たったひとつのメインストーリーなのに、その受け取り方は個々人の「選択」によっていかようにも変わる。セガの新作スマホRPG『シン・クロニクル』が目指す、「自分だけのストーリー体験」とは

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 セガが2022年春にリリースを予定しているiOS/Android用ソフト『シン・クロニクル』(以下『シンクロ』)。本作は2021年秋に開催された東京ゲームショウにおいて、「セガ新作RPG」との大々的な触れ込みで発表された。

 本作は『チェインクロニクル』(以下『チェンクロ』)の開発スタッフによる同作の後継作となるファンタジーRPGだ。「あなただけの、一度きりの物語を」と銘打たれている『シンクロ』では、各章のクライマックスでプレイヤーに「運命の選択」と呼ばれる2択が迫られる。やり直しできないこの選択によって、その後の物語の展開はもちろんのこと、仲間にできるキャラクターも変わってくるという。

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シン・クロニクル

 しかし、東京ゲームショウでの発表時点では、ティザートレイラーで使用された「真のRPG」といったフレーズがネット上でひとり歩きしてしまったこともあり、「一度きりの物語」「運命の選択」といった『シンクロ』が持つ魅力は、あまり上手く伝わっていないように感じられる。

 そこで今回は、『チェンクロ』の熱心なプレイヤーでもある「ゲームキャスト」管理人寺島壽久氏を聞き手に迎えて、『シン・クロニクル』総合ディレクターの松永純氏に改めて、本作がスマートフォン向けのRPGとしていったいどういった体験を目指しているのか、詳しく聞いてみることにした。

 先行作である『チェンクロ』との具体的な違いなどを確認することで、『シンクロ』がこれまでのスマホRPGとはどのように異なる体験を提供しようとしているのか、そして「運命の選択」がゲームにおいてどのような役割を果たすことになるのかが、分かりやすく説明されている。
 それと同時に、松永氏をはじめとする本作の開発スタッフが、本来どういったゲーム体験を伝えようとしていたか、その真意を理解してもらえるはずだ。

聞き手/寺島壽久TAITAI
文/伊藤誠之介
編集/実存


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松永純氏

「運命の選択」によって、自分自身で運命を切り開いていく「RPGの根源的な楽しさ」を感じてもらいたい

寺島氏:
 最初に『シンクロ』の発表の際に、SEGAさんが「真のRPG」と語った理由についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

松永氏:
 はい。その前に、まずきちんとお伝えしたいのが、弊社が出したそのメッセージのお伝えの仕方が良くなかったということです。特に今言われた「真のRPG」という部分に関して、言葉と演出の中に過去の多くのタイトルを否定するような見え方があり、それによってご不快になった方もおり、誠に申し訳ありませんでした。
 本来、開発チームがお伝えしたかったのは、今回改めて「スマートフォンRPG」を作るにあたり、「ロールプレイングゲームの根源的な楽しさを、スマホだからこその新しい形で提案したい」ということです。
 
 RPGは総合的な遊びなので、その中には、いろいろな根源的楽しさがあります。今回改めて私たちが目指しているものは、チェインクロニクルの後継作としての、ストーリー体験の楽しさの追求です。

 「大きな物語の主人公となって、自分自身が選んだ仲間と冒険して、自分自身の物語を切り開いていく」という体験をぜひ楽しんでほしい、と考えています。

寺島氏:
 では、松永さんの考える……というか『シンクロ』の目指している「真のRPG」の意味は、「自分自身が主人公となって、仲間とともに冒険する」感覚ということですか?

松永氏:
 そうですね、「自分自身が主人公となる」感覚をすごく大切にしていて、その熱さが強く感じられるゲームになっています。

 そして、その感覚を楽しんでもらうために、「仲間とともに冒険する」要素や、「自分自身が大きな運命を切り開いていく」選択のシステムといった様々な遊びを盛り込んでいます。

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主人公

寺島氏:
 なるほど。そういえば、『チェンクロ』のときも松永さんは似たことをおっしゃっていましたね。

 すなわち、RPGというものは総合力であると。キャラクターがいて、それを生かす物語があって、楽しいバトルがあって、それを積み重ねた総合的な体験がRPGの面白さになる、といったことを以前のインタビューでおっしゃっていたように思います。

松永氏:
 そうですね。今回も、凝ったストーリーシステムに加えて、バトルあり、ダンジョンありといった内容になっています。

寺島氏:
 だとすると、前作の『チェンクロ』と、それと似た方針で作られた『シンクロ』で、「明確にここが違う」という部分はどこになるのでしょうか。

松永氏:
 大きなメインストーリーがあり、そのなかでユーザーさんが自分で選んだパーティで冒険をすることによって、仲間と一緒に冒険している感覚を味わいながら、その物語を進めていくというところは同じですね。

 その上で今回大きく違う部分は、「選択肢がある」ということです。ユーザーさん自身が物語を切り開いていく感覚を強く感じてほしいということで、今回は大小、いろいろな選択肢がゲームの中に用意されています。

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選択肢

 なかでも特に大きいのは、メインストーリーの最後に必ず登場する「運命の選択」と呼ばれているものです。この選択肢でどちらを選ぶかによって、物語が大きく変わっていくところが、いちばんの違いかなと思っています。

 図で説明するとこんな感じになります。
 メインストーリーはクライマックスまで大きな流れは1本ですけど、プレイヤーが選んだパーティキャラや、途中の選択によって、さまざまなドラマが発生し、それが最後の大きな選択をするときに、一気に集約するような流れになっています。

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寺島氏:
 その「物語が大きく変わっていく」というのは、PVでもすごく興味を惹かれました。とはいえ、その変化はどのくらいの大きさなんだろう? と気になっていまして。

 普通のRPGって、選択肢があると言っても「どっちを選んでも、結局行きつくところは一緒でしょ?」みたいになっていることが多いじゃないですか(笑)。『チェンクロ』でも「皆がんばるぞ」と「徹底的にやっつけてやろう」みたいな選択肢があって、それは結局どちらを選んでも、物語として変わらなかったわけじゃないですか。

松永氏:
 (笑)。

寺島氏:
 もちろん、それでも選択肢がないよりは、あったほうが嬉しいんですけど。そういった選択肢と「運命の選択」は、どう違うんでしょうか?

松永氏:
 まず最大の特徴として、クライマックスの「運命の選択」のどちらを選ぶかによって、物語が大きく変わります。

 ストーリーももちろん変わるんですが、それ以上に大きな点としては、「運命の選択によって、仲間になるキャラクターが変化する」ということですね。本作は、各章ごとに魅力的なゲストキャラクターが登場し、物語を盛り上げてくれるんですが、最後の選択で、誰が仲間になるかが変わるんです。

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第1章のゲストキャラクター・アンネ(左)とギュンター(右)

寺島氏:
 なるほど。

松永氏:
 「どちらのキャラクターを選ぶのか?」という選択が、やはりいちばん熱いと思うんです。

 世の中には分岐のあるゲームはいろいろありますが、その中でも心に残っているものとしていちばん話題に上がりやすいのは、やはり『ドラゴンクエストV』の「ビアンカとフローラ、どちらと結婚する?」というドラマですよね。

寺島氏:
 『タクティクスオウガ』での「僕にその手を汚せというのか」『真・女神転生』「カオスとロウのどちらを選ぶか」なども、物語の根本に関わる重大な選択肢ですね。

松永氏:
 そうですね。どの選択も、プレイした人の心に強く残る体験だったと思います。本作は、あの選択の熱さと緊張感を、メインストーリー配信するたびに感じてもらう、ということを目指しています。
 そして、それを実現するためにこだわっているのが、そのクライマックスに至るまでの過程の冒険です。そういった2択がすごく熱いのは、やっぱりその手前までのドラマがあるからだと思うんです。「ビアンカとフローラ、どちらを選ぶ?」というのも、ビアンカとの間にそれまでの旅のドラマがあったからこそ、そこですごく悩むという体験があるわけで。もし「知らない女の子ふたりのどっちを選ぶ?」と言われても、迷いようがないというか、そこには葛藤が生まれないですよね。

 なので『シンクロ』では、過程となる冒険で、登場するゲストキャラにそれぞれ想いを抱いてもらえるように、ストーリーでの描写はもちろん、バトルにゲストキャラが参加してきたり、ダンジョンの合間にキャンプイベントが発生したりと、RPGとしてのプレイ体験としてキャラに想いを抱いてもらえるよう、さまざまな仕掛けを用意しています。

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キャンプイベント

 そして本作にも、チェンクロなどでおなじみの「キャラクター固有ストーリー」が用意されているのですが、今回はこの固有ストーリーが、メインストーリーの「最後の選択」に絡まるように構成しています。
 つまり、仲間との旅のドラマが、伏線としてクライマックスに集約して、ユーザーさんの運命の選択のとき、いろんな葛藤を投げかける……という体験を目指しています。かなり熱く感じてもらえるのではと。

自分がパーティに選んだキャラクターの顔ぶれによって、「運命の選択」に対する向き合い方が変わってくる

寺島氏:
 『チェンクロ』では個別のキャラクターストーリーで、そのキャラが戦いに身を投じた理由やパーソナリティが語られたりしますよね。それに対して『シンクロ』のキャラクターストーリーは、大きな選択を盛り上げるために関わってくるということなんでしょうか?

松永氏:
 はい、まさにそうです。運命の選択を盛り上げてくれます。

 あらためて世界観からご紹介させてもらうと、本作の世界には「奈落」と呼ばれる巨大なダンジョンがあって、プレイヤーは世界を救うためにその奈落を潜っていく……というのが大きな流れです。そこで登場するのが、奈落より這い出る魔物たちから人類を守っている「境界騎士」たちです。プレイヤーである主人公も、仲間になるキャラクターも、この「境界騎士」となっています。

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奈落
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境界騎士団

 主人公は、この奈落探索におもむく探査騎士隊の隊長で、その点では『チェンクロ』の「義勇軍の隊長」という設定と、大きくは違わない感じですね。そこで展開される個別のキャラクターストーリーも、そのキャラクターのバックボーンを深堀りし、仲間との絆を深める形で描かれます。

 という感じで、シチュエーションはほぼ同じなのですが……

寺島氏:
 ではたとえば、あるキャラクターがいて「オレはこういう理由で戦いに身を投じたんだ」みたいなキャラクターの深掘りがなされた時に、その情報が積み重なって「運命の選択」にも関わってくる、といった設計になっているわけですか?

松永氏:
 はい、そういったイメージですね。

 たとえば、アルカンという仮面を付けた魔法使いのキャラクターがいるんですが、はじめ主人公たちとは距離を置いていて。キャラクターストーリーの中で、ヒロインのひとりであるクロエが、主人公と一緒にその心を開いていくんですね。

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アルカン

 で、第1章の最後の選択の時、クロエはある一方の選択肢を選ぼうと主人公に訴えてくるんですが、それはとても危険な選択で。けれどそのとき、アルカンが「クロエと主人公のために、なんとしても血路を開く!」と、言ってくれるんです。

 そうなると、プレイヤーとしては思わずクロエの言う選択肢を選びたくなりますよね。

寺島氏:
 ということは、ガチャでキャラクターが出てきて、そのキャラクターと一緒に旅をしていたら、「Aのヒロインを選ぶか、Bのヒロインを選ぶか」という状況になった時に、ガチャから出たキャラクターが「私はAの優しさを信じる」みたいなサジェストをしてくるわけですか?

松永氏:
 そうですそうです。

寺島氏:
 じゃあガチャからA派のキャラクターがたくさん当たって、主人公と一緒に旅をしていたら、「やっぱりAさんが正しいよ」みたいな感じで言ってきたり、バランスよく当たったら、パーティ内で議論が互角になるみたいな感じに?

松永氏:
 はい。組んだパーティによって、最後の選択での「感じ方」が、人それぞれかなり変わってくると思います。

寺島氏:
 なるほど……。たとえば物語の結果、「魔王を倒す」だとか「奈落を封印する」とかいった結果は一緒だったとしても、そこまでの選択によってストーリーの演出だとか、物語が終わった後の味わいだとか、最後の展開とかが大きく変化しているとか、そういった仕組みは?

松永氏:
 もちろん、ストーリーの演出は変わりますし、読後感も変わると思います。

寺島氏:
 つまり、ストーリーそのものは一本道なんだけど、仲良くするキャラクターであったり、出会うキャラクターの違いによって、たとえば僕は「知らず知らずにA勢力側の視点や思い入れをもって」そのストーリーを体験するし、別の人は「また違う勢力側の視点で」同じストーリーを体験することになると。
 それで結果的に、同じストーリーではあるんだけど、感じ方がじつはちょっとずつ違うということですか?

松永氏:
 そうですね。大きな葛藤としては、わかりやすく「ふたりの言う選択、どっちを選ぶ!?」という選択の熱さを楽しんでもらいつつ、どちらかの選択肢を選ぶ理由が、見てきた仲間とのドラマなどによって違うことにより、そこに自分なりの物語、自分だけの選択があったんだって、思ってもらえるゲームに本作はなっています。

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その章のキーとなるキャラクターには、「運命の選択」で変わってくる後日談ストーリーが配信される

寺島氏:
 今回の『シンクロ』と『チェンクロ』とでは、プレイヤーが物語に対して介入するというところで、ストーリーの作り方だとか、制作の苦労だとかがかなり違ったと思うんですけども、そのあたりの変化はどうですか? ちょっと曖昧な質問になってしまうのですが……。

松永氏:
 そういった意味では、『チェンクロ』ではメインストーリーとキャラクター個別のストーリーは別々というか、直接には絡まないものとして用意させてもらっていたわけですが、本作ではがっつり絡むので、かなり大変になっていますね。
 本作も、キャラクターストーリーを見るタイミングは、かなり自由になっているんです。プレイした人が、自分の意志で仲間とのドラマを体験した、って感じられるように。ただそうすると、メインストーリーが進行している流れとの違和感が起きないようにするのに、かなり苦労がありましたね。

 それ以前に、メインストーリー自体を作るのが、相当大変になっています。大きな分岐があるのはもちろんですが、そもそもフィールドダンジョンがあったり、途中でゲストキャラクターがパーティに加わったりとか、純粋に要素が多くなっているので。

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フィールドダンジョン

寺島氏:
 それを聞くと楽しみになりますね。
 しかし、ガチャで仲間になるキャラクターは当然ながらランダムで、レアリティの違いもあります。
 『シンクロ』には物語が少しリッチな「キーキャラクター」がいるとうかがいましたが、通常キャラとどのぐらい違うものなんでしょうか?
 いや、あけすけに言ってしまうと、結局「キーキャラクター」をガチャで全部当てないと物語を楽しめないかもしれない、という不安を感じています。

松永氏:
 そうですね、たしかに「キーキャラクター」がいたほうが、ドラマの総量は多くなります。演出を含めて多くはなっているので、「キーキャラクター」がいたほうが良いですが、逆に第一章のバランスですと、キーキャラクターが全員いると、ぶっちゃけゴールにたどりつくまでにドラマを全部は見られないボリュームになっています。なので、物語を楽しむうえで全員揃えなきゃいけない、というのは決して無いですね。

 そして、キーキャラクターじゃないキャラクターにも、メインストーリーでの個別ドラマが用意されていたりします。あとは主人公やヒロインにもけっこうな量の個別ドラマが用意されています。なので、思い思いのパーティで、メインストーリーを彩るキャラクタードラマを感じてもらえると思います。

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個別ドラマ

寺島氏:
 なるほど。

松永氏:
 ついでにもうひとつ言うと、最後の選択の結果によってゲストキャラクターが仲間になるわけなんですけど、そのキャラは必ず次の章でのキーキャラクターのひとりになるんです。
 なので選択の結果によって、次の章の体験が必ず変わってきます。

寺島氏:
 それはけっこうデカいですね。

松永氏:
 この仕組みがあるので、次の章になって新しいストーリーがはじまっても、その前の章と物語がつながっている感覚も、味わってもらえるんじゃないかと思います。しかも、全員が同じパーティ、同じドラマには決してならないですし。

 あとキーキャラクターに関しては、最後の選択でどちらを選んだかによって変わってくる、「後日談ストーリー」が必ず用意されています。

寺島氏:
 それはガチャキャラのキーキャラクターにもですか?

松永氏:
 もちろんです。

寺島氏:
 ええええ! それはリッチですね。

寺島氏:
 お話を聞いていると今回のチャレンジというのは、プレイヤーに「運命の選択」のジレンマを味合わせることで、それを自分自身の問題のように感じてもらうところにあると。

 そのために物語としては、ガチャから出てくるキャラクターもメインストーリーに関わってきて、プレイヤーに対して「運命の選択」に向けての情報を、個別のキャラストーリーとかも含めて投げかけてきて。それが最後の選択にどんどんチェインしていって、最終目標に向かっていく……という設計になっているわけですか?

松永氏:
 はい。まさにその通りです。

寺島氏:
  ということは、章ごとにテーマがあって、一緒に旅する仲間がそれに関わる発言をして、物語を積み重ねて最後に「ビアンカか、フローラか」クラスの決断をプレイヤーに突きつけると?

松永氏:
 そうです! 各章のクライマックスでそういった迷い、ドキドキ、決断の熱さを毎回感じてもらえるようなストーリー配信を行っていく、というのを目指しています。

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ヒロイン・セラ(左)とクロエ(右)

寺島氏:
 何気なくガチャから当てたキャラクターの言葉で惑わされて重大な決断に悩む……それは間違いなく新しい体験で、ワクワクしますね。
 体験が見えてきたところで、次に気になるのはボリュームですが、どの程度のストーリーが用意されるのでしょうか。

松永氏:
 今作はチェンクロ同様、シングルプレイが基本のRPGなんですけども、メインストーリー部分のみをプレイして、サービス開始のタイミングでおそらく30~40時間ぐらいのプレイボリュームはあるかなと思っています。

 「どのキャラクターを成長させようかな?」って楽しみながらチクチク遊ぶと、もっとかかりますし、そこから先にも、やりこみコンテンツですとか、あとはいわゆる運営イベントなんかもあります。

寺島氏:
 では、追加のシナリオの配信ペースとかは?

松永氏:
 今、予定としては隔月で新章を配信していければと思っています。

寺島氏:
 『チェンクロ』がリリースされる時に、「すでに終わりは決めてある」みたいなことを言われていましたが、実際『チェンクロ』はもう4部まで続いていますよね。

 『シンクロ』もやっぱり、今の時点でどうやって完結させるのかは決めてあるんでしょうか?

松永氏:
 そうですね、エンディングというか、大きな終わりはプロットを用意した上で……

寺島氏:
 えっ!? もうプロットを用意されている?

松永氏:
 あっ、プロットは言いすぎましたね(笑)。大きなストーリー構成の概要はすでに用意した上で作成させてもらっています。

寺島氏:
 僕の中ではやっぱり「スマートフォンだからできるRPG」みたいなところを期待していて。コンシューマ機用のRPGって、最近だとシーズンパスでストーリーが追加されてゆくものもありますけど、基本的には物語の量には限りがあって。

 スマートフォンの運営ゲームの醍醐味というのは、途中からどんどん「プレイヤーの意見」が入ってきて、プレイヤーの人気というか、熱量がある限りは永遠に続いていく、みたいなところにあると思うんです。

 そういった運営物ならではの仕掛けというか、こういうふうに対応していきたい、みたいなところはいかがでしょうか?

松永氏:
 そうですね。チェンクロでも、ユーザーさんのキャラへの愛情を受け取って、登場するキャラや、展開に影響があったりもしているので、そういった良き変化というのは、どんどんしていけたらと思っています。

 今回、ストーリーに大きな選択というのを設けているひとつの理由に、プレイヤーの皆さんと「どっちを選んだ!?」というのを、ライブ感たっぷりに一緒に盛り上がりたいというのがあるので。しっかりと声を受けて、先の物語を作っていきたいですね。

 もちろん、ストーリーをしっかり楽しんでもらえることが大前提ですので、まずは大きな物語をキチンとゴールまで走らせることを中心に頑張っていきます。

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編集長
電ファミニコゲーマー編集長、およびニコニコニュース編集長。 元々は、ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の副編集長として、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、同サイトの設計、企画立案などサイトの運営全般に携わる。4Gamer時代は、対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」などの人気コーナーを担当。本サイトの方でも、主に「ゲームの企画書」など、いわゆる読み物系やインタビューものを担当している。
Twitter:@TAITAI999
ライター
過去には『電撃王』『電撃姫』『電撃オンライン』などで、クリエイターインタビューや業界分析記事を担当。また、アニメに関する著作も。現在は電ファミニコゲーマーで企画記事を執筆中。
Twitter:@ito_seinosuke
編集
ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a
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