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アニメ『スパイファミリー』無断編集し“ファストコンテンツ”化、『シュタゲ』ガイドライン守らずED含むプレイ動画投稿。著作権法違反の疑いで男性逮捕

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 KADOKAWAは5月18日(木)、同社をふくむ製作委員会が権利を有するアニメ『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』を無断でYouTubeを通じてアップロードしていた男性1名が、著作権法違反の疑いで逮捕されたことを明らかにした。

 プレスリリースによれば、当該男性はアニメ『シュタインズ・ゲート』を無断で編集し、字幕やナレーションを付けたいわゆる「ファストコンテンツ」としてアップロードすることによって不正に広告収益を得ていたという。

 また、著作権侵害に対処する一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)の公式ニュースによれば、当該男性は東宝らが著作権を有するアニメ『SPY×FAMILY』を無断で編集した動画もアップロードしていたことが判明している。

 さらにニトロプラスらが著作権を有するゲーム『シュタインズ・ゲート 比翼恋理のだーりん』が、ガイドラインで禁止しているゲームのプレイ動画(エンディングを含む1時間程度のもの)もYouTubeにアップロードし、広告収益を得ていたとのこと。

アニメ『シュタインズ・ゲート』を無断アップロードした男性が逮捕1
(画像はCODA公式サイトより)

 当該男性が2019年から長期間にわたってアニメ作品の無断アップロードを継続していることを受け、KADOKAWAではCODAと相談のうえで悪質な行為であると認定し、鑑定書の提出など警察への捜査協力を行ってきた。

 KADOKAWAはプレスリリースにて「今後も利用者がコンテンツから享受する楽しみを守り、不正な行為を行う者から権利およびクリエイターをはじめとする権利者の経済的利益を保護する」といった姿勢をあらためて示している。

 また、CODAは「特にストーリー性のあるゲームのムービーシーンのみを繋ぎあわせてゲーム内容が短時間でエンディングまで分かるように編集し、投稿する行為や、エンディングシーンだけを抜き出して投稿する行為は昨今問題視されております」とコメント。
 
 アニメについても「ファスト映画事件同様、クリエイターらが時間、労力、費用をかけて制作した著作物を無許諾で加工、アップロードして広告費を得る行為は決して許されません」と、コンテンツの不正利用の一掃と著作権の適性な保護に努める意思を表明した。

 なお日本経済新聞では、名古屋市在住の自称YouTuberの男性がガイドラインで禁じられたゲーム作品のプレイ動画をYouTubeに投稿した疑いで逮捕された旨が報道されている。同誌によれば企業側のガイドラインを遵守していなかったことが刑事責任を問われる要因となり、男性は容疑を認めているとのこと。

 またNHKは『428』などのアドベンチャーゲームで知られるゲームクリエイターのイシイジロウ氏に同件について取材。ゲーム実況などの動画配信自体は否定しておらず宣伝効果にもなっているとした上で、動画でネタバレされた際に「このゲームを買わなくていいかな」という気持ちになる可能性があると説明し、ストーリーを重視する作品の市場が実況によって縮小してしまわないかと懸念を示した。

 本件に関する詳細については、以下のプレスリリースも参照されたい。

プレスリリースの全文は以下のとおり。


当社が著作権を有するアニメ作品を無断アップロードした男性の逮捕について

宮城県警察本部生活環境課と南三陸警察署は、2023年5月17日、株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:夏野剛、以下、当社)を含む製作委員会が権利を有するアニメ『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』を無断でYouTubeを通じてアップロードしていた男性1名を著作権法違反の疑いで逮捕しました。

アニメ『シュタインズ・ゲート』を無断アップロードした男性が逮捕1

当該男性は、アニメ『STEINS;GATE』を無断で編集し、字幕やナレーションを付けたいわゆる「ファストコンテンツ」としてアップロードし、不正に広告収益を得ていました。

また『STEINS;GATE』以外にも、他社が著作権を有する複数のアニメ作品や、著作権者がガイドラインで禁止しているゲームのプレイ動画についても無断で配信していたことが分かっています。

当該男性は、2019年より長期間にわたってアニメ作品の無断アップロードを続けていたため、当社は、著作権侵害に対処している一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)と相談の上、悪質な行為であると認定し、鑑定書の提出など警察への捜査協力をしてきました。

当社は、映像、出版、ゲームなどを手掛ける総合エンターテインメント企業として、さまざまな著作物に対する著作権侵害行為について、断固たる対応を取り、また著作権保護に対する啓発活動を推進しております。今後も利用者がコンテンツから享受する楽しみを守り、不正な行為を行う者から権利およびクリエイターをはじめとする権利者の経済的利益を保護するとともに、国際的に評価の高い日本のコンテンツを創出する環境や産業としての競争力を維持・強化し、文化の普及と発展に持続的に貢献してまいります。

関係者、ユーザーの皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

■参考:本件に関する一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)のコメント

https://coda-cj.jp/news/1531/

■一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)について

音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲームなどの日本のコンテンツ産業の海外展開を促進すること、日本のコンテンツ産業が協力して海外における海賊版対策を実行することを目的に設立された団体です。CODAでは、日本コンテンツの海外における正規流通の阻害要因となっている海賊版問題を喫緊の課題としてとらえ、情報の収集分析、産業界における情報の共有および効果的な解決策の検討、解決策の一つである共同エンフォースメント等を、主な事業として実施しています。

http://www.coda-cj.jp/

■ 株式会社KADOKAWAについて

出版、映像、ゲーム、Webサービス、教育、ところざわサクラタウンを中心としたIP体験施設の運営など、幅広い事業を展開する総合エンターテインメント企業です。優れたIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、さまざまな形で世界に届ける「グローバル・メディアミックス」戦略を、テクノロジーの活用により実践しております。

https://group.kadokawa.co.jp/

編集者
オーバーウォッチを遊んでいたら大学を中退しており、気づけばライターになっていました。今では格ゲーもFPSもMOBAも楽しんでいます。ブラウザはOpera

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