バーチャル文化の専門家としても活動するVTuber・作家のバーチャル美少女ねむ氏は、2023年4月から利用がはじまった高校「情報」科目の副教材「情報 最新トピック集 2023 高校版」に自身の著書で掲げた「メタバースの定義」の全文が掲載されたと伝えた。日本文教出版から刊行された本教材では「ネットの世界に構築された3次元の仮想空間」としての概要で「メタバース」が紹介されている。
また、ねむ氏は同年度の高校「情報」科目における実教出版の映像教材「デジタル・シティズンシップ ~情報 モラルのその先へ~」にも出演しており、メタバース内での生活風景を紹介しているという。
2017年から活動しているバーチャル美少女ねむ氏(以下、ねむ氏)は、自身のテーマに「バーチャルでなりたい自分になる」を掲げ、美少女のアバターを使って活動しているいわゆる「バ美肉(バーチャル美少女受肉)」の人物だ。ねむ氏は「VTuberを始める方法」をいち早く発信することでVTuber文化の誕生に貢献したほか、先進的な活動をまとめたインタビューはフランス日刊紙の「リベラシオン」や日本経済新聞をはじめとする一般メディアでも掲載。文化庁・総務省への情報提供や学術としての講義・イベント活動なども展開している。
今回教材に掲載された技術評論社の書籍「メタバース進化論」は、近年になって世間一般や企業・団体にも注目されはじめたメタバースが「そもそも何なのか?」あるいは「メタバースの革新性とは一体何なのか?」を多角的な視点から論じている。自身の経験や国内外1200名のユーザーを対象とした大規模調査などのデータをもとにした同書籍は、総務省の学術誌や経済専門誌の四季報でも引用されており、2023年2月には「ITエンジニア本大賞2023」のビジネス書部門における大賞を受賞した。
「メタバース進化論」のなかではユーザー自身が自由にコンテンツを持ち込んだり創造できる「創造性」のほか、ユーザー同士でコンテンツやサービス、お金を交換できる「経済性」など7つの要素をもとに「メタバース」の定義を提案しており、今回の教材では全文が採用されたという。
なお、教材のなかではTwitter内の情報に特化したまとめサイト「Togetter(トゥギャッター)」と無料ニュースアプリの「スマートニュース」、データの収集と整理に関する情報など5つの項目が新設のトピックとして収録されたようだ。
プレスリリースの全文は以下のとおり。
VTuberが高校教材に登場!?バーチャル美少女ねむの「メタバースの定義」が2023年度の高校「情報」科目の副教材にて全文掲載
2023年4月より利用の始まった高校「情報」科目の副教材『情報最新トピック集 2023 高校版(日本文教出版)』にて仮想世界「メタバース」が取り上げられ、 VTuber(バーチャルYouTuber)/作家「バーチャル美少女ねむ」の著書『メタバース進化論(技術評論社)』より「メタバースの定義」が全文掲載された。ねむは同じく 2023年度の高校「情報」科目のDVD映像教材『デジタル・シティズンシップ~情報モラルのその先へ~(実教出版)』にもアバターの姿で出演してメタバースでの生活風景を紹介している。VTuberやメタバースが一過性のブームではなく、学校の授業で取り扱われる新たな時代の到来を感じさせる出来事となった。
高校教材『情報最新トピック集 2023 高校版(日本文教出版)』
2023年度の高校「情報」科目の副教材である。ICTを理解するうえで欠かせない重要トピックを厳選して解説する。教科書では取り上げにくい最新技術やサービス・会社名にも言及し、教科書の内容をより身近に学ぶことができる。
※参考:情報最新トピック集 2023 高校版|副教材|高等学校情報|日本文教出版 – https://www.nichibun-g.co.jp/textbooks/joho/support/joho_topics/
バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論』より「メタバースの定義」が高校教材に全文掲載
高校教材『情報最新トピック集 2023 高校版(日本文教出版)』にて、注目の集まる仮想世界『メタバース』についても大きく取り上げられた。バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論(技術評論社)』より「メタバースの定義」として考察された七要件が全文掲載された。以下、掲載された文章を引用する。
メタバースの定義
メタバースにはまだ定まった定義がありません。いろんな人がいろんな提案をしていますが、ここでは、バーチャル美少女ねむ氏の著書「メタバース進化論」の中で述べられている7つの要素を紹介します。空間性:三次元の空間の広がりのある世界
自己同一性:自分のアイデンティティを投影した唯一無二の自由なアバターの姿で存在できる世界
大規模同時接続性:大量のユーザーがリアルタイムに同じ場所に集まることのできる世界
創造性:プラットフォームによりコンテンツが提供されるだけでなく、ユーザー自身が自由にコンテンツを持ち込んだり創造できる世界
経済性:ユーザー同士でコンテンツやサービスやお金を交換でき、現実と同じように経済活動をして暮らしていける世界
アクセス性:スマートフォンやPCやAR/VRなど、目的に応じて最適なアクセス手段を選ぶ事ができ、物理現実と仮想現実が垣根なく繋がる世界
没入性:アクセス手段の一つとしてAR/VRなどの没入手段が用意されており、まるで実際にその世界にいるかのような没入感のある充実した体験ができる世界これらは、バーチャル美少女ねむ氏による提案であり、今後メタバースの定義がどのように定まっていくのか注目していてください。
※出典:日本文教出版『情報最新トピック集 2023 高校版』
高校DVD映像教材『デジタル・シティズンシップ~情報モラルのその先へ~(実教出版)」にもバーチャル美少女ねむ出演
またバーチャル美少女ねむは、同じく2023年度の高校「情報」科目のDVD映像教材『デジタル・シティズンシップ~情報モラルのその先へ~(実教出版)』にも映像提供を行っており、アバターの姿で出演している。こちらでは「メタバースって何だ?」のコーナーにて、メタバース「VRChat」における住人の生活風景が紹介されている。
※参考:実教出版 DVD映像教材デジタル・シティズンシップ
https://note.com/nemchan_nel/n/n908f1dd6baab
「メタバースの定義」を解説する『メタバース進化論』第一章を無償公開中
今回教材で引用されたバーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論(技術評論社)』の第一章「メタバースとは何か」では、メタバースとはそもそも何なのか?その革新性とは一体どこなのか? VR学会における歴史的な定義の再考察やSFにおける文脈・最新の技術トレンドなど、様々な観点から「メタバースの定義」について多角的に論じている。この章は、経済誌「ダイヤモンド・オンライン」(一部抜粋掲載)や総合カルチャーサイト「リアルサウンド」(全文掲載)のwebサイトで公開されており、無償で読むことが可能となっている。
※リアルサウンド:メタバースとは何か? SF文脈とバーチャルリアリティ学から読み解く「メタバースの定義」
https://realsound.jp/tech/2022/04/post-1018905.html
※ダイヤモンド・オンライン:バーチャル美少女ねむ氏が予言「メタバースが経済を大拡張する」納得の理由 https://diamond.jp/articles/-/319985
バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論(技術評論社)』
バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論(技術評論社)』は、メタバースに興味を持った幅広い読者の方を対象に、現在のメタバースの真の姿、そしてその革命性をわかりやすく伝える「メタバース解説書の決定版」である。自身も黎明期のメタバースで暮らす”メタバース原住民”の一人である著者・VTuber「バーチャル美少女ねむ」が、自分自身の体験、数多くのユーザーへのインタビュー、そして全世界のユーザー 1,200名を分析した大規模調査「ソーシャルVR国勢調査」を元にメタバースのリアルを明らかにする「仮想世界のルポルタージュ」である。
総務省学術雑誌『情報通信政策研究』や四季報でも引用されたほか、アバター文化を広めた功績により一般社団法人VRMコンソーシアム「アバターアワード2022 特別功労賞」を受賞。2023年2月には「ITエンジニア本大賞2023」でビジネス書部門”大賞”に選出されている。
※『メタバース進化論』公式サイト
https://note.com/nemchan_nel/n/n464c528e9b7a
■告知協力 : 株式会社ブイノス
VNOSは「Vの者がVのまま社会参画できる未来」を目指す実践検証組織。所属する個人系バーチャルアーティストたちや、企業である株式会社ブイノスと連携しながら、個人と法人の枠を超えた様々なプロジェクトを行っている。今回の「バーチャル美少女ねむ」ように、個人で活動する所属アーティストが企業としてプレスリリースを行うのも、その実験のひとつである。
※公式サイト:https://vnos.dev/