ゲーム開発会社Dread Hunger Teamは、極限状態でのプレイヤー同士の協力と裏切りをテーマにした人狼風マルチプレイ協力ゲーム『Dread Hunger』のSteamストアページを開設した。2021年2月に発売予定で、価格は未定。
本作でプレイヤーたちは「北極探検隊」として、極寒の北極でほかのプレイヤーと協力しながら生き残りを目指す。ただし、探検隊の中にはふたりの裏切り者が紛れ込んでいる。彼らは悪魔を崇拝する人食い人種で、この北極探検隊の中で息を潜め、何も知らないプレイヤーを殺害する機会を虎視眈々とうかがっている。
プレイヤーたち北極探検隊の目標は、ほかのプレイヤーと協力して探検船のための石炭を見つけて航海を続けることだ。暖を取るためにたき火をし、オオカミのような危険な動物を撃退し、食料を得て生き延びなければならない。
ただし、つねに食料が見つかるわけではない。厳しい状況の中で、生き延びるために死んだ仲間の肉を口にせざるを得ない状況に陥ることもある。裏切り者だけでなく、環境もプレイヤーの敵として立ち塞がる。
ゲームには昼夜のサイクルがあるため、いつなにをするか計画を立てる必要がある。突然のホワイトアウトにも対処しなければならない。そんな極限状態の中で、探検隊に潜む裏切り者を見つけだすため、つねに他人の行動にも気を配らなければならない。
ともに行動する相手がはたして信用できるのか。疑いすぎては生き残れないが、疑わなさすぎても生き残れない。常に疑心暗鬼とも戦うことになる。
本作の舞台は19世紀で、ストアページでは1987年に書かれた船長の手記が公開されている。その内容から本作のストーリーは1845年、北極に向かってイングランドを出発した探検隊129人全員が北極のどこかへ姿を消した実在の事件「フランクリン遠征」をベースにしていると推察される。
長らく行方は分からなかったが、2014年と2016年に彼らが乗っていた2隻の船がそれぞれ発見されたことが報じられている。そんな痛ましい事件は、生き残りが誰ひとりとしていないため原因は完全には究明されていない。『Dread Hunger』は、この事件をテーマに人狼風のルールでまとめたゲームだといえるだろう。
ゲームを開発するDread Hunger Teamは公式ページやTwitterアカウントがなく正体不明だが、インディーゲーム専門サイトIndieDBのページでは、本作が「AJ_Quick」と名乗る人物によって制作されたことが記されている。AJ_Quick氏はゾンビと戦う協力プレイFPS『Killing Floor』のオリジナルとなるMOD版の主任開発者で、サメとダイバーが戦う非対称マルチプレイゲーム『Depth』の開発チームを率いたと自己紹介している。
よって本作を開発しているAJ_Quick氏とは、アレックス・クイック氏であるとみて間違いないだろう。氏の製作したマルチプレイゲームはどれも評価が高いため、本作にも期待できる。
極寒のサバイバルという極限状態に、さらに人間同士の疑心暗鬼の種までまかれた『Dread Hunger』は、実際にプレイするとつねに緊張感のある恐ろしい体験になるだろう。『Among Us』の大ヒットでさらに注目が集まる人狼ゲームジャンルに、サバイバルゲームまで足したハードコアなゲームが加わる。
ストアページを見る限り日本語には未対応となるようだが、ゲームに興味がある方はSteamのページでゲームをウィッシュリストに入れて続報を待って欲しい。
ライター/古嶋誉幸