スウェーデン在住のRTA走者Savestate氏は8月22日(日)、Wii用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズX』に収録された体験版を通じて、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のエンディング画面を5分以内に呼び出しクリアするスピードラン動画を公開した。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は、1998年にNINTENDO64向けに発売されたアクションアドベンチャー。ゲーム史上に残る傑作として語られることが多く世界中に根強いファン層を持つ本タイトルは、スピードランの競技対象としても人気を博している。
ゲームの平均クリア時間を集計し公開している海外サイト「How Long to Beat」によると、本作のメインストーリー攻略に要する時間は通常“26時間半”とされ、本稿執筆時点でのRTA最速記録はカナダを拠点とするPaintSkate8氏の“6分53秒”というタイム(レギュレーションは進行度を問わない「Any%」でグリッチも併用)。
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そんな『ゼルダの伝説 時のオカリナ』には体験版が存在しており、『大乱闘スマッシュブラザーズX』および続編作の『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』に収録された「名作トライアル」内の一本として、5分という限られた時間でのデモプレイが楽しめる。
この制限時間内にクリアを果たすという前人未到の偉業を成し遂げた背景にあるのは、主人公・リンクの子ども時代から始まるオリジナル版とは異なり、大人になった状態でスタートする体験版独自のセーブデータの存在だ。
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そうしたアドバンテージにくわえ、爆弾の爆発と同時に前転を行い後方への超速ホバー移動を可能にするグリッチを使用したSavestate氏は、開始地点の時の神殿からわずか1分でコキリの森に到着。すぐさま新たな爆弾を取り出し、自爆した爆風の勢いで迷いの森の入口へとショートカットを果たす。
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ここから先の動きは専門家のみぞ知る境地。魚を捕まえたかと思えば唐突に逃がし、茂みの落とし穴に飛び込んだり自爆を繰り返したりと、理解が追いつかない動きで何かを調整している様子のSavestate氏。さらには見えない“何か”を持ち上げるなど衝撃の光景が続く。
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すると突然、画面が赤く染まりスタッフロールが流れ始めた。思わず「ついにやったぜ!」と叫び満面の笑みを見せるSavestate氏。
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ここで捕捉が必要だろう。RTA動画の公開にあわせて投稿された氏の解説映像によれば、ギミックの発動やオブジェクトの移動を行い、ゲーム内に保持されたメモリ情報を所定の位置から置き換えて任意のコードを呼び出す「Stale Reference Manipulation(SRM)」というテクニックを使用してスタッフロール画面を召喚したとのことだ。
制限時間をギリギリ下回り達成したクリア記録は“4分52秒”。本RTA動画はYouTube上ですでに4万回以上再生されており、複数の海外メディアでも取り上げられるなど話題を集めている。Savestate氏のランに触発され、新たにタイムアタックという形で「名作トライアル」に挑む走者が続々と現れるかもしれない。
ライター/dashimaru