文化と時代である元寇を取り扱う『ゴースト・オブ・ツシマ』の開発に着手。SIEも開発を強力にバックアップした。

 実際に今年7月の海外メディアEurogamerのインタビューにて、フレミング氏はゲームの開発初期段階から日本のローカライズチームが参加し、翻訳だけでなくゲームのチェックやコンサルタントの紹介、日本への取材旅行の手配などを行ったことを明かした。氏はこれらの協力がゲームの素晴らしい日本描写につながったと語っている。

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(画像はPlayStation.com 『ゴースト・オブ・ツシマ』公式ページより)

 サッカーパンチは素晴らしい仕事をこなし、『ゴースト・オブ・ツシマ』は高い評価を受けた。商業的にも成功し、発売から3日間で全世界累計実売本数が240万本突破。SIEが発売した新規IPのPS4用タイトルとして過去最速の記録を達成する、吉田氏の読み通り大成功をおさめた(参考ツイート)。

 他国の文化を描くゲームが世界中で高い評価を受け大成功をおさめた裏には、サッカーパンチの努力と吉田氏ら多くの人々の協力があったのだ。

ライター/古嶋誉幸

ライター
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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros

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