いま読まれている記事

中国においてゲームエンジン「Unity 6」が提供終了。今後は独自仕様にカスタマイズされた中国版Unity「团结引擎」へ移行。「開発者が中国市場の需要により合致したゲームエンジンサービスを得られるようにすること」が理由

article-thumbnail-2504102d

Unity Chinaは4月7日、中国・香港・マカオにおいてUnity 6の提供を終了したことを発表した。今後はUnity Engineを中国ユーザー向けにカスタマイズした「团结引擎」へ移行する。同社の公式サイトにて伝えている。

発表の中でUnity China公式は、今回のUnity 6の提供終了および独自仕様のエンジンへの一本化について、「開発者が中国市場の需要により合致したゲームエンジンサービスを得られるようにすること」を理由としている。

中国で「Unity 6」がサービス提供終了。今後は独自仕様の「团结引擎」へ移行_001
(画像はUnity China公式サイトより)

中国においては、Unityが2022年に設立した地域合弁会社「Unity China」がサービスの提供を担ってきた。同社には、『原神』『崩壊:スターレイル』『ゼンレスゾーンゼロ』などで知られるmiHoYoをはじめ、アリババ、チャイナ・モバイル、G-Bits、OPPO、PCI、Douyinグループなどの現地パートナーが出資している。

「团结引擎」は、そのUnity Chinaが提供するUnity Engineの中国仕様バージョン。「Unity 2022 LTS」をベースに開発されており、これまで本家のUnityと合わせて提供されてきたようだ。

中国のソーシャルアプリ「WeChat」のミニゲームへのサポートや、HUAWEIが開発する独自OS「OpenHarmony」のネイティブ対応など、中国の開発者の独自のニーズに応えるべく、さまざまなカスタマイズが行われているのが特徴だ。

今回のUnity Chinaの発表によれば、Unity 6 およびそれ以降のバージョンは、中国のユーザー向けには今後提供されず、「团结引擎」がその役割を引き継ぐという。また、Unity 2022 LTS 以前のバージョンは、Unity Chinaが引き続きサポートおよびメンテナンスを行うとのこと。

中国で「Unity 6」がサービス提供終了。今後は独自仕様の「团结引擎」へ移行_002
(画像はUnity China公式サイトより)

今回の発表とあわせて、「团结引擎」の今後のロードマップが公開。グラフィックスレンダリングとライティングの分野では、中国の開発者の要望を順次反映させつつ、Unity 6の主要機能を追加していくという。

また、2025年の下半期に「仮想ジオメトリ」をモバイルプラットフォーム向けに提供するほか、独自開発する「動的グローバルイルミネーション(GI)」を第2四半期に試験版としてリリース、その後モバイルプラットフォーム対応を目指すとのこと。

さらに、グローバル版Unityの料金ポリシーにあわせた、新たな価格体系の導入も発表。「团结引擎」においては、年間売上高(または資金調達額)などの財務規模が20万米ドルを超えるプロフェッショナルチームおよび企業に向けた「专业版(プロ版)」と、それに満たない個人開発者や小規模企業向けの「个人版(パーソナル版)」が提供されるとのことだ。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

この記事に関するタグ

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ