『ペルソナ3』以降のシリーズナンバリング作品で、現代を舞台にしたジュブナイルRPGを作り続けてきた、橋野桂氏。彼が率いる「スタジオ・ゼロ」はいま、RPGの“王道”であるファンタジーをはじめとする「アトラスならではの、ゼロからの作品作り」に取り組んでいる。
アトラス社内に「スタジオ・ゼロ」を創設した彼が、今回「PROJECT Re FANTASY(プロジェクト リファンタジー)」と呼ばれる現在制作中の新作で掲げているテーマは、「真なる幻想世界(=ファンタジー)への回帰」だ。
※2017年12月22日にはアトラス公式生放送が行われ、トレーラー映像も初公開された。
電ファミニコゲーマーでは、この「PROJECT Re FANTASY」のプロデュースとディレクションを手がける橋野桂氏による、連載シリーズをスタートさせている。
「ファンタジーをよく知らないからこそ、あえてそれに挑む」と言う橋野氏が、ゲーム、小説、コミックなど、日本の第一線で活躍するファンタジーの“達人”たちと語り合い、ファンタジーについての意見を交換するという企画だ。
【『ロードス島戦記』水野良×『ペルソナ5』橋野桂:対談】 ゴブリンを倒していた若者が最終的に世界を救う話は、ファンタジーならではの“純化”である【新生・王道ファンタジーを求めて①】
前回はその第1弾として、『ロードス島戦記』【※】の作者である水野良氏と、橋野氏による対談をお届けした。そこでは本格的な西洋ファンタジーの世界観や用語が『ロードス島戦記』を通じて、日本のゲームや小説、コミックの世界にどのように定着していったのか、その過程が明らかにされている。
だが、『ロードス島戦記』が与えた影響は、世界観や用語に限ったものではない。エルフやドワーフといった種族の外見をはじめとするビジュアルもまた、その後の日本におけるファンタジー世界のイメージを決定づけるものとなっている。
特にディードリットが象徴するエルフのビジュアルは、すでに日本を飛び越えて海外にまで広く影響を与えている。
TRPGリプレイや小説の挿絵によって『ロードス島戦記』のビジュアルを生み出したのが、イラストレーターでもある出渕裕氏だ。
出渕氏は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』【※1】や『機動警察パトレイバー』【※2】などのアニメ作品でメカニカルデザインを担当しているほか、スーパー戦隊シリーズや『仮面ライダー』シリーズといった特撮作品も含めて、多数の映像作品にデザインを提供している。
さらにはアニメの監督や脚本も手がけるなど、多彩な活躍を繰り広げている人物だ。
ビジュアルの最先端で活躍している出渕氏の対談相手には、やはりビジュアルのクリエイターがふさわしいだろう……ということで、今回は連載企画の特別編として、『ペルソナ3』以降のシリーズ作品でキャラクターデザインを手がけ、現在「PROJECT Re FANTASY」にも挑んでいる、副島成記氏に登場いただいた。
じつは副島氏は、学生時代に『ロードス島戦記』のイラストに出会って以来の、出渕氏の作品の熱心なファンだという。
そのため対談の話題はファンタジーだけに留まらず、メカデザインについてやアニメ業界とゲーム業界の違い、仕事に対する互いの姿勢など、非常に幅広いものとなっている。
出渕氏が過去に手がけた作品のエピソードも次々に語られており、ゲームファンだけでなくアニメファンにとっても必見の内容だ。
まず最初の話題は、『ロードス』のビジュアルがいかにして誕生したかについてだ。それは、海外のファンタジー小説やイラストに精通する出渕氏ならではの、豊富な知識に支えられていたことが明らかになった……。
聞き手/TAITAI、伊藤誠之介
文/伊藤誠之介
カメラマン/野口彈
『ダンバイン』でやりきることができなかったファンタジーを、『ロードス』で提示できた
──この対談企画の趣旨としては、アトラスが新たな王道ファンタジーRPGに取り組むにあたって、そもそも王道ファンタジーとはどういうものなのか? ということを探る企画なんです。
前回はプロデューサー兼ディレクターの橋野桂さんが、『ロードス島戦記』の水野良さんにコンセプトや物語についてお聞きしたのですが。今回はそれを受ける形で、キャラクターデザインの副島さんが、イラストやデザインの面から見た日本のファンタジー観を、出渕さんにお聞きしたいということで。
副島成記氏(以下、副島氏):
ファンタジー物を作ろうと、橋野が「スタジオ・ゼロ」というスタジオを作って、「PROJECT Re FANTASY」というプロジェクトを大々的に発表させていただいたのですが、現在はコンセプトに沿ってデザインの考察を行いつつ、新たなイメージボードやスケッチに入ってるところなんです。
ファンタジーの古典という意味では、『指輪物語』【※】をはじめとする海外の作品がありますよね。
一方で、日本には『ロードス島戦記』がある。僕は今、43歳なんですけど、ちょうど中学生ぐらいの頃に『ロードス』の小説が発表されて、気づいたらすでに『ロードス』の世界がそこにあったという感じなんです。
それもあって、『ロードス』が登場する以前の日本のファンタジーというのはどういう状態で、その中で出渕さんがファンタジー世界をどうやってビジュアル化されたのか、とても興味があるんです。
アメリカのファンタジーでもなければヨーロッパのファンタジーでもない、今の日本のファンタジーの原点になっているのが『ロードス』だと思うので、それを作られた経緯みたいなものを、ぜひ伺えればなと。
出渕裕氏(以下、出渕氏):
『ロードス』以前の日本のファンタジー物、というかロボット物でもあるんですが、僕は『聖戦士ダンバイン』【※】という作品をやっていました。やっているといっても僕はメカ担当で、キャラクターを描いたわけではないですけど。
ロボット物でもある『ダンバイン』は完全なファンタジーとは言えないんですけど、当時としてはファンタジー物の要素を採り入れようとしていた野心的な作品でした。でも、その部分でやりきることができなかった思いは強かったんですよ。
それで後年『ロードス』のお話を頂いた時に「今回は自分の中のスタンダードなファンタジー感を出していこう」という、そんな思いはあった気はします。
──実際のところ出渕さんは、『ロードス』以前にも『ダンバイン』や『機甲界ガリアン』【※】で、ファンタジー的なビジュアルをすごく力を入れてやられていたという印象があります。
出渕氏:
といっても『ダンバイン』の時は普通にクリーチャー系のロボット(オーラバトラー)を描いているだけなんですよ。ファンタジー物は前から大好きでしたが、そういう世界観は僕が参加した時には既にあったものです。
僕がファンタジー的なビジュアルに力を入れている印象があるのだとしたら、それは放送後に『B-CLUB』【※1】という雑誌で、『ダンバイン』の世界をベースにした「AURA FHANTASM(オーラファンタズム)」【※2】という連載をやらせてもらったからでしょうね。
あの連載で、『ダンバイン』の世界をブライアン・フラウド【※3】のようなファンタジー画家の筆致を交えた絵で表現したら、こうなるんじゃないかなというのを試みていて。
※1 『B-CLUB』
1985年〜1998年にバンダイから発行されていたホビー雑誌。『ガンダム』シリーズや『美少女戦士セーラームーン』、『スケバン刑事』や『平成ゴジラ』シリーズなど、当時バンダイが商品展開を行っていたアニメ・特撮作品が積極的に採り上げられていた。
※2 「AURA FHANTASM(オーラファンタズム)」
『B-CLUB』の創刊初期より連載されていた企画で、『聖戦士ダンバイン』に登場したオーラバトラーやその発展型機体を、出渕氏独自の視点でイラスト化するという内容になっている。
その時にファンタジーイラストとしての手触りを実感したから、『ロードス』の挿絵をやる時に、その感触を作品に反映できた気がします。満を持して、というほど偉そうなもんじゃないですけど。
でも『ダンバイン』は、何かの機会があったらまたやってみたい気がしますね。
『ロードス島戦記』のビジュアル原点は、イギリスのファンタジーアート
副島氏:
ご自分の関わられた作品の中での好みっていうのも、やっぱりあるんですか?
出渕氏:
別に自分から発信しているのではなくて、企画があってそれをプロとして仕事しているだけなんですけど、その中では『ダンバイン』は好みでしたよね。
やっぱりファンタジー的アプローチを試みてる作品って好きなんですよ。
作品がやろうとしている方向性と、自分のやりたい方向性が、上手くリンクしたりすると俄然やる気が出て、そういう作品は作業していても面白いですし。
それはのちのち形として、振り返ってみると自分の名刺代わりになってたりはしてますよね。
『ダンバイン』は企画の最初から入ってるわけではないので、本当に棚ぼたでしたけど。もともと先にメカデザインをやられていた宮武一貴さん【※】のコンセプトが素晴らしかったですし、自分の中では特殊な位置付けにある作品ですね。
副島氏:
『ダンバイン』には妖精が出てきますが、『ロードス島戦記』はどちらかというと『指輪物語』に近い感じですよね。
出渕氏:
そうですね。『ロードス』には羽根のついたフェアリー的なものはあんまり出てこないですけど、でもエルフとかドワーフとかの種族はいますから。だからやっぱり『指輪物語』の世界観ですよね。
かたや『ダンバイン』のほうでは、ガロウ・ランというオークに相当する蛮族的な種族も出てくるにはくるんですけど、フェラリオというフェアリーや妖精のような種族がビジュアル的にピックアップされている感じはありました。
副島氏:
ファンタジーには、人間離れしたキャラクターが出てくるものもありますが、『ロードス』の場合は異種族でもかなり人間に近いですよね。そういう形になった経緯というのは?
出渕氏:
敵側にはそれなりに人間離れしたのはいるとは思うんですが、主人公側は一言で言ってしまうと、水野君の指定がそうだったので。
パーティーの中にエルフが1人、ドワーフが1人いるっていう。まあ、そうなりますよね、やっぱり。そこから自分の持っているファンタジー基礎知識の中で、エルフはこんな感じだよね、ドワーフはこんな感じだよねと、ビジュアルイメージを形にしていったんです。
たとえばアメリカのイラストレーターが描くエルフの外見って、もうちょっと悪魔的なイメージなんですよ。耳もあんなに長くないし。
副島氏:
そうですよね。
出渕氏:
でも僕はもうちょっと優しいというか、神々しい感じで。『ロードス』ではのちにダークエルフが出てくるんですけど、最初のハイエルフのほうは自然と共生しているので、木々のグリーンっぽい配色にしました。
ドワーフは他のみんなより等身が低くて、四頭身ぐらいなんだけど、がっしりした体格でヒゲが生えていて。自分としてはだいたいこんな感じだよねって、普通に出していった感じですね。
副島氏:
ドワーフっていったいなんだろう? と思い悩んだりしたことは?
出渕氏:
なかったですね。それはたぶん、ベースになっている『指輪物語』などを基礎知識として知っていたからだと思うんです。
自分の中では、やはり『指輪物語』がファンタジーの基本だと思っているので。
『指輪物語』の挿絵や、映画の『ロード・オブ・ザ・リング』【※1】のデザインを担当している、アラン・リー【※2】という画家がいるんですよ。
あともう1人、先ほども話の出たブライアン・フラウドも。この人は『ダーククリスタル』という映画のコンセプト・デザインを手がけているんですけど。
※1 『ロード・オブ・ザ・リング』
ピーター・ジャクソン監督が母国のニュージーランドをロケ地として、『指輪物語』を全三部作で完全映画化。外見や大きさの異なるさまざまな種族や怪物たちが入り乱れる、壮大なファンタジー世界を実写映像化することに成功している。
※2 アラン・リー
イギリスのイラストレーター。同氏の描いた『指輪物語』の挿絵は、日本版文庫本(新版)のカバーなどにも使用されている。アラン・リー氏は、同じく『指輪物語』の挿絵を手がけたジョン・ハウ氏とともに、映画『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』のコンセプト・デザインを担当している。
じつはこの2人の共著で、いろんな妖精を描いた『フェアリー』という画集があるんです。昔はサンリオ出版から出ていて、今は別の出版社から出ているんですけど。
僕はこの画集を中学生くらいの時に手に入れて、そのビジュアルセンスにすごく惹かれたんですね。
ヨーロッパのファンタジーのビジュアルというと、水彩の柔らかさを持っているイメージで、『ロードス』もどちらかというとそういうタッチの絵が多いと思うんですけど、その原点はこの『フェアリー』なんです。
あとは、後年にアラン・リーが出した『Castles』という未翻訳の画集があって。神話のお城やファンタジー世界のお城を、キャラクターも絡めて描いているんですが、これがまた素晴らしいんですよ。
アラン・リーやフラウドからさらにさかのぼると、アーサー・ラッカム【※】という画家がいて。
ラッカムは『不思議の国のアリス』や『ピーターパン』といったファンタジーをイラストにしていて。たぶんアーサー・ラッカムの系統に、アラン・リーやブライアン・フラウドがいるんだと思うんです。
──イギリスのファンタジーアートの系譜みたいな感じですか。
出渕氏:
そうですね。やっぱりファンタジーっていうとヨーロッパのものというイメージが僕の中にはあって。
一方でアメリカのファンタジーもあるんですけど、そっちは筋肉なんですね(笑)。筋肉がムキムキの人物が厚塗りで描かれていて、最後は腕力というか暴力で勝つような雰囲気の。
──フランク・フラゼッタ【※】みたいなタイプですね。
副島氏:
ちょっと露出が多い感じで。
出渕氏:
かたやイギリスやヨーロッパのアートでは、女性を描いても豊満なナイスバディにはならないんですよね。どこかすらっとして、気品があって。
副島氏:
そうですね。
出渕氏:
『ロードス島戦記』のお話を頂いた時に、これはどちらかというとヨーロッパ系だなと、自分の中で確信したんです。『ロードス』の物語を聞いて、水野君本人にも言ったんですよ。「これって『指輪』だよね」って。
さきほどお話ししたブライアン・フラウドの『ダーククリスタル』にしても、もともとはパペットで『指輪物語』を作りたかったんだけど、権利問題とかでできなかった。
じゃあ自分たちのオリジナルで『指輪』みたいなものを作ろうという意図があったみたいなんですよ。
副島氏:
じつは、出渕さんが『ダーククリスタル』をお好きだというのを聞いて、この対談の前に初めて見てみたんですけど、制作当時にどういうふうに評価されていたのか、どういう位置づけの作品だったのか、今ひとつよくわからなくて。
出渕氏:
あの映画が公開された1980年代前半に、僕らがビジュアル的にインパクトを受けたファンタジー映画が2つあって。『エクスカリバー』【※】という映画はご覧になったことがあります?
副島氏:
すみません、見たことはないです。
出渕氏:
『エクスカリバー』と『ダーククリスタル』、この2本の映画のビジュアルイメージが素晴らしくて。
ただ『ダーククリスタル』に関しては、当時『セサミストリート』のスタッフが作ったものというイメージで、観に行った人もいるのかなと思うんです。でも物語としては、決して年齢層が低いわけではなくて。
キャラクターが全部パペットで、人間が1人も出てこない映画じゃないですか。僕も最初は「えっ、人形劇なの?」と舐めてかかっていて、実際に見たらショックを受けて帰ってきたんですけど。
エルフの耳が長いのもダークエルフが褐色なのも、みんな僕のせいみたいです(笑)
副島氏:
自分なんかの世代ではもう、エルフといえばディードリット、ドワーフといえばギム、みたいなイメージなんですよ。
出渕氏:
よく言われるんですよ。エルフの耳が長いのは、お前のせいだって(笑)。
副島氏:
いろんな方から聞かれてるのかもしれないですけど、実際のところはどうなんですか?
出渕氏:
当時はそう言われて初めて「えっ、そうなの?」って。それこそ自分の中のイメージでは、エルフの耳はあれぐらい長いものだって、なぜかインプットされていたんです。
あとで気がついたというか、自分でそういうことなのかなと思ったのは、『ダーククリスタル』に出てくるキアラ(キーラ)というヒロインの女の子がいますよね。あの子の耳がけっこう長い笹耳なんですよ。
副島氏:
そうですよね。
出渕氏:
キアラはゲルフリンという種族なんですけど、ゲルフリン(Gelfling)は「elf」の前に「G」をつけただけなんですね。だから映画のスタッフとしては、あれをエルフとして描いていたと思うんです。
だから自分は、ディードリットで「新しいエルフのイメージを作ったぜ!」とかいうのはぜんぜんなくて、普通にエルフってこうだよねと思って描いただけなんですよ。
でも、耳をより長く伸ばしたのはキャラクターデザインの結城信輝君【※】かもしれないなあ。
それから『ロードス』の後半に、ダークエルフが出てくるじゃないですか。あのピロテースという女性キャラって、最初は水野君の小説には出ていなくて、アニメのほうが先なんですね。
アニメのほうがオリジナルストーリーになっていった時に、結城君が女子キャラが少なくて寂しそうな気がして。
しかも自分の描くキャラクターには、胸が大きいとかくびれがある、いわゆるナイスバディ系があんまりいないんですよ。
でも結城君はそういうのが得意というかなんというか、『ロードス』のアニメにそういう女性キャラを登場させたら彼の潤いになるかな、って。それでピロテースのラフを描いて提出して監督とか脚本家に「出しましょうよ」と進言した感じですね。
青い肌にすると夜のエルフという感じがしてダークエルフっぽくなるんでしょうけど、ちょっと悪魔っぽくなりすぎるので、褐色の肌に白っぽい髪というあの形にした感じです。
そうしたらその後、他の作品に出てくるダークエルフもみんな、あんな感じになってて(笑)。
副島氏:
ダークエルフの肌が青色っていう選択肢はもう今、ないですよね。
出渕氏:
たまにあったりはするようですけど、けっこうな確率で褐色ですよね。すいません、あれも僕のせいかもです(笑)。
──ピロテースは結果的に水野さん自身も気に入られて、小説にも登場していますよね。
出渕氏:
ピロテースという名前も、アニメの脚本を書いた渡辺麻実さん【※1】が命名したものです。でもそうやって相互にフィードバックされていくのは、悪いことじゃないと思うんですよね。
それと『ロードス』のキャラクターデザインでは、これは意図して狙ったわけではまったくないんですが……、挿絵を描いているとどうしても、自分の好きなキャラクターが自然と出てきちゃうんですよ。
あとで見直してみると、「これは『宇宙戦艦ヤマト』【※2】のキャラだよな」って(笑)。ディードリットは細身の細面で切れ長の目で、やっぱり……。
※1 渡辺麻実
『重戦機エルガイム』、『鳥人戦隊ジェットマン』などのTVシリーズや、劇場アニメ『X』のシナリオを執筆している脚本家。また、アニメ・ゲーム作品のノベライズ小説も執筆している。OVA『ロードス島戦記』では、シリーズ構成を担当。
副島氏:
森雪というか……。
出渕氏:
松本零士さんの女性キャラだよねって。特に昔の松本さんの女性キャラって、どこか妖精っぽい雰囲気があるじゃないですか。
スレインは眉毛がない三白眼で「これは真田さんになっちゃった」とか、ギムに帽子をかぶせたら沖田艦長だよねとか。本当に自分では最初、無意識にやっていたんですけど、あとから改めて見ると、もう(笑)。
『ヤマト』のキャラじゃないのもいるんですけどね。ウッドチャックは『UFO戦士ダイアポロン』【※1】のガメツ将軍だぞ、これはって(笑)。でも芦田豊雄さん【※2】つながりだからいいかって勝手に思って。
『ロードス』のアニメを作ることになった時には、挿絵には出てこないようなモブのキャラも出てくるわけですよ。
それでアニメ用にラフを描いたんですが、その時は逆に意識して『ヤマト』っぽいキャラを描いていましたね。シュルツとかドメルとかタランも描いてみたいなって(笑)。