Cygamesより配信中の『ウマ娘 プリティーダービー』(以下『ウマ娘』)では、2024年10月29日より新育成シナリオ「走れ!メカウマ娘-夢繋ぐ発明-」がスタートします。
過去の育成シナリオと比べても一段とパンチの効いたビジュアルで期待が膨らむ本シナリオですが、先ほど放送された「ぱかライブTV」の新情報で期待をおさえられない人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな最新シナリオのメディア向け先行体験会に参加する機会をいただいたので、実際にプレイしてわかったストーリーやシナリオの仕組み、プレイフィールについて紹介していきます。
なお体験会のバージョンは開発中のバージョンとなっており、ゲームバランスが実際のリリース内容と異なる可能性があります。詳細な攻略ではなく、シナリオ全体のながれを感じ取っていただければ幸いです。
新シナリオ「走れ!メカウマ娘 -夢繋ぐ発明-」ストーリー概要。育成の流れとシナリオ固有ギミック
まずは新シナリオ「走れ!メカウマ娘 -夢繋ぐ発明-」の概要から見ていきましょう。
今回登場する新キャラクターは、フルダイブ型ロボット「ST-2(サティ)」と、その開発者であるライツ博士こと「シュガーライツ」。ライツ博士が自身の開発するST-2を完成に導くため、トレセン学園に協力者を募りに来たところから話がスタートします。
ウマ娘の姿をしたロボットに最初は興味を抱く生徒たちでしたが、その実情はまだ未完成。とくにフルダイブ状態での走りはぎこちなく、協力者を得るにはなかなか至りません。
ですがそんなST-2に興味を抱き、研究への助力を申し出たのがビワハヤヒデ、ナリタタイシン、エアシャカール、シンボリクリスエス、タニノギムレットら5名のウマ娘。彼女たちはライツ博士のST-2にかける想いを知り、メカウマ娘の研究に協力していくことになります。
そしてプレイヤーであるトレーナーもまた、プロジェクトに興味を抱いて研究への協力を決めたひとり。こちらは担当する育成ウマ娘との共同トレーニングを通じて、メカウマ娘の研究に参加していく……、というのが本シナリオの導入です。
気になる育成の流れですが、今回はURAベースの育成シナリオ。ジュニア12月から半年ごとに開催される性能試験「UGE(Upgrade Exam)」を中間目標として育成を行いながら、最終的にURAファイナルズを突破していくという流れです。
この「UGE」は、直近の豊食祭シナリオでいう試食会のように、レースなしでポイント目標をチェックするタイプのイベントとなっています。
育成時間としては短縮版でちょうど30分前後という、ごく標準的なボリュームでした。
基礎能力上限はスピード1750、スタミナ1700、パワー1500、根性1300、賢さ1300。スタミナ上限が高く根性が抑えめで、中長距離に向いた育成シナリオと言えそうです。
トレーニングを取り巻く3つのシナリオ固有システム
今回のトレーニングでは「研究Lv」、「メカギア」、「オーバードライブ」という3つの固有システムが存在します。
画面左側に表示されているのが研究Lv。スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さに対応した5つの研究Lvが、トレーニングを行うごとに上昇していきます。
この研究Lvが上昇するとトレーニングの効果が上昇、追加でパラメータが上がっていくという仕組み。基本的には、伸ばしたいパラメータの研究Lvを上げていく形になります。
各研究Lvには上限値が設定されており、半年ごとの「UGE」で少しずつ上限が開放されていきます。そのため1種類のトレーニングを連続して踏み続けていると、早い段階で上限値に到達してしまうことに。
そこからも同じトレーニングを踏み続けることはできるのですが、そのぶん総研究Lvが伸びにくくなります。ちょうど、UAFシナリオ最終盤の競技Lvのようなイメージですね。
半年ごとの「UGE」では5つの研究Lvを合算した合計値が評価の対象となるため、上限に達した練習を踏み続けると評価が伸びません。デッキ編成の時点で得意トレーニングをある程度分散させ、総合的に研究Lvを上げていくのがセオリーとなりそうです。
2つ目の固有システムは「メカギア」。メカギアがついているトレーニングでは獲得研究レベルがアップし、パラメータも通常時より上がりやすくなっています。
友情トレーニングには確定でメカギアが発生するので、早い段階で絆を上げて友情トレーニングを発生させていくと研究Lvも伸ばしやすいようです。
3つ目の固有システムは「オーバードライブ」。これは任意のタイミングでトレーニングを一時的に強化できるシステムです。
研究Lvの下にあるのがオーバードライブゲージ。メカギア付きのトレーニング時や目標レースへの出走時などにゲージが1段階ずつ増加していき、3段階貯まるとオーバードライブが発生可能に。使用すると、そのターン限定でトレーニングの効果が上昇します。
オーバードライブの発動権は2回分までストックしておくことが可能。ダブル友情などの強力なトレーニングが来たタイミングで発動していくことで、効率的にステータスを伸ばしていくことができるでしょう。
なおオーバードライブ発動時の具体的な効果ですが、実は自身でチューニングすることが可能です。次の項目でその方法を紹介していきます。
半年ごとのチューニングが育成のカギを握る。シナリオリンクがより重要に
本シナリオで育成のカギを握るもう一つの要素が、「チューニング」によるカスタマイズです。
チューニングはデビュー前と各「UGE」終了後の合計6回発生するイベント。「UGE」の評価に応じて獲得できる「メカEN」をメカウマ娘に搭載された9種類のチップに割り振っていくことで、その後の育成時に得られる効果をカスタマイズできます。
チップは頭部コア、胸部コア、脚部コアにそれぞれ3つずつ搭載。デビュー前の時点では各ステータスに対応した研究チップ5種とスキルヒントチップの6種が開放されていますが、クラシック夏合宿前とシニア夏合宿前のタイミングで新たなチップが開放されていきます。
チップには各ステータスの研究Lv上昇量アップやヒント発生率アップ、得意率アップなどの効果があり、いわゆるパッシブスキル的に育成中のトレーニングで効果を発揮してくれます。
そして9つのチップそれぞれの効果とは別に、各コアごとの合計Ptに応じたオーバードライブ効果が発生。オーバードライブを使用したトレーニングで得られる効果をカスタマイズできるようになっています。
各チップへのメカEN割り振りはチューニングのたびにリセットして振り直すことができるので、たとえばこんな立ち回りも可能です。
序盤~クラシック6月
脚部コアに集めて絆上げとスピード・パワーを上昇クラシック7月~12月
頭部コアにメカENを全振りし、夏合宿で賢さを集中的に上げながらヒントを回収シニア1月~
胸部コア中心に振り直し、スタミナと根性を中心にステータスをできるだけ上げていく
従来の海外適性や畑レベルのような不可逆の育成要素ではなく、振り直しができるのがユニークなポイント。トレーニングの偏りによるステータスの伸びにあわせて、半年ごとに調整をかけていくことが可能です。
初心者は自分のミスをリカバリーできますし、育成に慣れた人なら運による下振れを技術で回避していくことが可能。頭を使ったプレイングが楽しいシナリオとなりそうです。
また、従来から存在する要素ですが、重要度が大きく変わったのがシナリオリンク効果。
今回のシナリオでは友人やグループタイプの新サポートカードが登場しないということで、シナリオリンク効果を持つキャラクターがこれまでよりも重要になってきます。
シナリオリンクキャラクターは、シナリオ内でも研究の協力者となったビワハヤヒデ、ナリタタイシン、エアシャカール、シンボリクリスエス、タニノギムレットら5人。逃げウマ娘が不在で追込ウマ娘が3人というラインナップです。
この中でも注目がエアシャカールで、5キャラ中唯一「研究Lvによるトレーニング効果上昇量がアップする」という特有の効果を所持。エアシャカールのサポートカードを編成しているだけでトレーニング効果が強化されていくという、シンプルに強い効果となっています。
カスタマイズしたオーバードライブが気持ちいいシナリオ!「メカウマ娘」を中心にした物語はユニークながら『ウマ娘』らしい
今回の体験会ではヒシミラクルをチョイス。普通のウマ娘らしく、普段通りに育成してみることにしました。
まず個人的には「チューニング」の存在がおもしろかったですね。リセットして振り直しができるため、全体の展開に幅が出るようになりました。ミスや運の悪い部分もアドリブでリカバリーできる場面が増えそうです。デッキごとに最適な動きが変わってきそうなので、そこを詰めていっても楽しめるのではないでしょうか。
カスタマイズしたオーバードライブ効果を短いスパンで使えるのもなかなかにうれしい要素。一気にドカンと数字が上がるわけではないのですが、ちょっといいトレーニングがあれば細かく使っていけるのはまた違った気持ちよさがありました。光っていなくてもトレ効果持ちが複数重なった美味しいトレーニングなどがあれば、どんどん使って回していくのがよさそうです。
それ以外の基本的な育成の流れはごくスタンダードな内容ですが、研究Lvに上限があるため踏んでいく練習をある程度意識して分散させていく必要があります。豊食祭のように消費して余裕を作ることができないので、もう少しストイックな立ち回りになりそうです。
なお5回の「UGE」ですべてS評価を取った周回では「スーパーオーバードライブ」が発動し、URAファイナルズ開催中のラスト3回の練習でオーバードライブ効果が継続発動するようになりました。ほかにも細かい条件があるかもしれませんが、基本的には研究Lvをしっかり意識して上げるのがよさそうですね。
最後に、気になるであろうシナリオリンクについて。
今回は1回目の育成でエアシャカールなし編成、2回目の育成でエアシャカール入り編成を試しました。
残念ながらエアシャカール入り編成ではミスが重なってしまいスーパーオーバードライブも逃してしまったのですが、それでも育成後の評価は2回目のほうが高くなる結果に。
友人サポカのように露骨にプレイフィールが変わるタイプではありませんでしたが、従来よりもシナリオリンクの重要性が上がったことは間違いないようです。
シナリオまわりについてはネタバレを避けるため細かい言及はできませんが、個人的にはかなり好きな内容でした。
新キャラクターのライツ博士は、過去のケガが影響で現在は車椅子の助けを借りて生活しています。そんな彼女がウマ娘を模したロボットを作り、フルダイブ操作の研究をしている背景については想像に難くないでしょう。ウマ娘として大きな挫折を経験しながらも、それでも夢に向かって進もうとするライツ博士は、本シナリオの中心人物として存在感のあるキャラクターとなっています。
最初は「メカウマ娘」という異質でコミカルな存在とシリアスな要素がどう絡み合っていくのか気になりながら読み進めていきましたが、少女たちのひたむきな想いと絆に胸が熱くなる『ウマ娘』らしいシナリオに仕上がっていました。ぜひ一周目はじっくりとテキストを読みながら、博士の夢を応援するウマ娘たちの物語を楽しんでください。
なお今回はちょっと変わった部分にもシナリオの流れが組み込まれていて、トレーニング選択画面の背景にST-2が登場。オーバードライブを発生させると実際に一緒にトレーニングすることもできます。シナリオが進むとST-2の見た目が変わっていくのもあって、慣れ親しんだトレーニング内容でもどこか新鮮な気分で楽しむことができました。
ST-2がまるで「もうひとりの担当ウマ娘」に感じられてくるような演出ですが、感情移入しやすいぶんシナリオへの没入感もひとしおでした。こうした仕掛けを通して物語を楽しませてくれるのは細かいながらも嬉しいポイントですね。
ストーリー重視のファンもきっと満足できるシナリオになっているはずなので、これを読んでいる中に「最近『ウマ娘』やってないな」という方がいれば、ぜひこの機会に復帰してみることをオススメします。