バンダイナムコグループは5月11日(水)、2022年3月期の決算情報を公開した。
当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症の拡大にともなってアミューズメント施設の休業やイベントの中止などが大きく影響を与えた前年同期を上回る業績となった。デジタル、トイホビー事業が好調に推移し、顧客のライフスタイルや嗜好の変化に適合するための施策をスピーディに推進できたことが効果を発揮したという。
結果として、経営成績は売上高8892億7000万円(前期比20.0%増)、営業利益1254億9600万円(前期比48.2%増)、経常利益1336億0800万円(前期比52.5%増)、当期純利益927億5200万円(前期比89.7%増)と、大幅な増益を達成した。
セグメント別では、デジタル事業においては『エルデンリング』や『テイルズ・オブ・アライズ』といったワールドワイド向け新作タイトルの販売が好調。既存タイトルのリピート販売も継続的な施策により好調に推移したという。
特にフロム・ソフトウェアの『エルデンリング』については当初は400万本の出荷を計画していたのに対し、1340万本の実績を達成したとのことである。
この結果、デジタル事業における売上高は3781億7300万円(前期比11.9%増)、セグメント利益は696億3400万円(前期比22.6%増)となった。
トイホビー事業については『機動戦士ガンダム』シリーズのハイターゲット層向けの商品が好調に推移。前年同期に施設の休業などによって影響を受けたプライズの商品販売も回復し、売上高は3736億2500万円(前期比24.2%増)、セグメント利益は523億1900万円(前期比33.9%増)を記録している。
映像音楽事業にあたっては『機動戦士ガンダム』、『ラブライブ!』、『アイドルマスター』シリーズの映像、音楽パッケージソフトの販売を実施、IP関連のライセンス収入が業績に貢献した。また新たな形のライブイベントへの取り組みを進めたことにより、前年同期に比べイベントの開催回数も増加したという。売上高は539億4100万円(前期比57.6%増)、セグメント利益は56億9800万円(前期比267.9%増)と大幅な増益を達成した。
クリエイション事業においては『機動戦士ガンダム』、『ラブライブ!」などの新作映像作品を制作したものの、コスト先行のビジネスモデルのため利益への貢献は限定的にとどまる。また「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」については新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。結果として売上高は375億6400万円(前期比33.1%増)、セグメント利益は28億3000万円(前期比3.3%増)となった。
アミューズメント事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の売上高が前年同期比で115.5%となり回復の兆しが見えたとのこと。今後も効率化にくわえ、グループの商品やサービスの活用を強化し、収益基盤の増強を目指す姿勢を示している。
こちらは売上高823億4400万円(前期比28.8%増)、セグメント利益は40億5100万円(前期は83億7900万円のセグメント損失)を記録した。
今後については、社会情勢の変化などによって以前先行きが不透明な状況が継続するとの予測を立てている。また、グローバル市場における競争の激化や、顧客のライフスタイルや嗜好の多様化に対応するため、IP軸戦略のもと各事業の個性を活用し、グループの一体感と総合力を高めていくとのことである。
2023年3月期の連結業績には、売上高8800億円(前期比1.0%減)、営業利益1000億円(前期比20.3%減)、経常利益1010億円(前期比24.4%減)、純利益700億円(前期比24.5%減)を見込む。詳細については、バンダイナムコグループの公式IR情報ページも参照されたい。