Redditユーザーのfermelon氏は4月10日、オンラインFPS『フォートナイト』内におけるオリジナルコンテンツの作成機能「クリエイティブモード」を活用し、大きな反響のあったダンジョン探索アクションゲーム『Dark and Darker』を再現する開発中の映像を公開し、話題を呼んでいる。
fermelon氏の投稿によると、『Dark and Darker』を再現したコンテンツはEpic Gamesにより申請が許可されれば、プレイする際に必要なコードを公開するとコメントしている。
Dark and Darker inside Fortnite (WIP)
by u/fermelon in FortniteCreative
『Dark and Darker』は、1人称視点で他のプレイヤーやモンスターの潜むダンジョンを探索し、生き延びながら脱出を目指す「PvPvE」要素や、バトルロイヤル要素のあるアクションゲームだ。常に装備品を失うリスクを抱えた『Escape from Tarkov』のような仕様とウェイトの重い重厚感のあるアクションで注目を集めている。
『Dark and Darker』については未だ発売されていないものの、ベータテストでの同時接続プレイヤー数は6万9533人を記録しており、プレイテストに参加したテスターも累計100万人を突破する大盛況の記録を打ち出している。
なお、『Dark and Darker』を手掛けるIRONMACEは、韓国ネクソン社により開発中止になった作品『Project P3』の「アセットと素材を流用している」と訴えられている。韓国ネクソン社によるデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の通告がなされ、それに伴い『Dark and Darker』のSteamストアページも執筆時点で閲覧不能となっている。
IRONMACEは韓国警察による捜査に対して「全てをオープンに開示し、捜査当局に協力する」としており、同時に韓国ネクソンの訴えに対して徹底的に交戦する姿勢を見せている。
上記の経緯から『Dark and Darker』は4月に予定されていたプレイテストも延期され、予定通りのリリースは見こみ難い。fermelon氏が『フォートナイト』で手掛けたコンテンツは『Dark and Darker』の発売を臨むいちファンとしての試みだと推測される。
公開された映像では『フォートナイト』の要素を利用しつつ、ミニマップなどの『Dark and Darker』らしいグラフィックUIを採用。そして、プレイヤーが歩き回るマップは『Dark and Darker』のダンジョンを見事に再現している。
『フォートナイト』は2018年より用意されたアセットを組み合わせて“島”と呼ばれる自作の『フォートナイト』用コンテンツを制作し公開できる「クリエイティブ ツールセット」を提供している。
3月23日にはEpic Gamesが手掛ける最新のゲームエンジン「Unreal Engine 5」の機能を大幅に追加する開発ツール「Unreal Editor for Fortnite」が無料で提供されており、fermelon氏のようなマップの制作は同開発ツールを用いて実施可能だ。
ちなみに、海外メディア米IGNが実施したEpic GamesのCEO・Tim Sweeney氏へのインタビューでは、既存のビデオゲームを再現したコンテンツは「権利の問題から殆どの場合申請を許可しない」と語っている。
fermelon氏が手掛ける再現コンテンツとIRONMACEが手掛ける『Dark and Darker』の動向を、今後も慎重に見守りたい。