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UE5で日本の駅を再現したリアルな映像作品をEpic Gamesが公式に紹介。制作プロセスを大解剖

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 Epic Gamesは7月19日、Lorenzo Drago氏アンリアルエンジン5で制作した富山県射水市にある「越中大門駅」を再現した映像作品に関して、制作プロセスを紹介する記事と映像を公開した。

 今回紹介される映像は3DCGの環境アーティストであるLorenzo Drago氏が5月に公開した作品だ。YouTubeの投稿は3日で7万回再生を超え、現在は200万再生を超えている。

 本作が注目される所以は、その現実と見間違える程の高度な再現性だ。丁寧なウェザリングが施されたモデリングに反射光を携えた的確なライティング、そしてファウンドフッテージ風の手振れの再現によりリアリティを演出している。

 Epic Gamesが公開する記事および映像では、シーンにおける昼夜のライティングカメラのモーションの作成方法、環境のセットアップ方法、制作のバックグラウンドについて紹介されている。

 Lorenzo Drago氏の作品のモチーフは越中大門駅と絶妙なチョイスが印象的だ。本駅がモチーフに選ばれた経緯は、Lorenzo Drago氏が日本に旅行した際、無人駅にて「独特の懐かしい雰囲気」「人が住んでいるような気配」を感じたことが発端だという。

 そして、オンラインでリファレンスを探していた際に、越中大門駅の写真を見かけたことで同駅がプロジェクトの題材に選ばれた。

 また、本映像はアンリアルエンジン4で制作を開始し、途中でアンリアルエンジン5に切り替えて制作されたという。そのために本作ではNaniteを使用していないが、アンリアルエンジン5のライティングの新機能「Lumen」を導入することでシンプルな設計の実現と制作時間の短縮が可能になったという。

 記事内では、日中のシーンは静的なシーンであることからHDRIの背景画像を使用し、そのうえで正しい間接ライティングを表現するために「HDRI画像がシミュレートする太陽光をオフにする」といった実践的な制作プロセスの詳細も記事内で紹介されている。

 ライティング以外には、カメラの手振れと懐中電灯の表現において、VRヘッドセットによるトラッキングとアンリアルエンジンの機能Take Recorderを駆使していることや、本作で始めてアンリアルエンジンのノード型のプログラミング機能「ブループリント」を使用したこと、シーンの設計および編集に活用したシーケンサー機能について紹介している。

 このほかに、記事内では参考になったチュートリアルにも言及しており、ライティングはアンリアルエンジンが提供する公式チュートリアル「ライティングの基礎概念とエフェクト」を活用し、ブループリントに関してはYouTubeにて公開されているAiden Wilson氏によるチュートリアルを活用したそうだ。

 記事内では専門的なアンリアルエンジン5を活用した制作の紹介が多いものの、随所に各要素を紹介する映像が組み込まれており、比較的分かりやすい仕様となっている。フォトリアルな映像がいかなる技術やプロセスで制作されているかを知ることで、作品から新たに読み取れることも少なくないはずだ。

 Lorenzo Drago氏の作品は同氏のYouTubeチャンネルArtStationにて観覧できる。富山県射水市にある「越中大門駅」の作品に心奪われた読者はぜひチェックしよう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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