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『流星のロックマン パーフェクトコレクション』は、復刻の域を超えている。新たな遊び心地とサプライズの数々を凝縮させた再構築(リビルド)作品だった。改めてこの見どころ満載の名作を推したい!

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カードゲームとアクションゲームを融合させた戦闘システムを特色とするRPG『ロックマンエグゼ』。その後継作品『流星のロックマン』も『ロックマンエグゼ』に続いて、『流星のロックマン パーフェクトコレクション』として蘇る時が来た。

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「委員長……ついに、ついに“ロックマンさま”のご帰還です!」

恐悦至極ながら、このたび製品版相当のバージョンを先行体験できる機会に恵まれた筆者は、(心の声で)委員長ことヒロインのひとり、白金(しろがね)ルナにお祝いの言葉をかけようと、ゲーム本体を起動してメインメニュー画面を開いた。

そして、衝撃の光景が目の前に広がった

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!!!!!?

委員長が3D化している!?

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いや……委員長だけじゃない!
ミソラちゃんも3D化している!
ちゃんとボイス付きでバリバリしゃべる! し、新録じゃないか……!

しかも、ゲーム本編にも原作のニンテンドーDS版にはなかったボイスが追加されている……!? 主人公のスバルとウォーロックが戦闘中にあれこれしゃべるようになっている! おまけにキャラクターの顔グラフィックが全部イラスト化!?

な、なにこれ!? こんなの聞いていませんがな! 東京ゲームショウでの取材時にこんなのなかったはずですけど!?

これ以外にも出るわ出るわ、初体験の新要素と便利機能の数々。前述したように、筆者は2025年の東京ゲームショウで本作を取材し、一部の追加機能や要素は体験済みだったのだが、今回の先行プレイを通して、あれらは氷山の一角であったことを思い知らされた

『流星のロックマン パーフェクトコレクション』は、初代『流星のロックマン』から『流星のロックマン3』までのナンバリング3作および7バージョンを現代のゲーム環境に蘇らせただけの復刻(リバイバル)作品ではない。

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その真の姿は、『流星のロックマン』という名作を令和のゲーム環境の基準などに合わせて最適化し、新たな遊び心地とサプライズの数々を凝縮させた再構築(リビルド)作品

『流星のロックマン』を全く知らないプレイヤーに限らず、原作ファンも新鮮な気持ちで楽しめるものに仕上げられているのだ。その仕上がりたるや「『流星のロックマン』にもういちど光を!」というレゾン【※】を掲げた、カプコン開発チームの熱意と愛が滲み出ているほど。

※レゾン
『流星のロックマン3』で初登場する用語で、端的に言えば「目標」。作中世界では同じレゾンを持つブラザー(友人、仲間)とチームを作り、レゾンを達成するため取り組むことが行われている。

これには4年前の2022年、電ファミにて『流星のロックマン』の魅力と3作限りの展開に終わった歴史を綴る特集記事を執筆した筆者も胸が熱くなる思いだった。まさか、こんなにも大胆に再構築した上で現代に蘇らせてくれるだなんて。

「でしたら、こちらもそのレゾンに応じましょう!」ということで、今回の『流星のロックマン パーフェクトコレクション』の特徴も交えながら、『流星のロックマン』の魅力を改めて語らせていただこう。そして、最初に断言する。

これから『流星のロックマン』にデビューするなら『流星のロックマン パーフェクトコレクション』で遊ぶのがベスト・オブ・ベストだ!

文/シェループ
編集/柳本マリエ


これはただの復刻じゃない!令和の時代に最適化するため、再構築された最新バージョンの『流星のロックマン』だ!

しかし、魅力を語る前に『流星のロックマン パーフェクトコレクション』における驚きの再構築(リビルド)ぶりを紹介しておきたい。これがもう、原作のニンテンドーDS版に戻れなくなってしまう(戻れなくなってしまった)ほどなのである。

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『流星のロックマン2』の「ベルセルク」バージョンだけは2本入り(もともとそういうものでして……)

改めて『流星のロックマン』についてだが、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」向けに展開された、カプコンの人気アクションゲーム『ロックマン』の派生作品で「ブラザーアクションRPG」だ。先日、東京会場での開催が終了した「大カプコン展」の「主要タイトル系譜図」【※】いわく、「カードバトル」の系譜に連なる2作品目に当たる。

※ちなみに会場で販売された「大カプコン展公式図録」の21ページにも掲載されている。

ナンバリング単位で3作、バージョン別で計7本が展開されたシリーズを1本にまとめ、現代のゲーム環境向けに蘇らせたのが今回の『流星のロックマン パーフェクトコレクション』となる。一見は「昔に出たゲームの復刻版」という体だが、本作が凄いのは原作のニンテンドーDS版をベースに、操作性から機能面、果ては一部のグラフィックと音楽までリビルドしていること。

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ちなみに設定で原作のニンテンドーDS版と同じ縦表示にすることも可能だ

2つの液晶ディスプレイに表示されたゲーム画面を1画面に集約&再構成し、ニンテンドーDS独自のタッチスクリーンを活用した操作や一部の仕掛けをボタン操作に完全置き換える(タッチ操作自体を廃止)など、遊び心地が大きく変わると同時に、より快適性が高まったものへと改められているのだ。

機能周りでも原作にはなかったものが多数追加されている。

中でも筆者が感銘を受けたのが、(実は東京ゲームショウ出展時のバージョンにも備わっていた)右スティック押し込みによるフィールドマップの全体確認機能。『流星のロックマン』は、ストーリーに沿ってマップ上を移動したり、敵との戦闘をこなしていくのが基本の遊び方となる。

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このうちマップは3種類あって、そのなかのふたつ「電波世界」と「電脳世界」は迷路のように入り組んだ構造が特徴だ。それゆえ、探索では比較的右往左往しやすいのだが、これが全体確認機能の追加で進むべき道(ルート)をあらかじめ調べられるようになり、テンポよく移動していけるようになっている。

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次のマップに繋がる出口やキャラクターなどを探し出す際にメチャクチャ便利!

とりわけ本編の要所にして、特徴的な仕掛けが設けられたダンジョンに当たる「電脳世界」は、この機能のおかげで劇的に攻略しやすくなっている。実際に原作でときどき、右往左往した経験のあるた筆者にとって、この事前確認可能というのは大きく、体験中は心の中で「原作にもあってほしかった……!」と叫んでしまった。

これだけでもじゅうぶん嬉しいのに、オートセーブ機能やランダム発生する戦闘をなくす・頻発させる、攻撃力や防御力などを上昇させるアシスト&難易度設定機能までも用意されている。いずれも令和の時代のゲームに慣れたプレイヤーにもありがたい機能であると同時に、原作経験者も「これがほしかった!」と感動しかねないものばかりだ。

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極めつけにグラフィックも会話ウィンドウのキャラクターの顔がイラストとして描き起こされていたり(※原作のドット絵にすることも可能)、音楽も全曲に本作独自のアレンジ版を用意。果てはテレビアニメ版『流星のロックマン』の声優陣による新録のパートボイス、前述した3D化したメインキャラクターたちのさまざまな動作や会話を楽しめる要素までも追加してしまっている。

かねてより、筆者は『流星のロックマン』を現代の環境で遊べるようになるときを望んでいた人間だが、元がニンテンドーDSという特徴的なゲーム機で発売されたタイトルで、その設計に沿った部分もあったことから、どんな形にするのか、そもそも実現できるのかが気がかりだった。まさか再構築レベルで変えてくるどころか、遊びやすさからファンサービスまで盛り込んだ豪華版になるとは、夢にも思わず

これなら『流星のロックマン』をますますオススメできちゃうじゃないかと、一連の変わりっぷりを知った今の筆者は、心が「はくちょうのまい」状態である。

かつての『流星のロックマン』特集記事の繰り返しになることをご容赦願うが、本当に『流星のロックマン』という作品は3作限りの展開に終わったことが惜しまれる名作だった。今なお輝く強烈なふたつの売りを持つ、魅力たっぷりの『ロックマン』なのだ。

「ここだ!」というチャンスを簡単操作で突く楽しさとスピード感、そして『ロックマン』シリーズ伝統の“答え探し”が融合した戦闘システム

『流星のロックマン』が名作たるワケを象徴する強烈な売り。ひとつは戦闘システムだ。

基礎部分は前身に当たる『ロックマンエグゼ』をほぼ踏襲している。少々かいつまんで『ロックマンエグゼ』の戦闘システムを紹介すると、縦3×横6のマス目フィールド(青がプレイヤー、赤が敵陣地)上で実施。デッキ(フォルダ)から選んだ「バトルチップ」(※『流星のロックマン』においては「バトルカード」)と、補助攻撃の「ロックバスター」を駆使して敵への攻撃を仕掛けていく形である。

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動けるのは手前の3マス。あとは全部敵の陣地

『流星のロックマン』はフィールドを縦5×横3のマス目の3D構造に一新。プレイヤーの陣地も一番手前の縦1×横3マスのみとなって、残る縦横計12マスはすべて敵陣地として設定されている。

単刀直入に言えば狭くなり、単純化した……のだが。実際は要素を最小限にしたことで、戦闘中の移動から攻撃に至るアクション全体のテンポが飛躍的に向上。敵への攻撃も分かりやすく、そして直感的に仕掛けられるようになるなど、独特のスピード感を味わえるものへと変化している。

「ロックオン」「ウォーロックアタック」という、2つの独自要素の存在も大きい。本作では十字キー(方向キー)の下を入力すると緑色の矢印が現れ、それが敵1体と合わさるとサイト(照準)が表示。そこから即座に「バトルカード」を使うと、ロックマンが自動的に敵の目前へと瞬間移動し、ほぼ確実に攻撃を命中させられる「ウォーロックアタック」が決まるのだ。

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特に「ソード」に代表される近距離専門のバトルカードと組み合わせたときの効果は絶大。「ウォーロックアタック」なら、ロックマンが自動的に敵へと近づいてくれるので、ほぼ確実に攻撃を命中させられるのだ。

純粋に近接武器として使う場合、敵が自陣手前のマスまで近づいた時じゃないと命中できない。だが「ウォーロックアタック」なら、そんなのお構いなし。単に敵に狙いを定めて、Aボタンを“ポチッ”と押すだけでほぼ当たる。

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この簡単かつ必要最小限の操作で、「ここだ!」という“チャンスを突く楽しさと気持ちよさ”を気軽に味わえるのが『流星のロックマン』の戦闘システムの魅力のひとつである。

「チャンスを突く」というのは、アクションゲームの『ロックマン』特有のスリリングで気持ちよい瞬間でもある。だが、アクションゲームの『ロックマン』の場合、キャラクターの立ち位置を微調整しながら移動させつつ、敵の動きや攻撃の特徴も見切ることがセットで要求されることから、プレイヤーの技量が問われやすい。

その技量を問う部分を大幅に緩和させ、体験しやすくしたのが『ロックマンエグゼ』だったのだが、『流星のロックマン』は「ロックオン」と「ウォーロックアタック」によってさらなる緩和を実施。最小限の操作と技量でより易しく、直感的に味わえる設計を実現している。同時にすべての『ロックマン』シリーズ特有の困難な状況をひっくり返す逆転の一手こと“答え”を探し出す面白さも手軽に体験できて、その醍醐味に浸れるのだ。

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これらの特徴と魅力から、『流星のロックマン』の戦闘システムは『ロックマン』の「答え探しのおもしろさ」を気軽に味わえるものと言っても過言ではない。しかも、敵の攻撃直前の瞬間を突いた時に発動する「カウンター」のシステムも『ロックマンエグゼ』シリーズから継承。カウンターが決まれば敵が一時的にマヒ状態になるだけでなく、追加のバトルカードなども手に入って、さらなる攻撃チャンスを得られるという大きめのボーナスが用意されているのも、極める意欲を刺激する。

この戦闘システムは一部の粗さも抱えつつ、シリーズ作を重ねていくにつれて改良が図られていき、3作目の『流星のロックマン3』で“覚醒”とも表せる進化を果たしている。

詳しく解説すると長くなるため割愛するが、元の売りであるスピード感とチャンスを突く楽しさを維持しつつ、「ノイズチェンジ」「カードサイズ」「ギャラクシーアドバンス」といった新要素を追加して、文字通りの目にも止まらぬスピード感と深い戦略性が演出された戦闘を楽しめるようになっている。

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「ギャラクシーアドバンス」が発動し、強力なバトルカードが誕生

『流星のロックマン パーフェクトコレクション』は、そんなシリーズの戦闘システムがいかなる進化を遂げていったかの歴史を簡単に辿ることもできる。実際に1作目から順に追ってみれば、『流星のロックマン』と『流星のロックマン2』を経て、『流星のロックマン3』でいかに進化したのかがとてもよくわかる

そして、思い知らされるのだ。「こんなに進化したのに、3作目で締め括ったのか……!」と。筆者も今回の『流星のロックマン パーフェクトコレクション』を通して、やや久しぶりに『流星のロックマン3』の戦闘システムに触れたが、改めて体験してみても完成度が高く、同時に伸び代を感じさせるものになっている。

さらにこれは全作共通だが、カウンターを決める気持ちよさには、いまにして見るとカプコンの剣戟アクションゲーム『鬼武者』の「一閃」【※】に通ずるものもあるな……と。

※一閃
敵の攻撃が当たる瞬間に攻撃ボタンを押すと繰り出す一撃必殺のカウンター攻撃。『鬼武者』シリーズの象徴的なシステムで、2026年発売予定の新作『鬼武者 Way of the Sword』にも実装されている。

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少しでも、この戦闘システムに関心を抱いたのならば、ぜひ今回の『流星のロックマン パーフェクトコレクション』で体験してみていただきたい。なんだったら、いきなり『流星のロックマン3』から始めてしまうのだってアリだ。

だがしかし。ストーリーとキャラクターも含めて楽しみたい場合、初代『流星のロックマン』から順番に辿るべし。なぜならば『流星のロックマン』は、3作品すべてが密接につながったストーリーを描いているからだ。

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ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。
Twitter:@shelloop

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