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『流星のロックマン パーフェクトコレクション』のパーフェクトが指すのは“遊びやすさ”だ。充実のアシスト機能とバトル画面切り替えの高速化、そして操作系の一新で申し分のない“完璧なコレクション”が爆誕する!?【TGS2025】

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ここまで遊びやすさを“パーフェクト”に等しくしてくるとは。なるほど……「パーフェクトコレクション」とはそういうことか!

『流星のロックマン パーフェクトコレクション』TGS試遊レポート。『バトルネットワーク ロックマンエグゼ』の後継作_001

おそらく単にそれだけの意味ではないとも思われるが、TGSに出展された『流星のロックマン パーフェクトコレクション』のデモバージョンは、そんな心持ちにさせられる手触りだった。オリジナルであるニンテンドーDS版で煩わしいと感じていた部分が劇的なレベルで良くなっているのだ!

具体的にはタッチスクリーンの操作(タッチする)以外を受け付けなかったいくつかの要素がボタン操作に完全対応、マップ上の高速移動機能の追加、2画面に分けられていたゲーム内情報の1画面への統合など。

さらには戦闘開始前にわずかにあったロード時間が消滅していたり、設定で戦闘時における通常攻撃「ロックバスター」の威力を最大500%にまで強化するといったことまで可能。今回のデモバージョンでは体験できなかったのだが、マップ移動&探索時におけるランダムエンカウントを無くすことまで設定可能にするというのだから驚きだ。

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『流星のロックマン』と言えば、ゲームボーイアドバンス時代を象徴する名作データアクションRPG『バトルネットワーク ロックマンエグゼ』(ロックマンエグゼ)の後継作品として誕生したタイトル。2023年に『ロックマンエグゼ』のナンバリングシリーズ6作を現代に蘇らせた『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』が発売された際、「次は『流星のロックマン』の番だ!」と期待した人は少なくないだろう。

そして2026年、満を持して『流星のロックマン』も現代に蘇るかたちになったが、本作は当時オリジナル版を楽しんだ直撃世代のファンから、初めて『流星のロックマン』に触れる方々まで、強力にオススメできるタイトルとなると筆者は確信している。それほどの可能性を感じられたデモバージョンのプレイレポートをお届けする。

文・取材/シェループ
編集/恵那

※試遊ではNintendo Switch版を体験したため、操作解説はそちらに準拠しています。


「チャンスを狙う楽しさ」を突き詰めた、ハイテンポなバトルシステムが売りの『流星のロックマン』

もともと『流星のロックマン』は、2006年に任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」向けに発売された『ロックマン』シリーズのひとつだ。

ゲームの骨組みは『ロックマンエグゼ』とほぼ同じで、ストーリーに沿ってイベントを進めていくRPG的な要素と、ダンジョンの探索や敵との戦闘をこなしていくアクション要素、カードゲーム要素を併せ持っている。公式には「ブラザーアクションRPG」と名付けられている。

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最大の売りは『ロックマンエグゼ』の流れを汲みつつ、独自の工夫を施したバトルシステム。縦5×横3のマス目で構成される簡易3Dフィールド上でロックマンを操作し、基本攻撃の「ロックバスター」「バトルカード」の攻撃を併用しながら敵の「電波ウィルス」たちと戦っていく。

プレイヤーが動けるのは手前の横3マスだけと、行動範囲はかなり限定されるのだが、その分、スピーディで攻撃的な立ち回りが楽しめるのが特徴だ。また「ロックオン」「ウォーロックアタック」なる、バトルカードの攻撃を命中させやすくする技や、敵の攻撃を完全に防ぐ(一部例外あり)「シールド」を展開できるなど、アクションに自信のない人にも嬉しい要素が備わっている。

「ここぞ!」という瞬間を狙って強力な攻撃を命中させる楽しさと爽快感、『ロックマン』シリーズ伝統の敵に決定的な一撃を与えるための「答えを探す面白さ」を直感的かつ気持ちよく味わえる、というのが『流星のロックマン』のバトルシステムが持つ魅力のひとつだ。

このほかにも、ある事情から不登校になっている主人公「星河スバル」が、宇宙人「ウォーロック」との出会いを経て「ロックマン」となり、戦いに巻き込まれつつ成長していくストーリーも高い評価を受けており、バトルやアクションに限らない要素も『流星のロックマン』の魅力だ。

『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』に引き続き3Dモデルのロックマンがメニュー画面で色んなリアクションを取ってくれる

TGSに出展されているデモバージョンは、2006年発売の第1作『流星のロックマン ペガサス/レオ/ドラゴン』の冒頭部分を体験可能だ。残る『流星のロックマン2 ベルセルク×シノビ / ベルセルク×ダイナソー』『流星のロックマン3 ブラックエース / レッドジョーカー』の2作(バージョン合計なら4作)については、残念ながら今回は体験できなかった。

まず気になったのは、ゲーム本編起動後のメニュー画面。ここでは本作で新たに追加されたアシスト機能の設定を切り替えるオプションなどが設定可能だ。

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テレビアニメ版および『流星のロックマン2』以降と同じキャストが起用されている感じだった

メニュー画面は『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』のメニュー画面と同じく、左側に3Dモデルのロックマンが表示されており、Lボタンを押すと、ロックマン(スバルとウォーロック)がボイス付きで喋る。

これは『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』にもあった要素で、本作にも継承された格好だ。

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オプションでは、今回追加されたアシスト機能のON/OFFおよび調節、画面情報の表示設定などが可能だった。デモバージョンではエンカウント率の設定に関しては存在しなかったものの、高速移動のON/OFFとロックバスターの威力変更は可能だった。ちなみにロックバスターの威力はデフォルト(最小値)が100%、最大が500%まで設定可能となっている。

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今回の試遊ではデフォルトの「中央」でプレイ。ZLボタンで注視する画面の切り替えが可能だった。

オリジナルのニンテンドーDS版と同じような画面でプレイできる縦表示も可能になっており、Nintendo Switchの携帯モードであれば、当時を思わせる見た目で楽しむこともできるようだ。

アシスト機能と一部操作の変更によって遊びやすさが劇的に向上。さらには戦闘画面の切り替わりも爆速化!?

肝心のゲーム本編について、筆者が感銘を受けたのは「遊びやすさ」が飛躍的に向上していたことだ。

今回追加されたアシスト機能の中には、移動速度を速くすると設定があるのだが、実際にプレイする前は「それって必要なの?」というのが正直な感想だった。と言うのも、『流星のロックマン』ではオリジナル版でも平均的な移動速度は十分に速めに設定されているからだ。『ロックマンエグゼ』シリーズで言うところのBボタン押しっぱなしによるダッシュ時の速度が、本シリーズにおけるデフォルトの速度になっていたのだ。

しかしいざ使ってみると、これが想像以上に快適。慣れてしまうとデフォルトの移動速度を遅いと感じてしまうほどだった。とはいえ目で追いかけるのも大変と感じてしまうほど速すぎるというわけでもなく、その塩梅が絶妙で素晴らしい。

敵とエンカウントしてから戦闘画面に切り替わるまでのロードが高速化していたのも印象に残った部分だ。オリジナル版はエンカウントして画面が明転したのち、約1秒ほどの間が生じて戦闘画面に切り替わったのだが、それが爆速と言えるほど早くなっている。

また、オリジナル版の戦闘画面はキャラクターがローポリゴンの3Dモデルで描写されていたが、こちらも高画質化が施され、輪郭や表情などが分かりやすくなっている。フレームレートも向上している感じだ。

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「表情が分かりやすくなったとなれば、あれとかこれとかのキャラモデルとかどうなっちゃっているの……?」と思ったりしたのだが、分かる人だけ分かればいいです。ちなみに筆者は真っ先にダイヤ・アイスバーン【※】が脳裏をよぎったらしい。

※『流星のロックマン3 ブラックエース / レッドジョーカー』に登場するボスの1体。詳細は「本編を見てのお楽しみ」ということで割愛する。

そして、今回の復刻でオリジナル版経験者の多くが気にしていると思われるタッチスクリーンの操作を要求する部分だが、それらはボタン操作に置き換わっている。

『流星のロックマン』ではプロフィールカードの閲覧、電脳世界への突入(ウェーブイン)、ミニゲームイベントなどにおいて、タッチパネルを利用した操作が要求され、ボタンの操作は受け付けない仕組みだったのだ。

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それが本作ではボタン操作に対応したことにより、スムーズに各種のチェックや個別マップへの移動ができるようになった。

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今回のデモバージョンでは、ある程度“巻き”で進めることで最初のボス「オックス・ファイア」戦の直前まで進めることができたのだが、その直前に発生するロデオのミニゲームもボタン操作に完全対応していた。ABXYボタンをタイミングに合わせて押す仕組みに変更されている。

ちなみにプロフィールカード、電脳世界の突入ポイントなど、画面内に複数のタッチ対象が表示されている時はXボタンを押すことでターゲットを切り替えられるようになっていた。

1点、惜しい箇所もあったが、『流星のロックマン』初プレイには最良なのは間違いなさそう

約30分ほどの体験ではあったが、思った以上に遊びやすさの向上が図られており、とりわけ高速移動の快適さには意表を突かれた。タッチスクリーン操作以外を受け付けない仕掛けに対する措置も、ボタン操作へと適切に最適化されていたのが嬉しい。

一方でメニュー画面の表示がYボタン、ビジライザー切り替え(電波世界の可視化)がXボタンという、オリジナル版経験者としては「ん??」となってしまった変更点も。というのも、これらはオリジナル版では逆に設定されていたのである。

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オリジナル版経験者としては思わず「ん??」となった部分。

他にも、戦闘ではオリジナル版ではYボタンでシールドだったのが、Xボタンでシールドに変更されている。

Nintendo SwitchのJoy-con、PROコントローラのボタン配置はニンテンドーDSと全く同じであることから、てっきりオリジナル版と同じ操作と思っていただけに、こうなっていたのには素直に疑問だった。ボタン配置の変更オプションも確認できなかった。

残念ながら、ここだけはパーフェクトの名に反していた印象が否めない。とは言え、あくまでこれはデモバージョン。製品版では変更、もしくはボタン配置の変更オプションが追加される可能性もある。オリジナル版経験者としてはぜひ、そのいずれかを熱望する次第だ。

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逆にそれ以外では遊びやすさの向上が輝いていた印象だ。製品版ではエンカウント率の調整も可能とのことなので、『流星のロックマン』シリーズのもうひとつの魅力であるストーリーだけに集中して楽しむなんて遊び方もできてしまうだろう。

『流星のロックマン』シリーズはストーリーの完成度の高さでも定評があり、特に初代『流星のロックマン』は、若年層のみならず大人でも楽しめる……を通り越して、現実でも起こり得るさまざまな人間関係のトラブルが描かれるのもあり、心をグサグサ抉られるほどのものになっている。

今回の『パーフェクトコレクション』は、そうした物語メインの楽しみ方も気軽かつ快適に味わえるようになっているのは間違いないので、ぜひこの機会に試してみて欲しいと強く推したいところだ。そしてある意味、主人公のスバルを喰うほどの存在感を誇る2人のヒロイン、白金ルナ響ミソラが未だ語り草にされている魅力(ワケ)も知ってみるのです。

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委員長は相変わらずです。

なお、デモバージョンは体験範囲が序盤に限定されている都合、白金ルナこと委員長しか出てきません。あしからず。(それ以上に筆者は新キービジュアルにヨイリー博士の姿がないのが気になって仕方がないこの頃である)

ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop

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