かつて、脳を焼かれたゲームがあります。
そう、あれは……
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』。
軽妙なタイトルと「学級裁判」の響きの不穏さに惹かれて手にとった本作。なんと、15年前の作品とのこと。……時の流れに軽く絶望しそうです。
いや~すごかった。のっけから不穏な雰囲気の学園、怪しい主催者モノクマ、デスゲームに参加させられる個性的なキャラクターがてんこ盛り。
そう、『ダンガンロンパ』のキャラは濃い。見た目も中身も濃い。その濃さと「一筋縄ではいかない性格」が相まってどのキャラも大変魅力的に描かれています。
そして死ぬ。
そんな魅力的なキャラがすぐ死ぬ。何なら好きになった奴から死んでいく。ちょっと交流して「こいついい奴じゃん」て思ったら翌日死んだ。なんてことになりがち。デスゲームとはいえ、あまりにも儚い。セミの成虫かよ。(でもセミって実際は成虫になってから一ヶ月ほど生きられることが分かったそうです。ほなセミより儚いやん……)
次々と命を散らすキャラたちに「この物語に救いはあるのか?!」と、一気呵成にクリアしたことを覚えています。狂おしく頭をかきむしりながら、情緒が灰になっていく!
そのうち「推しが死んだことの意味について」とか「推しが死ぬ間際の心情について」などの妄想をガンガンに膨らませて二次創作に逃げ込むほど。ああ、ヘキが歪んでいく……推しの絶望顔カワイイ……。
この体験があまりに強烈で、続編をプレイすることにしばらく恐怖を覚えるぐらいには脳を焼かれてしまいました。なぜなら、「また推しが死んだ!!」ってなるのが分かりきっているから。『スーパーダンガンロンパ2』も『ニューダンガンロンパV3』もクリアしたんですが。
登場人物を愛す人ほど、推しの散り際を眺めつつ「もっと一緒にいたかった……」と悔し涙に濡れるのが、『ダンロン』シリーズファンの運命なのかもしれません。
そんな「ダンロンでキャラ萌えした挙句に死で脳を焼かれた方々」にオススメしたいのが『終天教団』です。
こちらのゲーム、なんと!!
ダンロンシリーズのシナリオを制作した小高和剛氏の最新作。
ダンロン並に魅力のあるキャラたちと「長く濃く」お付き合いできるのが、本作なんです。
やったー!!
※この記事は『終天教団』の魅力をもっと知ってもらいたいDMM GAMESさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
『終天教団』の魅力的な世界観を語る前に
『終天教団』の魅力的な世界観を語る前に、簡単なあらすじをお伝えしましょう。
滅びの時を迎えつつある世界に出現した異様な新興宗教“終天教”を信奉する『終天教国』。殺されたはずの教祖は、不思議な「神の力」という奇跡で復活を果たす。
だが教祖であった頃の記憶も、殺された時の記憶も失ってしまっていた。“天使”を自称する二人組が付き添い、教祖に“神の試練”──犯人を突き止めて殺すこと──を強要する。
さもなければ教祖は再び死に、世界も滅亡してしまうという。
プレイヤーは教祖かつ主人公である「下辺零」として、タイムリミットである4日間のあいだに自分を殺した犯人を突き止めなければならない。
そして犯人は……『終天教団』幹部五名の中にいる!
主人公は、「下辺 零」。何にも覚えてないけど教祖らしい。
零を導くのは、自称・天使のヒメル(少女)&ミコトル(男性)。どう考えても怪しすぎるふたり。

つまり「『教祖』という身分を隠しつつ、4日後までに自分を殺した犯人を捜せ」ということです。
「何も知らないプレイヤー」と「記憶喪失の主人公」は、この濃すぎる世界を初めて目の当たりにした戸惑いという点で、シンクロしながら世界に没入していけるのも上手い作りです。
この主人公・下辺零自身も、天使二人組も、容疑者である五名の幹部たちも、何もかも怪しい。
……だがそれがいい!!

主人公と共に「この国なんなの!? 『神の力』ってなんなの!?」とプレイヤーも叫びつつ行動することになります。そうそう、これこれ!この味の物語に振り回されたかったんだ!
プレイヤーは主に、教団幹部五名の中から一人を選択し、「こいつが犯人!」と決め打ちをしてから捜査するという手順でプレイを進めていきます。
え……それでいいの?勘だけで決めて大丈夫?

さらになんと、ルート(キャラ)ごとにゲームジャンルが変わる超贅沢仕様!
ああ、今見てもこの選択画面、シビれるほどかっこいいですね。そして幹部はどいつもこいつも胡散臭いけど絵になる。本作はキャラクターデザインもビビットかつオシャレで美しく、どんな場面でも映えがスゴイのです。
キャラの魅せ方がうますぎる!相手への評価が目まぐるしく変わって手のひら返ししまくり
『ダンロン』の頃からひしひし感じていましたが、小高氏の作品は「キャラの魅せ方が上手すぎる」。
たとえば「科学省」ルートの伊音 テコ(クール天才ショタ)。
主人公は彼を調べに科学省へ赴くも、なんと何やかんやでテロに巻き込まれてしまいます。やむなく主人公はテコと一時的に協力し、敵を撃退しようと頑張ります。しかしこのショタ、かわいい見かけして冷血漢。目的のためなら手段を厭わぬタイプ。
テコルートのゲームジャンルは「マルチ視点ザッピングノベル」なので、プレイはテキストが主体になります。テキストアドベンチャーゲームをプレイしたことがある方には、おなじみの画面でしょう。



さらに、先述の通り本ルートは「マルチ視点」ザッピングノベルなので、主人公以外にもテコ視点や別キャラ視点からの物語を読むことができます。



『ダンロン』でも、キャラと会話したり交流するイベントでは好きになっちゃいそうな部分を垣間見せることが多く、内面を知るたびに彼ら彼女らの深みにハマっていったものです。もちろん、『終天教団』でも同じ。
心はどんどん「ズッ友だよ!」に傾いていくものの、一方で「コイツを殺さないといけないの?」という暗澹たる気持ちに。心が二つあるよぉ……。
上がったり下がったりのジェットコースターばりに感情が振り回され、話が進むごとに人物の見え方がグルリと変化する。行き着く先が読めないのが、本作の面白さです。





