外装が24金で制作されたWiiが、海外のオークションサイト「Goldin」に出品されている。とあるゲームソフトのプロモーション用に作られ、イギリス王室のエリザベス女王へと献上されるはずだった経緯を持つ、世界に一台しか存在しない珍品の行く末に注目が集まっている。
本オークションではWii本体以外に、同じく24金で覆われたWiiリモコンプラスと海外限定で発売されたWii用パーティーゲーム『BIG Family Games』のソフトも付属する。このたびの24金製Wii(以下、ゴールデンWii)は、同作のパブリッシャーであるTHQが発売にあわせたキャンペーンの一環として2009年に制作したものだ。
テニスやゴルフをはじめダーツに蹄鉄投げといった数々のゲームを収録する『BIG Family Games』は、子どもから大人世代まで幅広い層が家族で楽しめるタイトルを目指して開発された。そこで「ロイヤル・ファミリー」ことイギリス王室の家族にも本作を親しんでもらおうと思い立ったTHQは、エリザベス女王向けに特別仕様のゴールデンWiiを贈ろうと決意する。
残念ながら「セキュリティ上の理由」により、同機がバッキンガム宮殿の門をくぐることは叶わなかったようだ。その後一度はTHQの元へと戻ったものの、2012年の同社の倒産以降ゴールデンWiiの行方は不明となっていた。
それから月日は流れ、独自に収集したゲームハード情報をまとめているウェブサイト「Consolevariations.com」を運営するコレクターのDonny Fillerup氏が同機を手に入れていたことが判明する。
同氏は2021年に「生活のため」としてオークションサイト「eBay」にゴールデンWiiを出品するも、700件を超える入札によって価格はうなぎ上りに。最終的な落札価格は30万ドル(約3900万円)にまで達した。しかしながらebayのポリシー変更により、落札価格と落札者の購入記録がマッチングしないと判断されたため、当時の取引は不成立となっている。
そうした事情を経て、二度目の競売にかけられているゴールデンWii。5月5日(木)より開始されたGoldinでのオークションでは、執筆時点で6件の入札が行われ落札価格は2000ドル(約26万円)となっている。同オークションは今後約2週間にわたって続き、さらなる価格の上昇が予想される。