猫マグロのひとことレビュー
どちらかと言うと、恐怖感を全面的に押し出している作品ではないが、それ故にホラーが少し苦手、といった人にもオススメできるゲームである。
このゲームの一番の魅力は、登場人物たちだろう。さまざまなキャラクターが出てくる中で、それぞれがしっかりと個性を確立させている。キャラクター各々が、独自の考え方でストーリーに絡んでくるので、プレイ中にそのすべての個性を見ることができる。会話自体も、なんてことない世間話やストーリーに迫る重要なものまで、じつに多彩で、驚かされたり、共感したりと、プレイヤーを飽きさせない。
もちろん、ホラーゲームとしての完成度も高い。ストーリーはシンプルながらも、道中に散りばめられた要素がそのストーリーをどんどん複雑かつ面白くしていく。複雑と言っても、わかりにくい点があるわけではなく、むしろ“奥が深い”という意味のほうが近い。恐怖演出のタイミングや表現もまったく違和感がなく、そのときに登場しているキャラクターに合った演出がされている。
基本的にホラーゲームは、「この世のモノ」と「あの世のモノ」が関わることが多いと思う。しかしこの作品は、「あの世のモノ」が主役になっており、そして「あの世のモノ」と関わっていくホラーゲームだ。
その独自で新鮮なキャラクターたちの考え方がゲームを盛り上げていき、「この世のモノ」であるプレイヤーを楽しませてくれるだろう。
獄都事変
発売年月日 | 企画・制作 | プラットフォーム |
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2014年12月30日 | リンネ堂 | Windows |
特記事項 | ||
ブラウザ版(2016年)あり |
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