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ゲームとアートの枠組みを越える次世代アーティスト/クリエイターから新たな“分野横断カルチャー”を考えるシンポジウム「アート×ゲームの新時代」が3月16日に開催へ。文化庁の基金助成も受けて新たな日本発の文化づくりを目指す

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一般社団法人 渋谷あそびば制作委員会と東京・渋谷のカルチャーセンター「404 Not Found」は、分野横断型アーティスト/クリエイター支援プロジェクト「ars●bit(アーソビット)」のキックオフイベント「アート×ゲームの新時代──〈遊び〉と〈芸術〉の根源をめぐって」を3月16日(日)に開催すると発表した。

本イベントは文化庁の「文化芸術活動基盤強化基金」と独立行政法人 日本芸術文化振興会の助成を受けて入場無料で実施される。

ゲームとアートの枠組みを越える創作に学び、新たな“分野横断カルチャー”を考えるシンポジウムが3月16日に開催へ_001

新たに発足する「ars●bit(アーソビット)」は、2021年からホテル アンテルーム 京都で開催されてきた現代アートとインディーゲームの企画展「art bit」と、“インディーゲームクリエイターの聖地”として開設された「404 Not Found」の協働プロジェクトである。

発表によると本プロジェクトは文化庁の「クリエイター・アーティスト等育成事業」に採択されており、“ゲーム/遊び”を軸として、これまでにない分野横断型アーティスト/クリエイターの発掘や育成、グローバルチャレンジなどの支援を行っていくという。

今回のイベントは「アート×ゲームの新時代」をテーマとしたシンポジウムであり、評論家・編集者の中川大地氏が全体モデレーターを担当。アートゲーム/ゲームアートのシーンで活躍するアーティストの谷口暁彦氏・たかくらかずき氏をはじめ、さまざまな分野の専門家がパネリストとして登壇する。

各セッションでは現代カルチャーの分野横断における“最もコアな領域”として、アートとゲームの接触・融合のこれまでを検証するとともに、“公開企画会議”のかたちで新たな創造の可能性を模索していくようだ。

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以下、プレスリリースの全文を掲載しています


シンポジウム「アート×ゲームの新時代──〈遊び〉と〈芸術〉の根源をめぐって」が3月16日に開催。インディーゲームの新たな聖地・渋谷404 Not Foundから、あらゆるカルチャーを横断する芸術ムーブメントが始まる。

ゲーム/遊びを軸に、あらゆるアートやエンターテインメントを越境していく新時代のBeyond Creaters Project「ars●bit(アーソビット)」が本格始動します。

その第1弾シンポジウム「アート×ゲームの新時代──〈遊び〉と〈芸術〉の根源をめぐって」(以下「アート×ゲームの新時代」)が、2025年3月16日(日)、東京・渋谷の「404 Not Found」(Shibuya Sakura Stage 4F)にて開催されます。

■ゲームとアートを越境する次世代のアーティスト/クリエイターたちが活躍する、新たな分野横断シーン構想のための本格シンポジウム

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国境や文化、社会体制の垣根と分断を越えて、いまや世界中の人々の共通体験となっているデジタルゲーム。
それは絵画や彫刻、音楽、文学、パフォーマンスといった既存の芸術表現と最先端の情報テクノロジーの動向を結びつけながら、人類の〈遊び〉の根源にアプローチすることで、単なる商業エンターテインメントの枠には納まらない、新たなアート・メディウムとしても開花しようとしています。

とりわけ近年の日本では、2018〜19年にNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で行われた「イン・ア・ゲームスケープ ヴィデオ・ゲームの風景,リアリティ,物語,自我」を嚆矢に、2021年からホテルアンテルーム京都にて「art bit – Contemporary Art & Indie Game Culture –)」が日本最大のインディーゲームの祭典「BitSummit)」のスピンオフ展として毎年夏に行われているほか、2025年2月13日からは森美術館にて企画展「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート)」が開幕。現代アートやメディアアートとデジタルゲームとの境界領域を独自の切り口で追求する企画展が、いま相次いで開催され注目を集めています。

今回のシンポジウム「アート×ゲームの新時代」では、そんなジャンル横断の旗手たちによる7つのセッションが実現。

ゲームエンジンを駆使したアート作品制作や「イン・ア・ゲームスケープ」「マシン・ラブ」展のキュレーション参画を通じて日本でのアートゲーム / ゲームアートシーンを先導するメディアアーティスト・谷口暁彦、ピクセルアート表現を武器に東洋思想や仏教美術に立脚したデジタルアートと『摩尼遊戯TOKOYO』『悟遊戯 OHENRO 88』などのインディーゲーム制作を一貫して手がける気鋭のアーティスト・たかくらかずき、ヨーゼフ・ボイスやナムジュン・パイクといった世界の現代アートの巨匠たちをいち早く紹介し、日本の現代アートシーンを牽引してきたワタリウム美術館の和多利恵津子・和多利浩一といったキーパーソンたちがパネリストとして登壇します。

多彩なかたちで結びついていくアートとゲームの分野横断からは、どのような風景が立ち上がるのか。第一線のプレイヤーたちが集結し、次世代のアーティスト/クリエイターに向けて知恵を寄せあい、学びあうための1日です。

■Beyond Creaters Project「ars●bit(アーソビット)」が送る、初の一般公開型イベント

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本シンポジウムは、2025年から本格始動する新時代のBeyond Creaters Project「ars●bit(アーソビット)」のキックオフイベントとなります。

「ars●bit」は、2021年よりホテルアンテルーム京都で毎年開催されている現代アート×インディーゲームの企画展シリーズ「art bit」と、2024年7月に東京・渋谷のShibuya Sakura Stageにオープンした新たなインディーゲームの聖地「404 Not Found」とが協働し、ゲーム/遊びを軸に、これまでにない分野横断型アーティスト/クリエイターの発掘・育成・グローバルチャレンジなどの支援を行っていく複合プロジェクトです。

このたび「クリエイター・アーティスト等育成事業(文化芸術活動基盤強化基金)」に採択され、いよいよ本格始動するはこびとなりました。「文化芸術活動基盤強化基金」は、文化庁からの補助金により、次代を担うクリエイター・アーティスト等の育成と、その活躍・発信の場である文化施設の次世代型の機能強化に対して、弾力的かつ複数年度にわたって支援するという目的のもと、独立行政法人日本芸術文化振興会に新たに設置された基金です。

本プロジェクトでは、国際交流拠点である渋谷と京都をホームに、アーティスト/クリエイター向けのセミナー・研究会やクリエイティブジャムなどを通じた作品制作支援、国内外での作品発表の場となる展覧会やイベント、さらには国際ゲームショウやアートフェアへの出展など多岐にわたる活動を通じて、日本発の新たなマーケットの開拓と文化コンテクストの醸成に挑みます。

プロジェクト名の「ars●bit」には、artの語源にあたるラテン語「ars(アルス)」が示す根源的な芸術性とデジタル技術の「bit(ビット)」が●(感嘆のオー?)を挟んで結びつくことで、ホモ・ルーデンス(遊ぶ人間)としての人間性が解放される──すなわち未来のアートおよびエンタメカルチャー全体のあたらしいあり様を実証・提案し、みずから切り拓いていける「遊び人(あそびひと)」たちを育てていく──という願いが込められています。

その第一歩として、今回のシンポジウム「アート×ゲームの新時代」は、現代カルチャーの分野横断における最もコアな領域であるアートとゲームの接触・融合のこれまでを検証しながら、これからのアーティスト / クリエイターたちにひろく本プロジェクトへの参加を呼びかける、新たな価値創造の芽を育むための公開企画会議の場でもあります。

■開催概要

日時:2025年3月16日(日) 10:00〜18:00
会場:404 Not Found
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町1-4
Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 4F
JR山手線「渋谷駅」より新南改札を出て徒歩3分
https://www.404shibuya.tokyo/

入場料:無料

主催:一般社団法人渋谷あそびば制作委員会 / 404 Not Found
助成:文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

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■プログラム

◯全体モデレーター:中川大地(評論家 / 編集者)

10:00 開会あいさつ・祝辞ほか

10:10〈オープニングセッション〉「ars●bit」プロジェクトがめざすもの〜キックオフ宣言

村上雅彦(Skeleton Crew Studio 代表取締役 / 渋谷あそびば制作委員会代表理事)
石川武志(404 Not Found プロデューサー / 渋谷あそびば制作委員会理事)
織田笑里(404 Not Found ジェネラルマネージャー)
豊川泰行(ホテルアンテルーム京都マネージャー / art bit キュレーター)

11:00 〈セッション1〉ゲームアート / アートゲームのあゆみ:「イン・ア・ゲームスケープ」から「マシン・ラブ」へ

谷口暁彦(メディアアーティスト / 多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授)
畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)
葛西祝(ジャンル複合ライティング)

(12:00〜 休憩)

13:00 〈セッション2〉現代アートのゲーム性とインディーゲームの芸術性:「art bit」のあゆみと現代美術史への介入

豊川泰行
中尾拓哉(美術評論家 / 芸術学)
和多利恵津子・和多利浩一(ワタリウム美術館館長・CEO)

14:10 〈セッション3〉世界のアート×ゲームの多様性をさぐる:アジアとヨーロッパにおける「遊び」と「芸術」の結節点

豊川泰行
徳山由香(キュレーター / 研究者[現代美術])
ジェレミー・コーティアル(アーティスト)

15:20 〈セッション4〉デジタル・ヴァナキュラーアートの夜明け:「東洋美術」としてのピクセル/NFT/ジェネラティブ

たかくらかずき(アーティスト)
NIINOMI(NEORTディレクター / メディアアーティスト)
吉積英子(現代美術家 / 衣装デザイナー)

16:30 〈セッション5〉まだみぬゲーム×アート×テクノロジーの可能性:「ars●bit」プロジェクトでのゲーム×アートの活動の展望

塩見亮介(アーティスト)
末浪勝己(ゲームプロデューサー・ディレクター)
川上尚志(ユニバーサルアドネットワーク代表取締役CEO)
石川武志

17:40 〈クロージングセッション〉

18:00 終了

■お問い合わせ

本シンポジウムへのご質問は「404 Not Found」のお問い合わせページからお願いいたします。
https://www.404shibuya.tokyo/inquiry/


ライター
2019年11月に電ファミへ加入。小学生の時に『ラグナロクオンライン』に出会ったことがきっかけでオンラインゲームにのめり込む。コミュニケーション手段としてのゲームを追い続けている。好きなゲームは『アクトレイザー』『新・世界樹の迷宮2』『GTFO』など。
Twitter:@fuyunoyozakura

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