3月3日に全世界同時発売された「Nintendo Switch」。国内では、すでに初期出荷分はほとんど完売状態。昨日3月7日に“ファミ通”から発表されたリリースによれば、3月5日までの3日間で、国内推定出荷台数は33万637台とのこと。過去のハードと比べれば、Wiiの初週推定販売台数が37万1936台、Wii Uが30万800台だったことを考えると、とても順調な滑り出しと言ってよさそうな雰囲気だ。さらに任天堂は、北米と欧州でも“自社の据え置き機としては過去最高のローンチ”と発表しているなど、世界的にも大きな盛り上がりを見せている。
さて。そんな「Nintendo Switch」だが、電ファミニコゲーマーでは、niconicoと共同で、発売日当日に「Nintendo Switchについてのアンケート調査(総投票数5万4982人)」を実施。Nintendo Switchを買った人はどんな人たちで、何を目的に購入を決めたのか?など、その実態を探ってみた。本稿では、その内容を軽い分析とともに紹介してみたい。
文/TAITAI
「Nintendo Switch」を購入しましたか
まず、Nintendo Switchを購入したかについてだが、「予約または購入した」は全体の3.6%に。これは一見すると少なく見えるかもしれないが、出荷台数(33万台)を考えると、非常に妥当な数値。
むしろ、「いずれ購入したいと思っている」が24.2%だということを考えると、現時点でもすでに200万台以上の見込み客がいるという推計もできる。不振と言われるコンシューマゲーム市場だが、まだまだ任天堂のブランドは健在といったところか。そもそも、ソフトが出揃っているとは言いがたい現状でこの数値なので、ソフトが充実するにつれ、さらに「欲しい!」と思う人は増えていくだろう。
ちなみに「予約または購入した」、「いずれ購入したいと思っている」の内訳を世代別でみると、10代以下が32.5%ともっとも多く、世代が上がるにつれ減少し、50代以上は20.9%に。当たり前の話かもしれないが、なんだかんだで、若い人ほど「ゲーム機」への関心は高いようだ。
「Nintendo Switch」の購入の決め手はなんですか
「予約または購入した」という人に対して、さらにその「購入の決め手」に関して尋ねてみたのがこちら。
もっとも多いのが「任天堂の新しいゲーム機だから」というもので、その後も「ゼルダの新作が出るから」、「任天堂のゲームタイトルの発売が予定されているから」などが続くことを考えると、やはりみんな「任天堂のゲーム」を遊ぶために本機を購入している様子が見て取れる。このあたりは、同じゲーム機でもプレイステーション4やXbox Oneとは大きく異なる(もちろん、それぞれにエクスクルーシブタイトルはあるが)ところだろう。
ちなみに、データを見ていて面白く感じたのが「ゼルダの新作が出るから」を選んだ人の世代別の内訳で、20代と40代の2ヵ所に山があるところだ。40代はいわゆる“昔からゼルダファン”、“ゲームファン”だとして、20代での認知度や期待値が高いのは、もしかしたらゲーム実況動画などの影響が大きい(ニコニコ上でのアンケートということを加味すると、だが)のかもしれない。
「Nintendo Switch」本体と同時に購入したゲームタイトルはなんですか
こちらは、気になる「本体と同時に購入したゲームタイトル」についてのアンケート結果。すでにシリーズ最高傑作との呼び声も高い『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が71.4%と圧倒的な結果となった。『マリオ』など、ほかに強いローンチタイトルがないことも要因ではあるが、それを差し引いても、今回、いかに『ゼルダ』(ソフト)がハードを牽引しているのかが見て取れる。ゲーム市場において、「キラーソフトの存在がいかに大切か」という命題への、ひとつの回答とも言えるだろう。
次点としては、パーティゲーム色の強い『1-2 Switch』や『スーパーボンバーマンR』などが売れている模様。『1-2 Switch』は、イチ押しタイトルとしてプッシュされていたので、妥当さを感じる次第だが、興味深いのは『ボンバーマン』のほうだ。長らくコンシューマ版がリリースされてこなかった本作が、よもやこういう形でまた陽の目を見るとは……。まあ、でも確かに任天堂ハードで遊びたいゲームのひとつだろう。
ちなみに、この質問は“購入&予約した人”限定の設問だったにもかかわらず、「特に購入しない」と答えた人が14.7%いたというのも、なんとも興味深い。つーか、これに投票した人は、何のためにゲーム機を買ったのか? 押し間違い? 謎は深まるばかりだ。
「Nintendo Switch」本体をどこで購入または予約しましたか
ネット販売が一般化して久しい昨今、「みんなはNintendo Switchをどこで買ったのか?」という質問への結果がこちらだ。思いのほか店頭購入が多い、といった雰囲気だろうか。直前の盛り上がりを見て、発売日当日にお店に駆け込んだユーザーも多かったと耳にするので、そうした結果が多少は数値に反映されているのかもしれない。
ネット上でNintendo Switchの予約がスタートしたときは、それこそAmazonでの販売は瞬殺。ヨドバシ.comなどの大手通販サイトにもアクセスが殺到し、しばらくサーバに繋がりづらい状況が続くなど、ある種のお祭り状態となっていた。だが、全体を俯瞰して眺めると、まだまだ店頭での購入が多いというあたり、実店舗という販売チャネルの底堅さを実感する結果だと言えよう。
どんなタイミングで「Nintendo Switch」を購入したいですか
こちらは、「いずれ購入したいと思っている」と答えた人に対し、では「どんなタイミングで購入したいか」を尋ねた結果だ。
『スーパーマリオ』や『マリオカート』を押しのけて、『Splatoon2』が圧倒的な数値をマークしているところが興味深い。『Splatoon』といえば、その独特な世界観とゲーム性で、それまであまりFPS(一人称視点シューティング)やTPS(三人称視点シューティング)といったジャンルを遊んでこなかったプレイヤー層を開拓したタイトル。熱狂的なファンを多く獲得した作品として知られるが、それが並み居る強力なタイトル群の中にあってもここまで強固なブランドを確立していることに、あらためて驚かされる。
この結果を見る限り、『Splatoon2』の発売が予定されている2017年夏が、「Nintendo Switch」のさらなる飛躍のタイミングとなる可能性は高そうだ。
任天堂のゲーム機のうち、あなたが持っているもの、または過去に持っていたものはどれですか
最後に。こちらは「持っている(持っていた)任天堂のゲーム機」を調査したもの。
ファミリーコンピュータやスーパーファミコンが、30代以上で圧倒的なシェアを誇っているのに対して、10代~20代ではそこそこ。逆にWiiなどは10代が中心となるなど、世代によってゲーム機ごとの所持率が大きく違っていることが判る。ニンテンドウ64などは、20代だけ妙に突出した数値となっているが、この世代は、子ども時代に『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『007 ゴールデンアイ』などを遊び込んだ層、といったイメージだろうか。実際のプレイ風景が想像できる、いろいろと面白い結果となった。
また、携帯機のほうに目を向けると、ニンテンドーDS(DS Lite、DSi、DSi LLを含む)やニンテンドー3DS(LLを含む)が、世代に関係なく満遍なく売れているのも、面白いポイントだ。逆にゲームボーイやゲームボーイアドバンスなどは、20代~30代に大きな山ができている。これは『ポケットモンスター』の登場が大きな影響を与えている時期。いわゆる「ポケモン世代」として捉えることができそうだ。
あと、これは余談だが、バーチャルボーイや64DDなどを持っている(持っていた)人は、じつに平均の3~4倍の割合でNintendo Switchを購入(予約)していた。そうしたメジャーではない機器を購入していた層なら、さもありなんという感じではあるが。
ともあれ。
ざっと駆け足ではあるが、「Nintendo Switchについてのアンケート調査」を解説はこれで終わり。より詳しいデータは、下記のアンケート結果ページで公開されているので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。