「日本SF大会」の実行委員会は7月24日、優秀なSF作品や活動を表彰する「第56回星雲賞」の受賞作を発表した。本発表のなかで、市川春子氏によるマンガ『宝石の国』がコミック部門の受賞作に選出されたと伝えられている。
授賞式は、8月31日に東京・日本工学院専門学校で開かれる日本SF大会の閉会式にて執り行われる予定だ。
お待たせしました。第56回星雲賞を発表します。
— 日本SFファングループ連合会議 (@sf_fan_japan) July 24, 2025
第56回星雲賞は2024年中に年に発表された作品及び活動の中からSF大会参加者の投票によって選ばれました。授賞式は8月31日に第63回日本SF大会「かまこん」閉会式内にて実施します。https://t.co/M1jXGjf0Hu
1970年から行われている星雲賞は、前年における優秀な作品や活動を表彰するSF専門のアワードである。受賞作は日本SF大会の参加者による投票で選ばれ、協議機構である「日本SFファングループ連合会議」の管理・集計を経て決定している。
今回コミック部門での受賞作に選ばれた『宝石の国』は、「宝石生命体」のような存在が生まれた遠い未来の世界を舞台に、28人の宝石生命体と、彼らを装飾品にしようと襲い来る「月人」らの戦いを描いたSFファンタジー作品である。

本作は2012年から2024年4月にかけて講談社の「月刊アフタヌーン」で連載されたほか、2017年にはテレビアニメ化も実現。不死の身体となりながら人間としての苦悩を抱える「宝石生命体」のはかない描写をはじめとする魅力から人気を博した。
上記のほかメディア部門では映画『侍タイムスリッパー』、日本長編部門(小説)では『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』が受賞作に選ばれた。
#侍タイムスリッパー が第56回星雲賞・メディア部門大賞を受賞しました!!!
— 『侍タイムスリッパー』 (@samurai_movie) July 24, 2025
長い歴史を持つ星雲賞、SFファンに皆様に選んで頂き、とても光栄に思います!!
憧れの星雲賞です…。
選んで頂いた皆さん、公開以降今日まで応援し続けて頂いている皆さん、本当にありがとうございましたm(_ _)m pic.twitter.com/fq6F7DQQsj
加えて、アート部門では第55回の受賞者でもあるアニメーターの麻宮騎亜氏が受賞。ノンフィクション部門で長山靖生氏の『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』も選出されたようだ。