VRMの革新性とバーチャルキャスト(4月)
──さて、少し文化面からの話が続きましたが、ねこますさんが言うように、技術的な進歩もこの一年のあいだで著しくあったと思います。ねこますさんは、そちらのほうが関心が強いわけですよね。
ねこます氏:
自分が「バーチャルYouTuber文化から生まれた、もっとも革命的な発明は何か」と訊かれたら、ドワンゴの媒体で言うのもなんですが、真っ先に挙げるのが「VRM」の誕生です。
これは3Dモデルに対する統一フォーマットなんですよ。たとえば「.mp3」というフォーマットであれば、再生機器があれば、たいていはどこでも再生できますよね。
これがもしも独自のデータ形式が乱立していたら、いちいちそのデータ形式に対応した機器がなければならず、めちゃくちゃ不便なわけです。
ところがじつは3Dモデルには、ずっとその「互換性が取れていない」という問題があったんです。
──長らく互換性問題を解消するソフトや機器が不在だったと。
ねこます氏:
ええ。そこにプラットフォームを跨ぐことを前提とした3Dモデルのファイルの拡張子として登場したのが、VRMだったわけです。これはいままでありそうでなかった発明で、VRMに対応しているソフトならすべて動く環境を担保してくれるわけですよ。
これって、地球で言えば「まずは土を作った」みたいな話。そんな共有資産であるVRMが「バーチャルYouTuberブーム」からわずか4ヵ月後に現れたことって、じつは本当にすごい! と思いますね。
さらには、そのVRMと同時期の4月にバーチャルキャスト【※】がリリースされているのもかなりすごいことですね。VRMを作って「統一フォーマットがすごい!」と訴えるだけでは、ユーザーとしては何も変わらなかったし、伝わらなかったと思います。
「カスタムキャスト」と「Vカツ」(10月)
──今年は、VRMに対応したキャラメイクシステムもリリースされましたよね。
ねこます氏:
VRMの次点で個人的に大きいな事件と思ったのは、「カスタムキャスト」【※1】と「Vカツ」【※2】ですね。
エロゲ界隈のマニアックなソフトから飛び抜け、カジュアル層にキャラクターメイキングをさせることを届けたという点でです。とくにカスタムキャストはすごいですね。
にゃるら氏:
カスタムキャストを使ったことによって、みんなが美少女をアバターとして楽しめるVRの世界にかなり近づいたんじゃないかと思いますね。
現状は、カスタムキャストで作ったキャラクターを自分で動かすなどではなく、Twitterのアイコンにする人がすごい増えているんですよ。これって、言うなれば「オタクたちが自撮りの楽しさを知った」んだと思いますね。
──そういう捉えかたなんですね(笑)。
ねこます氏:
Vカツも特筆すべきもので、これまではキャラクターメイクができるソフトって、エロゲーブランドの歴史を追いかけていくと解るんですが、エロゲーにして売るしかなかったんですよ。
──お金儲けには向いていなかった。
ねこます氏:
そのように、3Dキャラメイキングソフトには限界があったところを、もう一歩踏み込んで、アバターとして使えるようにして、新しい売りかたを提示したんです。すごくないですか?
にゃるら氏:
3Dでキャラメイキングするエロゲーって、エロゲーの中でもかなり特殊なんですよね。客観的に見たら「何やってんだこいつら」みたいなものが、いまやメインストリームに絡んでいる。
いままでエロゲーとして「ヒロインを作る」という価値だったものに、「自分自身が美少女になる」という意味合いが新しく付与され、爆発的にヒットしたのは面白かったですね。
VRoadCaster(5月)
ねこます氏:
それから完全に手前味噌だけど、個人的に触れてほしいのは5月のVRoadCasterですね。
これはVR空間内のテレビ番組なんですが、ちゃんとVR空間の中に音源があって、スイッチャーがあって、当時でもWebパネル(VR空間内での操作盤)は使えたので、その中でスライダーの操作などもできた。
要するにスタジオとしての機能がちゃんとVR空間の中に成立していたんですよ。いまでこそ類似番組もありますが、5月の時点で、あの形を提示していたのは、ぜひイキっておきたいですね!(笑)。
──しっかり書いておきます(笑)。
ねこます氏:
もう少し解説するなら、VRoadCasterは形だけでも新しさがあったのに、取り上げる話題なども結構バーチャルな内容をフィーチャーしているんですよ。
Unityの大前さん(大前広樹氏。日本担当ディレクター)が登場したり、『東京クロノス』【※】のゲームに使われる実際のデータをスタジオとして使って番組を構成したりなど、バーチャルならではのコンテンツの作りかたができていると思っています。
※東京クロノス
MyDearest株式会社による2019年春発売予定のVRアドベンチャーゲーム。8人の高校生の物語をミステリータッチで描く。
にゃるらのバーチャルYouTuber化(10月)
── 一年の振り返りが主軸なので、今日はなかなか個人にフォーカスできませんが、最近現れて面白かったバーチャルYouTuberなどはいませんか?
ねこます氏:
それこそにゃるらさんですけどね(笑)。
最初、「Liveでしゃべるのかな」と思っていたら、まさかの完全にガチガチに作り込んだ30分の動画を出してきたことにびっくりしたんです。
しかも中身も「無職時代の三田のキモオタ【※1】がホームレスに諭された」みたいな話だったり、急に「きまぐれアフター」【※2】のエロゲっぽい背景で、エロゲによくある意味深に文学的な表現のセリフを言ってきたり、最後に唐突に『さくらんぼキッス ~爆発だも~ん~』【※3】を歌い始めたり……。「凄まじい密度だ!」と思いつつ、いったい何を目指しているのか、訳が解らなくて(笑)。
※1 三田のキモオタ
Twitterなどを中心に活躍するネット廃人。音沙汰のない時分に死亡説が流れたりなどしたが、にゃるら氏の動画の中では元気な様子を見せている。
https://twitter.com/sanda_kimoota
※2 きまぐれアフター
彩雅介氏が個人で運用している、イラストの背景画像素材と立ち絵キャラ素材を配布しているサイト。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~gakai/
※3 さくらんぼキッス ~爆発だも~ん~
2003年3月14日に発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム『カラフルキッス 〜12コの胸キュン!〜』のオープニング/エンディング曲。作詞・ボーカルはKOTOKO、作曲・編曲はC.G mixが手掛ける。電波ソングブームの先駆けの作品のひとつとして知られる。
──実際、それまでTwitterやご自身のブログ、それから「ねとらぼ」などを中心に活躍されていたにゃるらさんは、何を目指されてバーチャルYouTuber化されたんですか?
にゃるら氏:
やってみたかっただけです。あとはもう「好きなものについて語りたい」というのと、「美少女としてオタクを沸かせてみたい」みたいな。
ただ、いちばんやりたいことに、「3回目のゲストの●●さん(※公開前にて伏せ字)とバーチャルYouTuberの話をできたら」というのがあって。
ねこます氏:
あー、●●さんですか。
にゃるら氏:
そうですね。「もう少し尖がっていたころの●●さんをインターネットで見せられたらいいな」という思いがありますね。やっぱり僕が第一回の放送で、三田のキモオタ君をゲストに呼んだ理由も、「彼をインターネットに戻したかった」というのがあって。
ちなみに、いまのバーチャルYouTuber界ってあまりリアルな男が出てこないので、そこで「意表をついたゲストを呼ぶのがおもしろいかな」と思ったんですよね。三田のキモオタ君を出したのは、そういうオタク特有の逆張りの精神ですね。
2019年の課題は企業の「マネタイズ」
──駆け足でしたが、文化面と技術面からひととおり、おふたりが気になった今年のトピックについて話していただけたかなと思います。
続く2019年ってどうなっていくと思われますか?
にゃるら氏:
つまらない答えですが、2019年はおそらくほとんど企業勢が占める世界になるでしょうね。個人勢はアップロードの活動をしているだけではやっぱり儲からないので、「バズってもお金にならないから」と2019年中に辞めちゃう人もたくさんいるんじゃないかと思うんですよ。
すると良くも悪くも、「企業が安定して運用するキャラクター」たちが伸びていくだろうなと思いますね。
ねこます氏:
個人勢は究極的に趣味でやっていることなので、自分のペースで自分なりにゆるゆると続けていけるか? がキモになると思います。企業勢については、制作費や収益の実際のところを見たことはないので……何とも言えませんね。
──でも、企業にしてもマネタイズの問題は横たわっているわけですよね。
ねこます氏:
いちばんいいのは、きっと既存のビジネスモデルにシフトしていくことなんだと思います。もっとも無難なのはファンクラブのように「会員数を増やしていく」というような方針転換で、ともかくYouTubeの広告に依存しないモデルを作れるようにしなくちゃいけませんね。そのうえで、イベント出演料やグッズで稼ぐというような。
あとは、にじさんじさんを始めとする、「システムとキャラクターを演者に提供する代わりに、何か発生したときにだけマージンを取るので好きに活動してOK」という、放任主義的なプロジェクトは残っていくんじゃないかと思いますね。
にゃるら氏:
冷静に見ると、バーチャルYouTuberは単体で収益化できるわけがないんですよね。でも、華があるように見える界隈ではあるわけです。
そしていままで別の場所、たとえばアニメ界隈でキャラクターを作ってきた人たちなどが参入しつつあるわけですが、バーチャルYouTuberって、キャラクターと演者さんとの切り離しが曖昧な部分も多く、感情の問題がどうしても伴います。そういうアニメのキャラクターを育てることとは根本的に違う難しさがあるんですよね。
たとえば「いまのキャラクターの方向性はよくないので変えましょう」と提案することは、企業の論理としては正しいわけです。でもそのキャラクターに同一化している演者さんとしては、自分が否定されたようなものとなる。
実際、演者さんが生放送などで人格を付与していくことで、初期に設定した設定からまるきり違うものになったりしているわけですよ。
──プレイヤーに委ねられている部分が大きいわけですね。だからこそうまく放任している事務所ほうが、じつはちょうどいいのかもしれないと。
逆に稼げるバーチャルYouTuberってどういうものなんでしょう?
ねこます氏:
これまでにあったビジネスモデルのうち、強いものに倣ったものじゃないですかね。個人的にはアイドルや歌だと思うんですよ。
アイドルものであれば、「武道館に行きたい」というような目標だったり、「あなたたちの応援のおかげで私たちはこういうことができるようになりました」みたいな成長していく過程だったりを見ている皆さんと一緒に体験できるわけです。
そういう解りやすい成長コンテンツは、長期的に見るとやっぱりいつの時代も強いですしね。
──ああ、確かにバーチャルな強みが活きそうですね。
ねこます氏:
いままでのコンテンツにも、大人数でアイドルや歌手のプロデュースをする作品フォーマットはあるので、そこにバーチャルであることの性質をちょっとだけ乗せたりすればいいんですよ。
でも結局「バーチャルYouTuber」で稼ごうと考えるのがそもそもの間違いなんじゃないですかねー。既存のモデルの枠組みで、少し目立つためにバーチャルであることを使うくらいの考えのほうが、正しい気がします。
個人的には、「なんでこの一年で、バ美肉【※】アイドルユニットが出なかったのかな」と思っています。あるいは「顔のいい演者を集めてどこかのタイミングで意図的に顔バレして炎上させる」など、「なんでそういうものが出てこなかったんだろう」と思いますね。
※バ美肉
「バーチャル美少女として受肉する(肉体を得る)」の略称。美少女のアバターとして活動をすることを指す。この呼称を用いる際、受肉する側の多くがいわゆる「おじさん」であることがひとつの典型となっている。
にゃるら氏:
たとえば僕が聞いた企画に、「可愛い絵が描けるバーチャルYouTuberがいたら売れるのでは」というものがあります。でも「バーチャルYouTuberが可愛い絵を描く」というようなものがだんだんありふれてくると、「顔が可愛い絵師さんが顔出し前提でやればいい」というような話も挙がってくる。
もちろん賛否はあると思いますが、「私がやっています」ということを最初から解りやすく言っちゃうバーチャルYouTuberは、これからものすごく増えてくると思うんですよね。
──それはこれまでのバーチャルYouTuberの定義からはズレていきませんか?
にゃるら氏:
ですが、すでに佃煮のりおさんというマンガ家の方が、いまバーチャルYouTuberをやっていて、すごい人気なんです。それって、もはやみんな中身を知っているわけで。その人の人気が「そういう売れかたがあり得る」ということを、すでに証明しているんですよ。
だとしたら、どんどん顔がいい地下アイドルとか、可愛いイラストレーターが出てきて売れていくというようなことは、これから当然のようになっていくし、するとおそらく最初から中の人の容姿に合わせてキャラクターがデザインされるようになっていくと思いますね。
ちょっと炎上に近い話ですが、最近はバーチャル蠱毒【※】が話題になりましたよね。中の人が全員違う、同じキャラクターの美少女が10体ぐらいいて、投票によっていちばん人気のあった中の人だけが残り、他の人は全員削除されていくというもの。
すると下位の子たちは「もう私、消えちゃうかもしれないけどごめんね」、「違う私を応援してね」みたいなことを言うわけです。
これも賛否が分かれていますが、僕は面白いと思っていて。これってバーチャルでしかできない体験だし、エンタメとして見ればすごく新しい。バーチャルでしかありえなかったエモい(エモーショナルな)話なわけです。
この催しはどんなにそれまで人間を魅了しても
— 九条林檎 (@ringo_0_0_5) November 19, 2018
他の九条が優れていると判断されればそれで終わりだ
己の好いた九条が元の世界へと帰った者の心の傷は癒えまい
勝ち抜いた者はそれらを一手に引き受けなければならない
行くも地獄帰るも地獄とはこの事よ
面白いことこの上ないな?
※Vtuber「九条林檎」の演者のひとりによるツイート。
──それは相当エモいですね。
ねこます氏:
バーチャルでしか成し得ないエモさというのはありますね。
バーチャルキャストで、のらきゃっとさん【※】と初めて会った人の反応などそうです。ファンの方など泣いていたりするわけですよ。
それって相手のモーショントラッキングかどうかとか、音声がどうかとか、バーチャルかリアルかの以前に、「好きなキャラクターと対面して話せる」という感覚そのもののエモさみたいなものがそこにあるわけで。アニメのキャラクターは自分に向かって話しかけてはくれないけれど、バーチャルYouTuberは話してくれるんですね。
そうした根源的なエモさは突き詰めなければと思いますね。AKBの握手会なども、構造的には同じことですよね。そこでしか得られない体験があるからこそ、握手会の価値はいつまでも風化しないんだと思うんです。
※のらきゃっと
ノラネコPによってプロデュースされている美少女バーチャルYouTuber。現在はバーチャルYouTuber事務所「upd8」に所属。かねてより、プロデューサーのノラネコPとねこます氏は、技術的な面での意見交換をするなど、深い交流がある。
にゃるら氏:
あ……ちょっとここでファンの方に向けて言っておきたいエモい話があって。
このあいだ、ねこますさんがバーチャルYouTuberとして人と話しているときに、その表情の切り替えを行っていたのがのらきゃっとさんだったんですよ。
それを僕は舞台裏から見ていて、すごく感動したんです。おふたりが初めての共同作業をしている感じが、『スパロボ』のゲッターとマジンガーの合体技みたいな感じで。すごくエモかったですね。
一同:
(笑)。
にゃるら氏:
隠しておくのももったいないので、こういう機会に言っておこうと(笑)。
「気づけば、壮大な就職活動になっていた」
──最後のほうは少し生々しい企業の話になってしまいましたが、適当にオチのついたところで、取材のテーマに立ち返り、個人勢に向けた言葉をいただきたいと思います。
ねこます氏:
よく「チャンネル登録者数1000人が目標です」みたいなことを掲げる方も多いのですが、「なったらなっただし、ならなきゃならないでいい」というふうに考えたほうがいい、と自分は思っています。だって数字なんて読めませんから。
にゃるら氏:
それをこのタイミングで、個人勢にもっとも夢を見させてきたねこますさんが言うのは残酷ですね(笑)。
でも、そういうふうに言えるのはすごいと思います。実際、個人勢にも、別に伸びたいわけじゃなく、ワイワイ楽しみたいだけの人たちもたくさんいますしね。
ねこます氏:
そう、やっぱりそれがいちばん幸せなんですよ。バーチャル「YouTuber」としてみたら、数の優劣があるかもしれませんが、技術や知識が身についていったり、「バーチャルYouTuber」という枠組みで新しい関係性が築けたりすることを目的にするのがいいと思います。
そして「あわよくば、ちょっと稼げちゃうかもしれない」程度に思っておくのがいいんじゃないかなと。
たとえばゲーム実況者って、昔はお金を稼げる職業ではなかったですよね。考えてみれば、そもそもゲームをやっているだけで楽しいのに、多くの人に喜んでもらえて、さらにはお金がもらえちゃう……というような話だったわけで。
バーチャルYouTuberも同じような足し算で考えたほうがいいと思いますね。「そういう創造的な趣味である」と思えば、その先には希望しかない。そんなふうにこの一年を通じて自分は思いました。
──なるほど。ねこますさん個人としては、これからどうしていくのでしょう?
ねこます氏:
個人的には、やっぱり「けもみみとVRに最大の関心がある」というところは変わらないんですよね。いま界隈を見ていて面白いなと思うのは、圧倒的にVRchat【※】です。
VRchatを楽しんでいるプレイヤーのほうが、よっぽど3DCGやVRなど技術寄りなコンテンツやエンタメに近いところにいて、興味も持っているんです……って、記事にしづらそうな話ですいません(笑)。
ですが、VR機器の進化や普及への貢献を考えると、「バーチャルYouTuberには流行り続けていてほしい」という願いはありますし、「応援したい」という気持ちがあります。ただ、自分は先日ブログでも発表したとおり、バーチャルYouTuberをすでに引退しているんです。
※VRChat
2017年2月1日にリリースされ、Graham GaylorとJesse Joudreyによって開発、VRChat Inc.によって運営が行われているソーシャルVRプラットフォーム。仮想空間上で他者とコミュニケーションが取れ、自分の好きなワールドの作成や、簡単なゲームの作成なども行うことができる。
……今日の冒頭にもお話をしたとおり、やっぱり自分は勉強のために動画を作っていただけなんです。あらためて「自分は動画を作り続けるのに向いていないな」と思い、バーチャルYouTuberを辞めたんですよ。
幸い、いまはその技術を活かした職にも恵まれましたし、ある意味では、当初の目的は達成されているんです。
にゃるら氏:
なるほど……今日はその話題について触れなければと思っていたんですが、別に当初は「いわゆるYouTuberになりたかった」というわけではなかったんですね。
──にゃるらさんのブログによって、意図せずバズってしまっただけだったと。
ねこます氏:
でも、そのおかげで「自分にとってのバーチャルYouTuber活動は、気づけば壮大な就職活動になっていたんだなあ」と、一年を振り返って思います。
そして、いまはとても幸せに働いているんです。応援してくださった皆さまには、本当に感謝しかありません。ありがとうございました。
──ねこますさんの軌跡や今日語られた思いを伺っていると、ほかのコンテンツ業種が数年や数十年かけてたどり着いた今日までの流れを、バーチャルYouTuberは圧倒的な密度でたった一年で駆け抜けたように思います。「なんて濃密な界隈だ」という衝撃をあらためて受けた取材でした。今日はおふたりとも、ありがとうございました!(了)
バーチャルYouTuberが実際に何をしているのか判らなかった方も、もとからのおふたりのファンも、興味深く読める話が続いたのではないだろうか。
2018年に大ブレイクしたバーチャルYouTuberが2019年にどこへ向かうのかは、今後も電ファミニコゲーマーやニコニコニュースオリジナルにて追い掛けていきたいと思う。
そこで電ファミニコゲーマーでは、新たに専用のTwitterアカウントを開設(@dfng_vr)。アカウント開設記念として、HTC VIVE Consumer Edition、PRO、トラッカーのセットのプレゼントキャンペーンを実施しているので、ぜひご応募を。
バーチャルYouTuberをはじめ、VR、AR、MR、バーチャルYouTuberなど、現実の向こう側に近づくための記事のアレコレを、このアカウントを通じてお届けしていくつもりだ。
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この女の子たち、活動当初から“誰が運営しているのか”については一切明言してこなかったが、そのクオリティの高さからファンの間では「大手企業がバックにいるのでは?」と噂されていた。実は、水面下でスクウェア・エニックスによって企画・プロデュースされていたのだ。